スピンターン~くり返しの人生を~あなたと~

~昭和23年団塊世代の独り言~

AIは「人生」語れるか

2023年03月26日 | 日記

千鳥ヶ淵の満開の桜

今日の毎日新聞「時代の風」に総合研究大学院学長
の長谷川眞理子さんの投稿があり、以下に紹介します。

「英国の科学雑誌で「子供を守り育てる」ロボットが紹介
されている。ロボットは全ての「危害」を除去し子供を
全ての悪いことから遠ざける。その結果子供はなにも
学ばないし成長しない。子供を育てることの本質(意味)
は危険も守ってあげながらも様々な事態に際し、自分で
なんとか対処できるようにさせることだ。この「意味」が
ロボットにわかるだろうか?

生身のからだをもたず、成長し、学習し、膨大な記憶の
もとで人生観を築いてこなかったロボットには「意味」
がわからないと思う。ロボットやAIの研究者たちは、
なんとか賢いプログラムさえできれば意味のわかるロボット
が可能だと考えているようだ。しかしどこまで行っても
身体がなくそれが成長して経験を記憶しやがて死ぬのが
運命だと知りながら生きている存在でなければ「意味」
を理解することはできない。

最後にサマセット・モームの「人間の絆」が紹介され
主人公が若いころからずっと人生の意味を探して悩み
師と仰ぐ人が「人生の意味はペルシャ絨毯にかいてある」
と聞き、そこでもらったペルシャ絨毯を壁にかけ毎日
眺めるのだがよくわからない。ある日気付く。人生には
意味はないのだと。

私たちは限りある人生を生きている存在だからこそ、さま
ざまな事柄にその都度意味を見出しそれらをつなげて毎日
を暮らしている。

父がなくなった53才を優に超えて75才となり、今でも人生
の意味がよく解らない。意味をわかるには記憶に頼るしか
なく、最近の記憶力は心もとない。24日金曜日に久しぶりに
訪れた満開の千鳥ヶ淵の桜の下のボート場で宴会したことが
昨日のように思い出された。

最近人生の最後の割り切りについて、これまでの長い人生
を総括して人生の意味を見つけて死んでいくのではなく
生きる意味とは、「死ぬまで生きること」かもしれないと
思う。頭で生きている人類が最後は物としての肉体の破滅で
消えていくのだ(2023年5月24日)




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