近鉄・オリックス問題その2

 このブログ、もっと一般的な事柄をスポーツと並列に書きたかったんですけれど、近鉄・オリックスの合併問題がどうしても気になるので、もうちょっとこのお話を。

 今日の夕刊の日経新聞に根来コミッショナーのコメントが出てましたが、
(前略)プロ野球とはいえ経済活動の一環。競争や生き残りをかけた合従連衡は仕方がないのだろう。
 とのこと。

 もう、信じられないし、情けない。これがプロ野球コミッショナーの言うことでしょうか?
 前にも書きましたが、プロ野球球団の運営はたしかに経済活動ですが、消費者のエモーションが著しく企業活動に干渉するという面では、通常の経済活動とはそのおもむきを異にするものです。

 たとえば、シャープ製品が大好きな人でもシャープのテレビがこの世からなくれば、他社のテレビを買い求めるでしょう。三菱自動車を何台も乗り換えてきた人でも、三菱の車が無くなれば、他社の自動車に乗り換えることでしょう。

 しかし、多くの近鉄ファンは近鉄がなくなったからといって、他チーム(あるいは合併後の存続チーム)にすんなりと肩入れすることはできません。
 6年前のフリューゲルス消滅の際、多くのフリエサポーターは、新チーム(横浜FC)に違和感を感じて、競技場から離れていきました。

 根来氏のコメントからは、こうしたファン感情に配慮した言葉がいっさい汲み取れませんでした。法務畑出身のコミッショナー。スポーツ特有のエモーションをいっさい理解していなくても不思議はありません。
 嘆くべきは、根来氏の無能さではなく、有能な指導者を育成できなかったプロ野球組織の先見性の無さでしょうか。

 メディアでは、もう1組合併を行い10チームによる1リーグへの移行が既定路線かのように語られています。おそらく水面下ではそうした交渉が進んでいることでしょう。

 しかし、一般ファンが本当にそれを望んでいるのでしょうか?
 オレンジな生活のろくでもない思考でorenama2さんが記されているように、加盟料廃止の上、プロ野球未開の地にエクスパンションを行う、インターリーグを行うなど、1リーグ以外にファンが望むこともいろいろあるはず。

 加盟料の廃止は前提として、いきなりのエクスパンションが無理ならば、ファーム組織の独立採算制を義務化して、各地方へフランチャイズを分配することなら可能では? メジャーとのリアルワールドシリーズが難しければ、韓国・台湾とのアジアチャンピオンシップは比較的現実的なのでは?

 選手、スタッフの再雇用の問題も大きなものですが、その水面下での話し合いにファンの感情が語られているのか、どうかが大切。それが欠落していては、プロ野球存亡の危機が訪れることに、経営陣はどの程度気づいているのか、甚だ不安に感じられてなりません。
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