キャプテンのジーコジャパン観

 本日、日経新聞主催の、FIFA設立100周年記念シンポジウムを聴講してきました。

 「Supporter of IMPRESSION-感動を支え続ける人々」と題されたシンポジウムの本題は、後日日経紙面に掲載されるそう(いつだろう?)なので、そちらをご覧いただくとして、聞いていて「ん?」と思ったのは、川淵サッカー協会会長の基調講演での発言。

 「明日、インド戦があるが、オマーン戦、シンガポール戦と苦戦して良かった。これで選手も成長したようだ。明日は良い試合をしてくれるだろう」

 正確な文言は記憶できませんでしたが、こんな内容でした。ついでに「良い試合してくれないと、またデモが来ちゃう」とか、そんなことも。
 まあ、デモはどうでも良いとして、その前の「苦戦して良かった」はどうなんだろう? 川淵さんは、予選開始当初は苦戦して、そこからチームが力をつけていくことを予測して、ジーコを推薦したのでしょうか?

 たしかに代表は、イングランドと良い試合をしました。サッカー雑誌や新聞も、シンガポール戦の後がウソのように、今のチームを評価し始めました。でも、もし明日、また大苦戦したらどうなの? あるいはもしかして、勝ち点落としたらどうなの? それでも評価するのですか?

 メディアが手のひらを返した物言いをするのはよくあること。でも、川淵さんは手のひらを返すわけにいかないんだから、発言はもうちょっと慎重にした方が良いのではないかしらん。彼が今までもジーコを評価していたことは、報道から伝わってきます。それが、ここにきての好調で気が大きくなっているのかも知れません。

 だからと言って、ここで大きく出ては、この先、ジーコを厳しく評価しなくてはならなくなった際に、非常に立場が厳しくなるのではないでしょうか。監督の評価は技術委員会の仕事だから、多少、無責任なことを言ってもいいと思っているのでしょうか? サッカーがここまで肥大化してしまった今日、協会会長の発言は非常に大きな重みを持ちます。

 川淵さんは、決断力、行動力、人柄、そしてスピーチの巧さがそろった、まれにみる名リーダーであり、尊敬に値する人だと思っています。だからこそ、もうちょっと慎重に言葉を披露する場面があっても良いのではないでしょうか?
 第三者として見ていれば、非常に魅力的に見えても、言葉の軽い指導者は内部からは案外支持されていないものです。そう、まるで逆切れを得意とする小泉さんみたいに。

 今後の日本スポーツ界のため、川淵さんにはまだまだ活躍していただくなくてはなりません。だからこそ、ムードに流されない、慎重な言動を期待したいのです。
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