ゴールと決断

 昨年、所属の大阪ガスを退職してプロ選手の道を選んだ為末大。「プロ選手」と聞けば響きは良いけれど、スポンサーを獲得しない限り、収入が途絶えることは必至。退職することで、将来の保障も練習環境も失ってしまいます。それでも、プロの道に進んだ彼は、自分のアスリート生命にどんなゴールを設定したのでしょうか?

 自分が数年後に何を成し遂げたいのか、何者になるのか? そのためには、どんな道を進むべきなのか? これは、アスリートであるなしに関わらず、私たち誰もが考えなければならないこと。…、と分かっていても、実際、ゴールセッティングを行い、そのために自らの生活を構築していくのは自分に厳しくなければ難しいものです。私も、今まで幾度、自分を甘やかして後悔してきたことか……。

 おそらく、為末は自分のゴールに向かうために、プロ化は避けて通れない道だったのでしょう。そして、そのゴールに向けたステップ、日本選手権で見事に優勝。アテネへのチケットを手にしました。インタビューのコメントを聞くと、去年、一昨年の精神面よりも充実している様子。世界選手権で銅メダルを獲得した2001年に雰囲気が似ているとのこと。8月のアテネで、彼がどんなハードリング、どんなレースをしてくれるのか? そして、その後の彼はどんなアスリートへ成長していくのか。要チェックです。
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