好試合の中にみた不安

 インド戦、私の余計な心配をよそに、ナイスゲームを見せてくれました。

 特に、小野伸二!!

 広い視野で性格なパスを配給、中盤でボールをキープしてチームに呼吸を促し、そして豊富な運動量で確実にスペースを埋める動き。まさに代表の頭脳であり、心臓であり、背骨であり…。
 本当にスーパーな活躍だったと言えるのではないでしょうか。

 イングランド遠征から今日までの3試合は小野伸二の好調さに引っ張られたシリーズでした。だからこそ今日の後半は、安定を見せはじめた3バックのままで、小野伸二抜きのチームが見たかった。

 組織において、獅子奮迅の活躍を見せる人が一人でもいると本当に心強いもの。でも気づくと、いつの間にか皆がその人に依存していたりもします。そうなると大変。何かの折に活躍の主が抜けてしまうと、それまで上手く回転していた仕事も途端にきしみ始め、ひずみが生じ、予定通りの結果が生まれないなんてことも。

 代表にとって近々の目標となるのは、8月のアジアカップ。もし、ウワサ通り小野伸二がオリンピックにオーバーエイジで参加するとなると、アジアカップは彼抜きで戦わなければなりません。中田英寿が帰ってくるかも知れないとは言え、中田と小野ではまったく性格の異なるプレーヤー。
 小野を中心に好循環に突入したチームが、その勢いを維持できるのでしょうか?

 たしかに今日の試合でも、小野は途中交代しましたが、それは4バックに移行してから後の話。アジアカップを4バックで戦うとジーコが決めているのなら良いのですが、ここ数戦の安定度や選手のコメントをうかがっていると、どうも4バックを貫き通すということもなさそう。

 ならば、小野と宮本の交代の順番は逆だったのではないでしょうか。小野抜きで、5人の中盤がどのように機能するのか、しないのか。アジアカップ前の親善試合で試行するのだろうけれど、できれば今日の真剣勝負の場で見たかった。

 それほど、今日の代表は強かったし、今シリーズの小野伸二は素晴らしいプレーぶりでした。
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