ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

アリゾナの空は青かった:「恐怖のグレイハウンド・バス」(3)

2018-05-28 18:50:07 | アリゾナ・ツーソン留学記´78
2018年5月28日

これはエライことになった・・・

中学時代は田舎から大阪へと急行の夜行列車で22時間もかけて、何度か家出冒険したり、高校を卒業して後は、深夜の大阪街を徘徊したりしたわたしではありますが、このときはさすがに、見知らぬ異国の町にたった一人放り出されて、心細いと言ったらなかった・・・

おまけにトム君、別れ際に「Hey、警官と言えども信用するな。」って、そんな言葉を投げつけないで欲しい^^;パトカーに乗って送ってもらうしか、他に手段はないのだ、アホめ~。元はと言えばあんたのせいだ!と、言いたい不満もこの時は、ひっこんでしまうほどの心細さでありました。

そうです、わたしはフラッグスタッフにあるグレイハウンドバス停までパトカーで送ってもらったのでした。
標高2300mの少し雪の降った町の昼下がり、バス停でわたしはツーソンまでの切符を買い、待合室の長椅子に腰を下ろした。内心は不安でブルブル震えていたのである。


Wikipediaより

長椅子に腰かけて、周囲を恐る恐る盗み見してみる。周囲が皆、わたしを、わたしのバッグを狙っているかの錯覚に襲われ、グレイハウンドバスがやって来るまでの2時間、生きた心地もなしにその長椅子にひっついて、微動だにせず化石の如し。
やがてバスが到着し、乗り込んだその一瞬、あちゃ~~~、乗客に白人は一人もいなかった・・・


Wikipediaより

偏見を持ってはいけないぞ、Yukoと、己に言い聞かせて席をとる。しかし、これは初めて見るドキッとした光景でした。欧米人が、日本人ばかりのバスにうっかり乗ってしまったら、同じように感じるのだろうか・・・単一民族国家の日本では当時は起こりえない、そしてこれが移民国家アメリカなのだ、とこの件を後で振り返って思ったことでした。認識甘し^^:

それから数時間のグレイハウンド・ジャーニーの、ただただ長かったこと。フェニックスについた時はすっかり夜になり、そこから2時間くらいがツーソンなのでした。

ツーソン着、夜の10時を回っており、休暇週末と重なって、バス停があるダウンタウンは人影も無く、ひっそりと静まっております。その時のわたしは、タクシーに乗ることすら恐怖でした。もう乗り物はいやだ・・・家への道はダウンタウンの地下道を通らねばならず、響く己の足音にびくつきながら、わたしは足早に走るが如く。いったいそんなわたしの姿はどんな風に見えただろうか・・・

ついに辿り着いた927番地!ドアを思いっきり開けて、わたしはそこにしばらく突っ立ったままだったようですw リビングで思い思いのことをしていた住人達が一斉に振り返り、「どうしたの?」と言われ、初めて、我に帰った(笑)「何が?」と、とっさに平静を装ってみたものの、「顔が真っ青だよ」の一言に、わたしはその場にヘナヘナと座ってしまったのでした。

止むを得ない数時間とは言え、グレイハウンドバスに乗って独りアメリカを走った日本女性って、他にもいるのだろうか・・・

これはわたしが上述したバスの乗客云々を別にして、女性には決してお勧めできる旅行ではありません。恐怖が三話にも渡ってしまいました^^;

とっつばれ。(←津軽弁で「終わり」の意味w)


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2 コメント

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けいこさん (spacesis)
2018-06-04 02:20:58
うわ!それはすごかったですね。

長距離でも車を持っている人はそれで移動すると思うので、グレイハウンドバスを利用する人は限られるのでしょうか。

わたしのアメリカ人の友人も、ミズーリーからツーソンまで二日ほどかけて車で来ましたね。

若いときは無謀であったりするのですが、それを冒険と言うのでしょうね^^


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Unknown (けいこ)
2018-06-02 05:51:59
きゃー!それは怖かったでしょうね。

一人でグレイハウンドに乗るのも怖いし、外国の夜道を一人で歩くのも怖いです!
とにかく無事に帰りつけて良かったですね。

私はカナダのモントリオールからバンクーバーまで、グレイハウンドで横断しました。
ボーイフレンドと一緒だったから良かったけど、乗ってる人たちは インディアン崩れのような、浮浪者のような人が多くて、1人じゃ絶対に乗りたくない!と思いました。
そうやって3週間くらいかけて横断したけど、若かったから出来た事ですね。
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