まちのさんぽみち

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遺書

2005年12月12日 | まちの日々
実家に帰った時に珍しいものを見た。
母の兄、つまり伯父の遺書だ。

伯父は戦死だった。
召集された際、
「もし、俺の戦死の公報が入ったらこれを開けろ。
 生きて帰ってきたら、開けずに俺に返せ。」
と言って、妻に託していったものだそうだ。
その箱は釘打ちされて、中には、毛髪と爪が入っていたそうだ。
そして、その遺書は毛筆で、几帳面な文字で、
両親、妻、子どもたち、兄弟、妻の両親、
友人たち、仕事関係の人たち、近所の人たちへと、
感謝のことばと、天皇へ忠誠と
これからの人生の指南などが丁寧に書いてあった。

なんだか、小説か、歴史の教科書のような感じで、
実感が伴わないような気がしたが、
伯父はどんな気持ちで書いたのだろうか… 
貴重な生きた資料だ。
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