ソムタムのリーガルマインド涵養の旅

中央大学法学部通信教育課程で学ぶソムタムの日記

ソムタム流機械的レポート作成法

2007-02-21 19:06:54 | その他
レポート作成って大変ですよね。もともと理系であるソムタムも、
文章書きは苦手です。

しかし、アメリカの大学にいたときに、レポート作成の基本を学びました。
ちょっとした工夫ですけど、知っていると効率よくレポートを書けるのではないか
と思います。

このブログに遊びに来てくれる皆様の何か参考になることがあればと思い、
書いてみます。
(長くなりますけど、最後まで読んでくださった方には良いことが起こるかも?)

アメリカの大学では、入学して最初の学期にEnglishの科目が必修になります。
まあ、日本で言えば、国語みたいなもんですが。このEnglishの科目、文法とか
リスニングを学ぶのではありません。
ここでは、徹底的にアカデミックライティングを叩き込まれるのです。

アカデミックライティングとは何かといえば、簡単に言えば、大学レベルで通用
するような作文の作法とでもいいましょうか。その作法の中心として、文章の構成
の仕方、引用の仕方等があります。文章の構成の仕方とは、段落(パラグラフ)を
基本単位とする文章の書き方であり、引用の仕方とは、盗作を徹底的に嫌う趣旨に
基づいて適切な引用方法を身につけることが重視されます。

中でも、文章の構成の仕方(パラグラフ・ライティング)の基本を学んだことは、
現在、通教のレポート作成において、とても役に立っています。ひとことで言って
しまえば、段落ごとに意味のまとまりを考えて、主張とそれを支える根拠をセット
にして書くことを意識しましょう、ってなことになります。

そうしたテクニックを踏まえ、私の具体的なレポート作成の方法を紹介してみま
しょう。機械的レポート作成法と名付けていますが、私自身は、結構効率的な方法
ではないかと思ってます。

ステップ1 まず、課題に関連した部分について、いろんな本などから、関連した
記述で興味深いものをワープロで入力していきます。とりあえず順番とか、最後ま
で残すかどうかなんて気にしないことがコツです。どんどんインプットします。こ
のとき、脚注も一緒に書いていくのがミソです。ワードだと、挿入→参照→脚注の
機能を使って、参照番号を付け、引用した本・論文の著者、タイトル名、該当頁番
号、出版社、出版年を注釈しておきます。レポートの場合、文末脚注にした方が楽
です。

ステップ2 次に、インプットされた情報を意味のまとまりごとに並べ替え、段落
の原型を作ります。とりあえずインプットした情報で、使わないものもあるでしょ
うが、あっさり削除します。どんどん並べ替えてみます。そうすると、例えば、3
から5個の文(センテンス)をまとめた段落(パラグラフ)の原型みたいなものが
いくつか出来上がるでしょう。もちろん、数は色々ありますので、決まりはありま
せんよ。それから、インプットした文をどんだけ動かしたり、削除したりしても、
ワードの脚注はそれに対応して移動したり、削除されたりするので楽チンです。

ステップ3 今度はパラグラフ毎に手を入れて、主張と根拠がつながるように工夫
します。まず、引用した生の文章をそのまま使う、あるいは自分なりの表現に置き
換えながら、全体がスムースになるように修正します。次に、これが大事ですが、
その段落の各センテンスで主張されている中身を一言で要約したら何なのか
(これがそのパラグラフでの主張となります)を意識しながら、段落の最初の文
(トピックセンテンス)を書きます。そうすると、段落の構成が、最初に主張
(トピックセンテンス)があり、それに引き続いて主張を支える根拠(サポートセ
ンテンス)が展開されるという基本型が出来上がります。トピックセンテンスだけ
を読んでみて、レポート全体の流れが見えてくるようだったら十分OKです。

ステップ4 本体部分のそれぞれの段落のトピックセンテンスが書けたら、それを
基にして、“はじめに”の段落と“結論”の段落を書きます。“はじめに”の部分
では、トピックセンテンスを見ながら、どういう問題があって、それに対してどう
いう論点を検討するのか、という視点でまとめて、導入とします。“結論”の部分
では、同じくトピックセンテンスを見ながら、どういう検討を経て、どのような結
論に至ったのかをもう一度簡単におさらいします。これで、脚注まで整備されたレ
ポートが、ほとんど完成します。あと、もう一息!

ステップ5 もう一度、見直してみて全体と部分の流れをチェックします。全体の
流れとしては、“はじめに”のところで提起された問題が、 “本体部分”の各パラ
グラフで検討されて、“結論”のところでまとめられているかを見ます。部分の流
れとしては、それぞれのパラグラフの先頭にトピックセンテンスがあって、そこで
主張されている(あるいは触れられている)ことが、それ以降に続くサポートセン
テンスで展開されているか、少なくとも関係あることが書いてあるかをチェックし
ます。
もちろん、必ずしも厳密な構成になっている必要はありませんよ。あくまでも目安
です。
だいたいでOKです。このとき、事例問題だったら、問題の所在、学説・判例の検
討、自説の選択、問題へのあてはめ、という流れが出来ているかもチェックすると
良いでしょう。

こうすれば、とにかくレポートらしいものは書けますが、それで充分だと考えてい
るわけではありません。もちろん最も大切なものは言うまでもなく中身なのですけ
れど、どのように書き出したらいいか迷うときもあるじゃないですか。そういう時
に、こういうノウハウが役に立つこともあるかなと思っています。論点が違うと
か、検討が不足しているとか、で不合格になることもあるでしょう(私も何通
も、、涙)。ただ、こういう風にパラグラフライティングを心がけると、結構、流
れ作業みたいにとりあえずレポートを書くことができますし、同じ内容を書くん
だったら、パラグラフライティングされたレポの方が読みやすいので合格の可能性
が高まるのではないかと、密かに思っています。

長々と書きましたけど、ここまで読んでくださった方に感謝します。
もし、自分はこういういい方法を知ってるよ、という方がおられたら、また教えて
くださいね。