美しき旋律 麗しき雑音

忘れるための記憶/覚えておかないための記録

SONYのバカでかいラジカセは素敵なメロディーを奏でる

2006-12-07 19:15:18 | 日記・エッセイ・コラム
12/6(水)、Billy Joel@大阪ドーム(現在の正式名称は「京セラドーム大阪」だそうです。ネーミングライツってやつね。でも、これはまだましか。渋谷公会堂なんて渋谷CC Lemonホールだぜ!)に行ってきた。当初は終業後、会場に向かうつもりだったが、当日は会議の予定も、急ぎの作業もなかった(っていうか、火曜日頑張ったのだけど)ことをいいことに、有給休暇取って、朝からのんびりした後、ゆっくり会場に向かったのだった。

阪神電車で野田~地下鉄千日前線~地下鉄長堀鶴見緑地線(合ってる?)で大阪ドームへ。地下鉄いきなり満杯。ドームのまわりも満杯。することもないので早々に入場し、とりあえずビールを1杯。まだちょっと時間があるので、球場のまわりの廊下を1周してみる。いい時間になったので、アリーナの席へ向かう。席はPAブースのやや後ろ。音のバランスはいいかもね。

定刻ちょっと過ぎ、開演。唯一知ってる曲は3曲目あたりの序盤にやっちゃった。このあと、わたしはどうしたらいいのだろう。でもそんな心配は無用だった。結構どの曲も聴き覚えがあったのだった。そして、記憶は遠い昔に戻る。

小学校6年の時、親に無理を言ってSONYの大きなステレオラジカセを買ってもらった。当時6万幾らしたと思う。大金だわね。それほど余裕があった訳ではない我が家でなぜそんな高価なものを買ってくれたのか、今となってはわからない(っていうか、まだ生きとるし今聞いてみてもいいねんけど。きっと覚えてないやろうけど)。そのラジカセは高校に入って小さなコンポを買うまでずっと使い続けた。時にはエレキギターを繋いで歪んだ音を録音したり、弟にソプラノリコーダーを適当に吹かせ、それに合わせて(合わさずに)わたしがエレキギターでノイズを発したものを録音して遊んでた(この時のカセットテープが見つからない、残念)。

しかし、しかし、それよりも何よりも、このラジカセで一番聴いてたのはFMラジオなのだった。中学時代、クラスに新聞屋の息子がいたのを頼りに、夕刊の配達だけやらしてもらってたのだが、その給料が月1.5万円くらい(たしかそのくらいだったはず)で、その給料の中からLPレコードを2枚くらい買って、あとは貯金してた(その貯金が後にエレキ1本、アコギ1本の購入費用になる)。

でも、月に2枚アルバムを買うだけでは、満足いかなくて、でもお金はそんなにない訳で(貯金を減らすことを考えなかったのは、まだ素直だったからか?)そこに現れた強い味方がFMラジオなのだった。

そのラジカセから流れてくるのは当時のヒットナンバー。その中にBilly Joelの曲も多数あったのだな。知らず知らずの間に聴いてた曲の数々。レコードを買ってない、聴きこんでない音楽。不意にそんな音楽に再開した時、記憶の中の未踏の大地を踏みしめるような不思議な感覚を味わったのだった。ああ、ありがとう、Billy。

記憶の中から戻ると、ショーは終盤。謎のサンタクロースのパフォーマンスもはさみながら、終わってみるとあっという間の2時間強。音は予想どおり悪くはなかった。不思議なエコーが背中から帰ってくるのは会場の形状を考えると仕方がないか。PAの人、大変でしょうね。

来場者の人数が人数だけに、終演から会場の外に出るまで数十分。そこから地下鉄の駅まで数十分。そこで地下鉄で帰るというみんなと別れて、一駅歩くことにする。西長堀まで歩けば、そこからは千日前線で野田へ出れる。じゃあ、ってことで耳にはiPodのレシーバー装着。コンビニで缶ビールとミネラルウォーターをGetして歩く体制は万全。その駅がどっち方向かわからないのだけが少々不安であるが、まあ、なんとかなるでしょう。それに今夜も月がきれいだ。

少し歩くと、地下鉄中央線九条駅はこちら、の看板を発見。そこであっさり行先を変更し、九条駅へ向かうことにする。大きな商店街のアーケードに突入する。ふと路地を見るとそこは松島新地。"料亭"のあかりが多数煌々と灯っている。のぞきにいきたい衝動にかられるがやめとく。

ほどなく九条駅に着いたものの、これに乗ると一旦大阪中心部に戻らないといけない。それも効率悪いなあ。そうだ、阪神の西九条駅がここから近かったはず、ってことを思い出し、再度行先を変更。さらに歩き出す。商店街は細くなる。開いている店はもうない。夜だからなのか、昼間もなのかはよくわからない。ふと尼崎のどこかの商店街とイメージがダブる。そういえば、西成の今はなきエッグプラント(ライブハウス)の近くの商店街もこんな感じだったっけ。

ビールがなくなったけど、もうコンビニも見当たらない。さっきのコンビニで買っとけばよかったな。そう思ってた頃、酒の自動販売機発見。ビールはなくて発泡酒だったが、まあいいや。150円なり。そうこうする内に、安治川トンネル前に到着。夜なので(?)エレベーターは止まっている。階段をえっちらおっちら下りる。おお、久々の安治川トンネル。ウルトラセブンがガッツ星人と戦っていそうなシチュエーション。残念ながらウルトラセブンには会えず。対岸に着き、今度は階段をえっちらおっちら登る。地上に着いた時、おっさんの息は完全にあがってたのだった。

ほどなく西九条の駅に到着。阪神尼崎で乗り換えセンタープール前で下車。また、ビールの販売機を発見し、ダメ押しのもう1本。月見歩きは続く。当の月は天頂で輝いている。20分ほどで自宅到着。

記憶は再び過去へ。26年前の明日。SONYのバカでかいラジカセは、John Lennonの"(Just Like) Starting Over"を繰り返し繰り返し流し続けるのだった。

20061206_vs

ウルトラセブン vs ガッツ星人@安治川トンネル(残念ながら本人たちは不在)


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2 コメント

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昔の話が出てくると、やっぱり興味深々! (葉月)
2006-12-08 08:42:38
昔の話が出てくると、やっぱり興味深々!
同じ時間を同じ場所で過ごしていたけど、そんなことやってたんだ!とか、そんなこと考えててんだ!とか…
弟君も元気ですか?うちも元気ですよ!(彼も2児の父)
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葉月さん (smac-s16)
2006-12-09 01:13:29
葉月さん

あ、そうか。弟同士も同級生でしたね。うちの弟も元気ですよ。子供はいませんが、結婚はしてます(兄を差し置いて)。

そんなわたしは、中学・高校とバカでしたが、今はもっとバカです。人ってなかなか成長しませんね。まあいいけど。
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