自分の緩和ケアの経験や思い出を彩ってくださっている方々の中に、看護学生さんがいらっしゃいます。
看護学生さんの受け入れとなると、いろんな調整が大変なところはありますが、実りも多いものです。
その昔。
ポンが看護学生(これは、ほんまに若いころの学生時代の話)の時には、実習というと、実習指導者さんがとっても厳しくて、びくびくしていたものです。
ポンの正直な感想は、看護学生は、「虐げられていた」。
虐げられていたから、学生を経て就職をしていた病院での自分の学生さんの態度というものは、「先輩が自分にしてくれていた態度」で接していました。
ある日、その病棟のスタッフから、声があがりました。
「ちょっとーー。学生さんが帰る挨拶してるんやんか。ちゃんと、こっちも挨拶せな。」
この一言。
私にはすごく大きくて、今も心に残っています。
そうそう。
学生さんが気持ちよく実習できる場を提供するのが私たち、病棟のスタッフの役割のひとつだ…。
指導といいつつ、自分たちの忙しさにまみれて、学生さんへの態度が御座なりになっていないか。
これは、病棟のスタッフ全員が自分自身に問わなくてはならないところです。
私は、病棟のスタッフに、お願いしています。
「自分の学生時代に経験した指導者のいやなことを、学生さんにしないでほしい」
おかげさんで、学校からの実習場としての評価は、上々です…。
それと。
ポンが何よりも大切にしていること。
7~8年先を見越して、学生さんとお話をすること。
一人でも多くの学生さんに、「将来、緩和ケアをやりたい」と思っていただけるように…。
学生さんと語る時間はできるだけ持つようにしています。
時には、学生さんとのカンファレンスの時に喋りまくるときもあります。
やっぱり。
実習は、厳しいばかりでは身にならんっ。
「うちの病棟には、現実はうまくいっていないところもあるけれど、こんな面白さがあるのよん。」
これを伝えずしてどうするっ!!でございます。
はちゃめちゃに忙しい現場でありますので、指導をする人間には「気長さ」も要求されるところではあります。
じっくりとやっていくことで、私が知らないところで…、はるか未来の時に、学生さんが一人前になって、看護の本質を見失いそうになったときに。
「お願いよ。あなたたちが一人前になった時期に、ぜひとも、この病棟で学んだことを、思い出してほしい。」
これは、学生さん全員への、ポンからのメッセージです。
いつか、どこかで再会できるといいね…。