LA VIE EN ROSEのプロムナード(散歩道)

私達の毎日の生活は”プロムナード(散歩道)”です。散歩道で発見した出来事を日常世界ふしぎ発見!でご紹介して行きます

高校講座 (1)【科学と人間生活】 (2)【地学基礎】 (3)【倫理】 (4)【数学Ⅰ】

2018年06月05日 22時30分30秒 | 学習
【私だけの学習メモ】 高校講座を視聴していない方には、何の事やらさっぱりわからない私だけの学習メモですので、全く読む必要はありません。

頑張って高校講座で勉強しました。

今日の教科は;


【科学と人間生活】第17回 地学 生き物を育む太陽

生き物を育む太陽:真っ黒な顔の僕蔵さん

今日も僕蔵さんのところへ、理陽くんと実穂さんがやって来ました。

実穂 「僕蔵さん、顔が真っ黒じゃない?!」
理陽 「どうしてそうなったの?」
僕蔵さん 「冬山登山して来たんだよ。山は空気が澄み切ってて、夜になると真っ暗だから、星空が最高でさ。」
実穂 「いいな~!」
僕蔵さん 「夜の気温、-10℃くらいだからすごく寒かったけどね。でも明け方、遠くの地平線から太陽が昇ってくると、太陽の光がそれまで冷えきっていた体をじんわりと温めてくれてね。太陽の恵みを体で感じる瞬間だったよ。」
実穂 「太陽の恵みね。」
僕蔵さん 「今日は太陽の話でもしてみようか。」

今日のテーマは、「生き物を育む太陽」です。太陽の姿と、太陽からの恵みについて考えていきます。

▶リサーチモード! 太陽望遠鏡で太陽を観測!

鈴木大輔さん:天文台

実穂さんは、埼玉県にある川口市立科学館にやってきました。迎えてくれたのはこの科学館でプラネタリウムの解説をしている、太陽観測のプロである鈴木大輔さんです。

この施設の屋上には天文台があります。さっそく太陽望遠鏡のある天文台へ案内していただきました。


太陽望遠鏡:太陽望遠鏡からみた太陽

太陽望遠鏡を見せていただきました。

実穂 「もう少し大きいのを想像していました。」

鈴木さん 「太陽自体は非常に明るいので、小さな望遠鏡でも見ることができます。」

太陽望遠鏡には普通の望遠鏡と違って特殊なフィルターが入っているため、直接太陽を見ることができます。
実際に太陽望遠鏡で太陽を見てみます。

※通常の望遠鏡では絶対に太陽を見ないでください

太陽望遠鏡から見た太陽です。

実穂 「思っていたよりもくっきり見えていますね。」
鈴木さん 「今日は晴れていますので、よく見えています。」
実穂 「太陽のふちに赤い湯気みたいなのが見えるのですが、これは何ですか?」
鈴木さん 「太陽の表面に浮かぶ雲のような現象で、プロミネンスと呼んでいます。表面に、ぷかぷかと、少し浮いているように見えると思います。」
実穂 「言われてみると、いろいろなところにありますね。」

実穂さんが撮影した太陽の写真:投影法による観察を行う

次に実穂さんは、自分で持ってきたカメラを望遠鏡に装着してもらい、太陽の撮影に挑戦しました。
太陽の姿をはっきりと撮ることができました。

次に普通の望遠鏡を使い、投影法で太陽を観察します。

太陽投影板:黒点

投影法とは、太陽の像を太陽投影板に映して観察する方法です。

鈴木さん 「先ほどの太陽望遠鏡では、太陽が赤く見えていたと思います。太陽の中でも水素ガスが出す光を見ていました。それに対して、こちらの望遠鏡は私たちが目で見ている光と変わらない光で見ています。」

実穂さん 「その変わらない光で見ると、何が見えるんですか?」

鈴木さん 「太陽の表面の中でも特に黒点と呼ばれる、黒いシミのように見える現象を観察することができます。投影板の像の上に見られる、黒く映っている点が黒点です。」

黒点は太陽の表面の中でも温度が少し低い部分です。温度が低いため、黒く見えています。この黒点の観測で、太陽の活動の様子が分かるといいます。

ガリレオ・ガリレイ:黒点の記録の仕方

今から約400年前に太陽の黒点を詳しく観測したのが、天文学の父と言われるガリレオ・ガリレイ(1564~1642)です。

ガリレオの時代と変わらない黒点の記録の仕方は「黒点を筆記具でなぞる」というものです。黒点は小さくぼやけているので、記録する紙の汚れと間違えないように、もう一枚の紙をさし入れながらなぞっていきます(右写真)。

観測当日の黒点数は8個だった:黒点の数の変動を表すグラフ

黒点の数は日ごとに変わります。黒点の数を数えてみると、8個でした。
黒点は長年の観測の結果、その数の変化に規則性があることが分かっています。

右図は黒点の数を表したグラフです。黒点は11年の周期で多い時期と少ない時期をくり返します。黒点が多い時期は太陽の活動が活発なときです。反対に、黒点の数が少ない時期は太陽の活動が活発でない時期です。

結論! 黒点の数を数えることで、太陽の活動が活発かどうかが分かる。

オーロラ:太陽風

黒点の数が多いとき、つまり太陽の活動が活発なときに際立つ気象現象がオーロラです。オーロラは太陽の活動とどのような関係があるのでしょうか。

太陽からは電気を帯びた粒子が放出されており、この粒子の流れを太陽風といいます。太陽風は、太陽の活動が活発になるほどたくさん吹きます。



地球の磁気圏が太陽風の侵入を防ぐ
太陽風が激しくなると、地球の磁気圏を弱め、太陽風が進入

太陽風は、たくさん浴びると危険なものですが、地球の磁気圏が進入を防いでくれています(左図)。
しかし太陽の活動が活発で太陽風が激しくなると、地球の磁気圏を弱めて太陽風が進入しやすくなり、徐々に地球の近くまで太陽風が到達するようになります。

太陽風は磁場の形に沿って地球へと降り:地球と宇宙から見たオーロラ

地球磁気圏の深くまで進入した太陽風は、磁場の形に沿って地球へと降ります。
すると、大気の酸素や窒素にエネルギーを与え、大気中の(原子や)分子が輝いてオーロラが発生します。

太陽風と地球の磁場が織りなす現象を、私たちは美しいオーロラの光として見ているのです。

実穂さんが撮影した太陽の写真

僕蔵さん 「プロミネンスがばっちり撮れているじゃない!見事だね。」

理陽 「オーロラが見られるのも太陽のおかげというのは知らなかったな。」

実穂 「あの壮大な自然現象も太陽があってこそ。太陽の恵みなんだね。」

僕蔵さん 「太陽の恵みなら、他にもいっぱいあるよね。」

実穂 「太陽といえば温かい光。そのおかげで、地球は生き物が暮らせる温度になっているよね。」

僕蔵さん 「気温ね!」

理陽 「太陽の恵みといえば、光合成だよ。植物が育つには光が必要だもんね。」

僕蔵さん 「他には思いつくかな?」

草食動物 肉食動物

太陽の光は、地球上の生物を育んでいます。植物は太陽の光で育ち、草食動物は太陽の光で育った植物を食べます。そして、植物を食べて育った動物を肉食動物が食べます。

このように地球上の生物たちの命の循環を支えているのは、太陽です。太陽の恵みには、他にどのようなものがあるのでしょうか。

風力発電: 地球表面に当たる太陽光線の量の違い

太陽の恵みとしては、例えば、風の力で電気を作る風力発電があります。
風を起こしているのも太陽です。太陽はどのように風を起こしているのでしょうか。

右図は、地球に降り注ぐ太陽の光の量が、赤道と北極でどれだけ違うかを表しています。
地球は丸い形をしているため、高緯度の北極と比べて低緯度の赤道の方が同じ面積で受け取る太陽の光の量、つまりエネルギーが大きくなることが分かります。

低緯度のエネルギーが高緯度に移動するときに、大気の運動が起きます。その大気の運動と、地球の自転が風を起こしています。

海流

また、風は海水をも動かし、潮の流れである海流を作っています(図中 白矢印)。地球規模で動く風と海流は、熱帯から寒帯まで多様な気候を作り出しています。

地球がさまざまな生物を育む かけがえのない星であるのは、そのような太陽のはたらき・恵みのおかげです。

バランスボール:地球の大きさを予想する二人

ここで僕蔵さんから問題です。
ボールが仮に太陽の大きさだとすると、地球はどのくらいの大きさになるでしょうか。

理陽くんと実穂さんは、それぞれ大きさを予想しましたが……

地球はビーズ玉ほどの大きさ

僕蔵さんの持っていたボールを太陽としたとき、地球の大きさは上写真のようにとても小さなものになります。

太陽の直径は地球の約109倍あります。
普段私たちが太陽をそれほど大きく感じないのは、太陽と地球が離れているためです。今比べた二つの球体の大きさの関係でいえば、約60メートル離れていることになります。

僕蔵さん 「実はこの太陽と地球のそれぞれの大きさと、二つの星の距離が、地球が生き物の暮らせる星であるかどうかに関わる非常に大事なポイントなのです。ハビタブルゾーンって言葉、聞いたことない?」

理陽・実穂 「ハビタブルゾーン?」

僕蔵さん 「宇宙で生命が誕生し、生息できる領域のことをハビタブルゾーンといいます。」

水星と金星は地球より太陽に近い
水星

生命の誕生には、たくさんの水が重要で不可欠です。地球が誕生し海ができたのは、約40億年前です。大昔にできた海が今もなお、存在し続けていには理由があります。

その一つが、太陽からの距離です。地球よりも太陽に近い、水星と金星を見てみます。

水星は太陽に一番近い惑星で、その表面は無数のクレーターで覆われています。太陽に近いため表面の温度は昼が400℃で、夜は-200℃にもなります。また、液体としての水を観測できません。

金星
木星の衛星カリストには氷が存在

水星のとなりの金星の直径は地球とほぼ同じで、二酸化炭素を主な成分とする大気が地表を覆っています。その温度は約500℃と高温で、金星にも液体の水は観測できません。

次は、太陽からさらに離れた星について見てみます。

木星の衛星カリストの大きさは、水星とほぼ同じで、カリストには水が存在しています。しかし太陽からの距離が遠いため、水は氷となり、その表面を覆っています。カリストの表面温度は-100℃以下です。

ハビタブルゾーン
地球が大きければ重力も大きくガス惑星になっていた

このように、太陽に近すぎれば水は蒸発し、遠すぎれば凍ってしまいます。太陽と地球の距離は、水が液体として存在できる奇跡の距離です。これを、ハビタブルゾーンといいます。

地球に液体の水が存在するもう一つの理由は、地球がほどよい大きさだったためです。
例えば月のように小さいと、太陽からの距離が地球と同程度でも、質量が小さく重力が弱いため大気の分子を地表にとどめておくことができません。

反対に、星が大きすぎてもいけません。木星の直径は地球の約11倍で、質量は300倍もあります。もし地球が遥かに大きい星だった場合、軽い水素やヘリウムも引きつけ、木星のようにガスでできた星になっていたと考えられます。

太陽系において、ハビタブルゾーンの中で豊かな生命を育む水の惑星はただ一つ、私たちの星である地球だけです。

実穂 「僕蔵さん、ハビタブルゾーンって太陽系以外にもあるの?」

僕蔵さん 「もちろん!ハビタブルゾーンは中心の恒星の明るさで決まってくるんだ。太陽系以外で恒星の周りを回る惑星は、今大体2000個くらい見つかってるんだ。」

実穂 「2000個!?」

僕蔵さん 「その中にはハビタブルゾーンの中にある惑星も見つかっているの。」

実穂 「地球に似たような星かもしれないね。」

理陽 「そこに生物はいるの?」

僕蔵さん 「どうだろうね。地球は海ができてから3億年後に生物がいたことは はっきりと分かっているんだ。この広い宇宙のどこかに微生物みたいなのはもちろん、人間みたいな知的生命体も、いるかもしれないね。」

実穂 「どうやったら生物がいるか確かめられるんだろう?」

理陽 「望遠鏡じゃ見えないのかな?」

実穂 「大きいのだったら見えるかもね。僕蔵さん、作ってみない?」

今から望遠鏡を作ろうと盛り上がる実穂さんに、苦笑気味の僕蔵さんなのでした。



【地学基礎】第18回 第3編 地球 地球の形と大きさ

「地球の形」「地球の大きさ」「地球の重力」

キーワードは、「地球の形」、「地球の大きさ」、「地球の重力」です。

「地球の形が丸い」、ということを、現在の私たちはあたりまえの事として知っています。
けれども、人工衛星や宇宙船などがなかった昔、そんな昔の人たちは地球が丸いということを知っていたのでしょうか?

実は、今からおよそ2400年前、古代ギリシアの哲学者たちのほとんどは、すでに「地球は丸い」と考えていました。

アリストテレスは、地球が丸いと考えられる理由を2つあげています。
1つは、月食のときに月にうつる地球の影が丸い こと。そして、もう1つは、南と北では、見える星の種類や位置が変わる ということです。

昔の人たちは天体の観測から、地球が丸いことを、おおむね知っていたのです。

では、地球の大きさはどうでしょうか?

古代ギリシアの数学者で天文学者のエラトステネスは、地球の大きさを導き出そうと考えました。エラトステネスは、子午線の長さを求めようとしたのです。子午線とは、「北極と南極を一周する縦の円周」です。

エラトステネスの考え方は次のようなものでした。
その頃のエジプトには、アレクサンドリアという街と、アレクサンドリアの南の方角にシエネという街がありました。
夏至の日の正午、シエネでは真上にある太陽が、同じ時間にアレクサンドリアでは7.2度、南の方に傾いていました。この7.2度という角度は、地球の中心とアレクサンドリア、そしてシエネの3点がつくる角度です。
そして、アレクサンドリアとシエネでは盛んに交易が行われていたので、その距離も分かっていました。
子午線の長さは簡単な比の計算で求められたのです。

古代ギリシアだけではなく、江戸時代の日本にも、地球の大きさ=子午線の長さを測った人がいました。
伊能忠敬です。垣内隊員は、伊能忠敬がどのようにして地球の大きさを測ったのかを調べるために、伊能忠敬記念館に向かいました。
迎えてくれたのは、地球調べ隊顧問、渡来めぐみ先生です。

記念館では、伊能忠敬が測量のために使った器具だけではなく、20年あまりの歳月をかけて完成した日本地図を見ることができます。

伊能忠敬は、日本地図をつくるためだけではなく、地球の大きさを求めるために、緯度1度の距離を何度も何度も計測しました。
いつも同じ歩幅で歩く訓練をして、歩いた距離を正確に測ったのです。そして、緯度の違いは北極星の高度から求めました。
伊能忠敬が実際に歩いて測定した緯度1度の距離は、現在の数字と比べてもほとんど誤差がありませんでした。

垣内隊員も、伊能忠敬と同じように、自分の足で歩いて地球の大きさを求めてみることにしました。

垣内隊員と渡来先生は、東京都足立区の日光街道=国道4号線にやって来ました。
ここは、伊能忠敬が測量の旅に出発したところ。そしてこの近くには、ほぼ子午線の方向にまっすぐ延びている部分があるのです。

緯度は、スマートフォンのGPSアプリで測定します。
スタート地点の緯度は、北緯35度46分30秒 でした。

次に、メジャーを使って垣内隊員の1歩の長さを調べます。
何度も歩いて、一定の歩幅で歩けるようにトレーニング。垣内隊員の1歩は、60センチメートルです。

そして、ゴールまでの歩数をカウンターで計ります。

それでは、スタート!

垣内隊員は、歩幅が60センチメートルになるように気持ちを集中。渡来先生は、そんな垣内隊員をしっかりサポートします。

ゴール地点が見えてきました。渡来先生が先回りして待機。
そして垣内隊員がゴール!

スタートからゴールまでの歩数は586歩。1歩が60センチメートルなので、スタートからゴールまでの距離は、60センチメートル×586歩=352メートル。
そして、ゴール地点の緯度は、北緯35度46分42秒でした。

スタート地点とゴール地点の緯度の変化は12秒。12秒は0.003度に相当します。
歩いた距離は352メートルだから、緯度1度の距離は簡単な比例の式で求められます。
計算すると、およそ117キロメートルになりました。

緯度1度の距離が117キロメートルなので、子午線の長さは、その360倍。
117キロメートル×360で、およそ42120キロメートルになりました。
正しい子午線の長さは、ピッタリ40000キロメートルなので、違いは2120キロメートル。
誤差、およそ5パーセントでした。

古代ギリシア時代には、すでに地球が丸いことや地球の大きさが分かっていました。
しかし、17世紀になると、地球が完全な球体なのか、疑問がもたれるようになりました。
それは、「地球の重力が地球表面のどこでも同じであるわけではない」、ということにフランスの天文学者リシェが気付いたからです。

1671年、リシェはパリで正確に調整した振り子の時計が、赤道では1日に2分半遅れることを発見しました。リシェは、赤道で時間が遅れるのは、「赤道の方が重力が小さい」からだと考えました。

そして、1687年、赤道で重力が小さいのは遠心力のためだということを、ニュートンが突き止めました。
地球の引力は地球の中心に向かっています。地球の自転による遠心力は、北極ではゼロ、赤道では最大になります。重力は引力と遠心力を合わせた力になるので、北極では引力と重力は同じ力になりますが、赤道では遠心力の分だけ重力が小さくなります。

ニュートンは、遠心力のために赤道では重力が小さいこと、そしてこの遠心力のため地球の形は赤道の方がほんの少し膨らんでいる回転だ円体であることを証明したのです。



【倫理】 第20回 第3章 国際社会に生きる日本人の自覚 日本人の美意識

日本人は、はかないものに美を感じてきた。仏教の無常観も、無常だからこそ美しいという積極的な世界観として受けとめた。そうした考え方から生まれた「あはれ」「幽玄」「わび」「さび」といった日本人の美意識について学ぶ。また「いさぎよさ」に美しさを求めた武士道についても考える。

無常観/あはれ/幽玄/わび/さび/武士道

無常の美と「あはれ」

日本人が仏教から受けた影響でもっとも大きなものの1 つに無常観がある。無常観とは、この世のものはすべて変化し消滅していくものだという教えである。
元来、仏教ではそうした無常観こそが人間に苦しみをもたらすと説いていた。しかし日本人は、この世は無常であるからこそ、一瞬一瞬が貴重であり、味わい深いのだと肯定的に理解した。こうした考え方は、変化するもののうちに美を見いだそうとする発想となって日本のさまざまな芸術や芸能の底を流れる美意識を形成した。
その代表的なものが「あはれ」という美意識である。「あはれ」とは、自然や人間の無常を知り、思わずでるため息に由来するといわれているが、そこにこそまた深い慰めがあるのだとされた。

「幽玄」と「わび」「さび」

無常に美を見いだそうとする考え方は、やがて自然が現れている表面の姿ではなく、背後の奥深いところに美を求めようとする美意識を生み出した。
その代表的なものが、中世の和歌や能楽などにみられる「幽玄」である。「幽玄」は、満開の桜や華やかな紅葉がむしろ雲や雨にさえぎられ、それらを直接見るのではなく想像している方が、より美しさを味わうことができるのだとする美意識である。
また、簡素な自然の姿や年老いた人間など、普通には消極的なイメージをもちがちな「わびしいもの」「さびしいもの」に対して、逆に味わい深い美しさを見いだそうとする美意識も生まれた。千利休の茶の湯で説く「わび」や芭蕉の説く「さび」などがそれである。
このように、マイナスと思われるものに、プラスの価値を見いだそうするところに日本人の美意識の特徴のひとつがあるといえよう。

武士の生き方

無常観は武士道の成立にも大きな影響を与えた。
戦乱のなかで常に命の危険にさらされていた武士は、この世の無常を切実に感じていたに違いない。そうした武士には、日頃から死の覚悟というものが求められた。
しかし、武士にとって主君との主従関係や自分の勇敢さに対する世間の評価は永遠のものであった。したがって、武士は「名と恥」(名誉心と恥の意識)を何よりも重んじた。
また武士には、自分の命に執着しない「いさぎよさ」が求められた。そこには心の清らかさを尊重する「清き明き心」の伝統や、無常なものに美しさを感じる美意識の伝統が生きているといってよい。

ネガティブを受け入れる日本人

日本人は、人々が否定しがちな、「はかないもの」「わびしいもの」「さびしいもの」に逆に美しさを見いだしてきました。それは、弱さや貧しさや孤独といったネガティブなものを、積極的に受け入れようとする私たちの先達の知恵だったといえるでしょう。
現代の私たちにも勇気を与えてくれる考え方ではないでしょうか。


【数学Ⅰ】 第15回 第1章 数と式 2次方程式

ある兄弟が土地を相続
公道までの道の幅を3m広げる代わりに兄の土地を3m分だけ奥に広げても良いかと提案

さて、ある兄弟が土地を相続することになりました。
あゆ美さんのお友だちである兄が公道に面した正方形の土地を、弟が奥の土地と幅1mの公道までの道を相続しました。
しかし、弟が車が通れるようにしたいので、公道までの道の幅を3m広げる代わりに兄の土地を3m分だけ奥に広げても良いかと提案してきたそうです。
ゆあさまに助言を求めたあゆ美さん。
ゆあさまは「それはだめに決まってるでしょ!」と即答。
なぜだかわかりますか~?

▶2次方程式

2次方程式
2乗すると4になるxを求めよ
相続問題を解決するためにも、今回は「2次方程式」について学んでいきましょう!

2次方程式とは、移項して整理することによってax2+bx+c=0(a≠0)と変形できる方程式のことです。
もっとも高いxの次数は2なので、2次方程式なのです。

さっそく、次の2次方程式を解いてみましょう。
x2=4
一見すると、ax2+bx+c=0の形になっていないと思うかもしれませんが、
右辺の4を移項して
x2-4=0
これをax2+bx+c=0とくらべると、a=1、b=0、c=-4のときの2次方程式であることがわかりますね。
さて、
問題に戻りましょう。
このように左辺がx2となっている2次方程式の場合、平方と平方根の関係を使って解きます。
x2=4
これは2乗すると4になるxを求めよ、という意味です。
したがって、答えはx=±2となります。
2次方程式の解は原則として2個あることに注意しましょう!

▶これ、知っ得!?

どんな数や式でも「0」をかけると0
A=0またはB=0

どんな数や式でも「0」をかけると0になります。
また、「0」にどんな数や式をかけても0になります。

A×B=0という式が成り立つときを考えてみましょう。
Aがどんな数や式でも、B=0ならば、A×B=0は常に成り立ちます。
また、Bがどんな数や式でも、A=0ならば、A×B=0は常に成り立ちます。
そしてAもBも0のときにもA×B=0となります。
つまり、
A×B=0とは、AとBの少なくとも一方が0であることを表しています。
これを数学では「A=0またはB=0」といいます。

▶因数分解を使って解く

数学用語としての「または」
松本あゆ美さん

数学用語としての「または」は、普段使うときとは少し意味が違うので注意が必要ですね。
「A=0またはB=0」
とは、Aが0、Bが0の場合だけでなく、AもBも0の場合も含まれるのです。

2次方程式を解いてみましょう
「または」の代わりに「,(コンマ)」を使う

次の2次方程式を解いてみましょう。
x(x-1)=0
この場合も、一見するとax2+bx+c=0の形になっていないと思うかもしれませんが、
左辺を展開して
x2-x=0
これをax2+bx+c=0とくらべると、a=1、b=-1、c=0のときの2次方程式であることがわかりますね。
さて、
問題に戻りましょう。
x(x-1)=0
これはA×B=0の形になっています。
つまり、x(x-1)=0が成り立つのは、x=0またはx-1=0のときです。
したがって、答えはx=0,1となります。
「または」の代わりに「,(コンマ)」を使うのもルールです。

2次方程式を解いてみましょう
れおくん

それでは、もう1問!
次の2次方程式を解いてみましょう。
x2+5x+6=0
xの係数が5、定数項が6なので、和が5、積が6となる2つの数を探して因数分解すると
(x+2) (x+3)=0
よって、x+2=0またはx+3=0
したがって、答えはx=-2,-3となります。

▶2次方程式を解いてみましょう

文章をよく読んで意味をとらえ、何をxとすればよいかを考えることがポイント
紗彩ちゃん

文章題を解くときには
文章をよく読んで意味をとらえ、何をxとすればよいかを考えることがポイントです!

それでは問題!

周の長さが104m、面積が576m2の長方形の縦の長さを求めなさい。
ただし、縦の長さが横の長さより短いこととします。

まず、長方形の縦の長さをxmとします。
すると、横の長さは(52-x)mと表されます。
長方形の面積は576m2なので、
x×(52-x)=576
52x-x2-576=0
x2-52x+576=0
あとは因数分解をしたら良いですね!?

湯浅弘一先生(ゆあさま)
縦の長さは26mよりxm短く、横の長さは26mよりxm長い

ここで、この問題の解き方を教えてくれるのは湯浅弘一先生(ゆあさま)です☆

さて、
x2-52x+576=0
こんな大きな数の因数分解はあまりしたくないと思いませんか?
この問題では、ちょっとした工夫をすると計算が楽になります。
周の長さ52mの半分は26mです。
縦の長さは26mよりxm短く、横の長さは26mよりxm長いとします。(xは正の数)

縦の長さは(26-x)m、横の長さは(26+x)mと表す
縦の長さは16m

すると、縦の長さは(26-x)m、横の長さは(26+x)mと表すことができます。
長方形の面積は576m2なので、
(26-x)(26+x)=576
これは(a+b)(a-b)=a2-b2の形になっていますね。
よって
262-x2=576
676-x2=576
x2=100
x=±10
ここでx>0より、26-xにx=10を代入して答えを求めましょう。
縦の長さは16mとなります。

▶縦の長さは16m

あゆ美さんのお友だちの相続問題
もとの正方形の一辺の長さを求める

それでは、最初に紹介した、あゆ美さんのお友だちの相続問題を考えてみましょう。
正方形の縦の長さを3m短くし、横の長さを3m長くした長方形を作ったところ、面積が216m2になった。もとの正方形の一辺の長さを求めなさい。

まず、もとの正方形の一辺の長さをxとする
(x-3)(x+3)=216
x2-9=216
x2=225
x=±15
xは辺の長さですから、x>0より
答えは15mとなります。

もとの土地より狭くなる
亜実ちゃん

このように考えると、もともとの兄の土地は15×15=225(m2)ですが、
弟の提案に従うと、兄の土地は12×18=216(m2)となり土地が小さくなってしまうのです。

これは式を立てた時点で、(x-3)(x+3)=216となり和と差の積は2乗の“差”となっています。
ですから、もとの土地より狭くなることは一目瞭然ですね!



 記録
 
 天気: 晴後曇
 最高気温(℃)[前日差]  28℃[-1]
 最低気温(℃)[前日差]  18℃[-1]

 散歩人とカメラマン(妻)







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