読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

絶版本  赤井三尋著「死してなお君を」

2011-01-09 | あ行
故本田靖春著ノンフィクション「不当逮捕」との著作権者への許諾を得ていない著作権上の問題があるため、回収されて絶版になっている作品だが図書館で借りて読んだ。
2005年10月講談社刊2006年上記理由による自主回収、絶版。
舞台は赤線廃止の前年昭和31年主人公は、東京地検をドロップアウトした元検事で今は開業した弁護士事務所をも廃業ししがない私立探偵稼業の敷島航一。
検事を辞めた理由は、昭和29年造船疑獄がきっかけであった。
犬養健法相の指揮権発動による、うやむやな結末が正義感溢れる敷島には許せ無かったのだ。
その造船疑獄の捜査の中で、知り合った中堅の海運会社社長・北江から誘拐され行方不明の娘の麗華の救出の依頼を受けた。
敷島は誘拐犯から送られてきた麗華の写真から娼館の多い「鳩の街」に狙いをつけ探索をはじめます。
そこで敷島は夕子という娼婦と知り合い本気で恋に落ちます。
やがて彼女から麗華の監禁場所、さらには売春防止法成立にからむ政治家とカフェー協同組合理事らの贈収賄リストを手に入れますが、それがもとでヤクザに拉致された夕子を助ける為に起こしたヤクザとの発砲事件をきっかけに姿を消すことに・・・。
それ以後発砲事件を担当する刑事らと敷島の攻防になっていきます。
昭和30年代の東京を舞台に、政官を巻き込む汚職事件や検察内部の抗争が描かれています。
政治家、新聞記者、検事を巻き込んだ昭和20年代後半から30年代前半を騒がせた疑獄事件を物語に折り込みながらの展開ストーリーは読み応えがありました。
調子が良すぎるストーリー展開に疑問が残る部分があるが歴史的人物や有名事件が折り込まれていて最後まで面白く読めた。
絶版とはいえ結構図書館等にありますから探して下さい。


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