読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

大沢在昌著「ライアー」

2015-11-29 | 大沢在昌
主人公は、国家から極秘に殺人ライセンスを与えられた41歳の神村奈々。
優しい夫と可愛い息子。表向きは大学教授の神村洋祐の妻で小学5年生の智という子供がいる。
裏の顔は対象人物の「処理」を専門とする政府組織の工作員。幸せな生活を送る妻の本当の顔は、殺し屋。彼女にとって、家庭とは偽りだった。
任務・ 殺人の代償は、誰も愛さないことだった。夫が謎の死を遂げるまでは・・・
夫の死に疑問を持った彼女は真相を突き止めるため孤独な闘いを始める。
感情を持たない故に無敵だった彼女だったが、愛を知るこの一連の探索行動が、壮絶な騙し合いと殺し合い、
その果てに明らかになる慟哭の真実に向けての第一歩だった。一見荒唐無稽な裏社会の出来事。
決して表には出ないように隠蔽された世界の話として展開されるがリアル感を持たせるため中国を絡めた政治情勢やヤクザの抗争、
病院での院内感染などを持ってくることにより死亡者は処理されていく。
11歳の息子が少し幼過ぎることやご都合主義的に処理された感はあるが面白く物語の世界に嵌りこめた。登場人物の殆どが嘘つきなのは題名通リか。
2014年4月新潮社刊

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