読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

伊坂幸太郎 著「SOSの猿」

2010-07-20 | あ行
ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男遠藤次郎と、一瞬にして300億円の損失を出した株誤発注事故の原因「ものごとの原因を調べる」男、五十嵐。
そして、時々登場するサル・孫悟空。
家電量販店の店員・遠藤二郎は、イタリアで修行した「エクソシスト」というもう一つの顔を持つ。遠藤は他人の発する「SOS」を見過ごせない性格だった。
ある日、知り合いの「辺見のお姉さん」にひきこもりの息子・眞人の悪魔祓いを依頼され家に赴く。
一方、桑原システムの社員・五十嵐真は、20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事故の調査を命じられる。
菩薩証券は、ミスの原因をシステムのせいにしたがっているという。
聞き取り調査を始めた五十嵐は、なぜか奇怪な幻想に翻弄されていく。
「私の話」と「猿の話」――異なる雰囲気で描かれる2つの物語が交互に展開されていくのだが後半1つに融合していくのだが・・・・。
眞人の部屋で「西遊記」を発見する遠藤。そして五十嵐の前には異形の猿が・・・。
これは現実か妄想か???
これはミステリーなのかファンタジーなのか、仰天サプライズはついに起こらず、
中盤からは心理学問答に読むのが苦痛に、最後まで感情移入できず終る。
『時を経て強弱は入れ替わる。正邪もまた然り。生きとし生けるものは全て、常に流れ変化し続ける』(193P)
『人間には善悪が共に存在している。・・・暴力は・・・蓄積されたストレスだ。・・・なぜ、暴力を使ったら駄目なんだ?他の人と共に生きるのが難しいから。
暴力をむやみにふるったりしたら、他者と生きて行けない』(199~200P)

2009年11月中央公論社刊

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