読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

池永陽著 「真夜中の運動会」

2008-12-03 | あ行
「走るジイサン 」で小説すばる新人賞受賞した著者の痴呆老人物小説。
今回の主人公は、高校3年生の布施靖。大学受験を控えてガールフレンドの玲子とのデートはもっぱらファミレスでの受験勉強。そのファミレスの常連でもある祖父・久三の初恋話は小学校時代、大好きだったきよ子との思い出。戦争が運動会で二人で走るのを楽しみにしていたのだがその夢を砕いてしまったという。そしてある日、久三は「わしがきよ子を殺した」と告白し、それを境にボケの症状を見せ始める。その後、何度も繰り返される久三の「ハチマキ」の言葉の意味を探り始めた靖と玲子は、じいちゃんのほろ悲しくも苦い青春に辿り着く。
しかし、じいちゃんがボケ始めた日を境に、波風の立たない平和そのものだった家庭と家族のすべての歯車が狂い出す。父親のリストラ、いそいそと外出する母親の不審な行動、靖を誘惑する年上の女性、そして、愛する玲子がひた隠す謎の過去・・・認知症の老人の介護、リストラ、単身赴任、不倫、高校生の性など、家庭崩壊の危機を前に、予備校も止め靖はじいちゃんの介護をしながら一人奮闘するのだが・・・。
青春小説とも言えるし優しくも切ない家族小説とも取れる小説。
呆けてまで生きて・・・年は取りたくないのというの感想。
「愛は縛られるものなの。窮屈だけど心地いい縛り、心地いいけど窮屈な縛り。そのバランスがとれているうちはいいんだけど、それが崩れると愛に裁かれることに・・・」
「世の中なんてどうあがいたって、なるようにしかならないんだから。じたばたするだけ損なんだよ。もうすぐ嫌な事が始まるかもしれないけれど、・・・」(本文より)2008年7月 朝日新聞出版刊

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1 コメント

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Unknown (英子SS)
2008-12-03 10:22:08
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