現代日本の政治と報道をめぐる大河政治小説三部作。政治家と新聞記者が日本を変えられた時代―。高度経済成長下、日本の都市政策に転換期が訪れていた1971年12月。衆議院選挙目前に、新潟支局赴任中の若き新聞記者・高樹治郎は、幼馴染みの田岡総司と再会する。田岡は新潟選出の与党政調会長を父に持ち、今はその秘書として地元の選挙応援に来ていた。彼らはそれぞれの仕事で上を目指そうと誓い合う。だが、選挙に勝つために清濁併せ呑む覚悟の田岡と、不正を許さずスクープを狙う高樹、友人だった二人の道は大きく分かれようとしていた。金権選挙、選挙違反までしても当選してしまえば国民の代表としての国会議員。そんな国会議員は信用や信頼できない。ましてや不正に関与した者を罰することもできない裏事情などあり得ないと思う、だが選挙のたびに囁かれる噂話に焦燥感を持つのはいつもあること。さらに、取り締まる側の人間を買収したり、捜査に圧力をかけたりするそんな世界が描かれているのだ。続編に期待したい。
7月に『第二部:泥流』・・・予約中。10月に『第三部:激流』刊行予定。
2022年4月早川書房刊
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