読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

太田忠司著「鬼哭洞事件」

2023-05-19 | あ行
少年探偵・狩野俊介シリーズ。27年前に消えた母と妹を捜す男は、依頼の翌日死亡した。
 彼の故郷を訪ねた俊介は、謎の神楽ともう一人の"名探偵"作家の烏丸孔明に出会う。夏の暑い盛りのある日、私立探偵・野上英太郎の事務所を佐方康之と名乗る依頼人が訪れ、27年前に家を出ていった母親と妹を、父に内密で探しているという。手掛かりは写真一枚のみだが、野上は調査を引き受ける。だが翌日、康之は死体となって発見された。彼の出身地・鳶笊村へ向かった野上と助手の狩野俊介(中学2年生)は、鬼哭洞という窟内にある奇妙な邸に住む、余命幾ばくもない村の実力者でもあり康之の父佐方朋也に会いに。2人は隣村に伝わる謎の神楽、佐方家の財産をめぐる確執、そして衆人環視下で起きる殺人の謎に立ち向かう。サクサクと読めますが随所に伏線が張り巡らされてはいるが難しい仕掛けではない。ご都合主義な部分もありなにより中坊が事件現場に出入りするリアル感のない設定になじめなかった。「謎を解き明かし、世界に秩序と平穏を取り戻すことが探偵の仕事です」。・・・「世界って人間が作っているものでもあります。犯罪も人間が起こすものだし、その被害に遭うのも人間です。探偵はまず人間を見なきゃいけないものでは」(P236)
2021年10月東京創元社刊


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