読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

安曇潤平著「山の霊異記 ケルンは語らず」

2018-04-08 | あ行

山岳怪談を独特の臨場感たっぷりにつづる山の不思議譚21編。山男を死に誘ったのは、怪異なのか、山の怒りなのか、それとも自身への過信なのか・・・。山でしか起こり得ない人と人の出会い、生きる者と死者の思いをつなぐもの。恐ろしくも心ゆさぶる山の怪異。現実と地続きでありながらも、異界としての山の風景と霊気を堪能できる山岳怪談。

婚約を翌年の初夏に控え最後の山行と冬山縦走を単独で行き遭難した彼の最後の場所に登った優香が見た・・・・「表題作」冬の雪山で、小さな避難小屋の静寂を破のるけたたましいノックの音と叫び声。だが、その意味を理解した瞬間、恐怖が襲いかかる・・・「雪山の叫び」。雪の大汝山で下着一枚という異様な姿で発見された男性の遭難遺体。残された手帳の最終ページに戦慄する・・・「最後の日記」。数々の奇跡的な生還を遂げ、“俺は不死身なんだ”とうそぶく男が屏風岩の登攀後に陥った危機―彼の本音が哀切な・・・「不死身の男」など、山の怪異を自然の風景描写を織り交ぜながら臨場感たっぷりのホラーファンタジーが楽しめます。

20182KADOKAWA

 


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