読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

荻原浩著「海馬の尻尾」

2018-04-05 | 荻原浩

社会的規範も無視し、協調性もなく暴力でしか解決しようとしない粗暴なヤクザ及川頼也が主人公。二度目の務めを終えた及川頼也はミカジメ料を取り立てに訪れたぼったくりバーで大暴れして暴力沙汰、酒乱を見かねた若頭にアルコール依存症を治すように命じられて病院に。病院での脳の検査の結果、アルコール依存症で反社会性パーソナリティ障害「他者に対する共感力の欠如。感情的情報の処理不全。自身の過ちから学ぶ能力の欠如。爬虫類脳的な快楽を抑えられない性質。」(P75)と診断された。対立するヤクザから命を狙われ逃げ込んだのが治療のため医療プログラムを受診するための隔離された病院。「良心がない」とまで言われたヤクザが、最後は患者仲間や病院、自らの組を巻き込んでいく展開。

日本人を含む国際テログループによる航空機ハイジャックで原発基地による原発事故が起きた2年後の「恐怖と不安が蔓延する」近未来の日本を舞台にしているところが面白い。

20181月光文社刊


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2018 桜 五条川(愛知県) | トップ | 安曇潤平著「山の霊異記 ケ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

荻原浩」カテゴリの最新記事