読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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柴田よしき著 「竜の涙 ばんざい屋の夜」

2010-07-05 | 柴田よしき
東京・丸の内の片隅の古びた雑居ビルの一室に、ぽつんと暖簾をかかげる小料理屋「ばんざい屋」。
女将の作るちょっぴり懐かしい味に誘われて、客たちが夜な夜な集まってくる。
少しさびしそうな美人女将の手料理をもとめて今宵もこころに疵を負った客が訪れる。
ばんざい屋シリーズ「ふたたびの虹」 の続編。前作は2005年NHK「七色のおばんざい」としてTVドラマ化されている。
丸の内の一等地にあるこの古いビルは建て替えられることになっていた。
ばんざい屋の女将・吉永は、立ち退くか、高額なテナント料を払い新しくなるビルにはいるか決断しかねていた。
そんななか、常連客・進藤が女性の客を連れてきた。一見、洗練されたキャリアウーマン風、だが、疲れていた。
その女性・川上有美が「竜の涙」という奇妙な言葉を発した。
死んだ祖母が、これさえ飲めば、医者も薬もいらなかったという。
客の誰もが不思議がるなかで、女将が推理し有美に差出したコップに入れた水の「竜の涙」とは? そして、有美が心に秘めた想いとは・・・表題作他5編の連作短編。
2001年の前作からかなりたつがあの店は今も在った。
女将の恋人清水との中も続いていて女将の子供のことや故郷丹波の話しも触れている常連客には懐かしいばんざい屋です。
女将の吉永の料理の薀蓄も推理も相変わらず冴えています。
丸の内の店は閉店するようですが新たな場所での再出発の続編も期待出来そうです。
2010年2月祥伝社刊

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