2017年米サスペンス映画。原題「All the Money in the World」。リドリー・スコット監督作品。原作は、1995年ジョン・ピアースンのノンフクション『Painfully Rich: The Outrageous Fortunes and isfortunes of the Heirs of J. Paul Getty』。1973年に実際にローマで起きたゲティ3世誘拐事件の映画化。
石油王として巨大な富を手に入れた実業家ジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)の17歳の孫ポール(チャリー・プラマー)が、イタリアのローマで誘拐され、母親ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)のもとに、1700万ドルという巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、希代の富豪であると同時に守銭奴としても知られたゲティは、身代金の支払いを拒否。ゲイルは元CIAの交渉人フレッチャー(マーク・ウォールバーグ)と共に息子を救うため、世界一の大富豪であるゲティとも対立しながら、誘拐犯と対峙する・・・。公開1か月前でのゲティ役で参加していたケビン・スペイシーのセクハラ降板を受け急遽代役での一部撮り直し編集し間に合わせたことなども話題になった作品。映画の出来は緊急の代役とは思えぬ存在感でアカデミー賞助演男優賞ノミネートも納得の演技。資本家で守銭奴で自己中の生き方と家族との距離感に犯人たちやマスコミ、警察も振り回されある意味面白かった。1973年当時の時代背景と実話だったということも含め人生を考えさせられた。