読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

今野敏著「秋麗 東京湾臨海署安積班」

2024-03-01 | 今野敏
青海三丁目付近の海上で遺体が発見される。身元は、かつて特殊詐欺の出し子として逮捕された70代の戸沢守雄という男だった。安積たちが特殊詐欺事件との関連を追う中、遺体発見の前日に戸沢と一緒にいた釣り仲間の猪狩修造と和久田紀道に話を聞きに行くと、二人とも何かに怯えた様子だった。何らかの事情を知っていると踏んだ安積たちが再び猪狩と和久田の自宅を訪れるも既に誰もおらず、消息が途絶えてしまう・・・。老いがテーマの今回の事件、”老い”の哀しみ、寂しさとあの昭和世代のベテラン記者のセクハラ話が絡んでくる。人生の秋麗、歳を取って誰からも相手にされなくなった孤独な老人が、久しぶりに胸が張り裂けるほど興奮し、その興奮がもとで殺された。東京湾臨海署の安積剛志係長の働きすぎと離婚は気になりました。
「自分が誰からも必要とされなくなる。それでも毅然としていられるかどうか・・・。それが怖い」「人は生きている限りは枯れたりしませんよぉ・・・枯れる必要なんてないさ」「人は若くても老いても、本人の気持ち次第で輝ける」(本文より)
2022年11月角川春樹事務所刊



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