本丸大手門にあたる内下馬門跡から、本丸中の段西南隅にあった大納戸櫓の高石垣を望む。大納戸櫓は三重四階の望楼型で、岡山城の東約20キロメートルにあった沼城の天守を移築したと伝わる。天守に次ぐ大きな櫓であった。手前は内下馬門の渡櫓の石垣で、隅に大きな石を使った。
本丸北東隅、粟積櫓と月見櫓の間に十一番門が築かれた。左手の月見櫓台石垣、右手の粟積櫓台石垣とも高く、奥の本丸への通行を防ぎ、守りを固めた。粟積櫓の石垣は石材を加工した打ち込み接ぎ、直線的に積み上げられている。月見櫓の石垣は野面積みで、勾配も緩い。
二の丸上の段から天守を望むと、天守の手前には本丸南東隅の武具櫓跡の石垣が高く築かれている。絵図を見ると、本丸には六つの櫓が築かれ、それらを多門櫓で結んでいた。武具櫓から西に延びる南多聞が復興されている。