■『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
原作:東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川文庫刊)
監督:廣木隆一
出演:
浪矢雄治 西田敏行 ナミヤ雑貨店店主
浪矢貴之 萩原聖人 息子 妹 フミコ
小林翔太 村上虹郎
麻生幸平 寛一郎
矢口敦也 山田涼介
松岡健夫 小林薫 魚松
妻 根岸季衣
松岡克郎 林遣都 長男
皆月暁子 成海璃子
皆月良和 PANTA 丸光園長 暁子の弟
セリ 門脇麦
セリ(少女時代) 鈴木梨央
川辺映子 山下リオ
田村晴美 尾野真千子
田代秀代 吉行和子 養母
刈谷 手塚とおる
ほか
久々、東野圭吾さん作品の映画化がテレビで観れた
※「ドラマのマイベスト」カテゴリー内「東野圭吾」に追加します
【内容抜粋メモ】
■1969年 夏
チンドン屋が通り、古い型のバスが走る通りにナミヤ雑貨店がある
学校帰りの子どもたちで賑わう 主人は浪矢雄治
壁の貼り紙に子どもの字で
「夢は宇宙飛行士になることだが、バスで酔うから諦める」とある
テレビではちょうどケネディ宇宙センターからロケットが飛び立ち
月に到着したニュースを映している
雄治は貼り紙に返事を書いて、また壁に貼る
「まだ諦めるのは早いでしょう あなたの夢が叶うことを願っています」
■2012年
夜中 家から何か持ち出して逃げ出す少年3人
クルマはエンジンがかからず、近くの空き家に行く小林翔太ら
とうに廃屋となったナミヤ雑貨店に侵入
盗んだ財布の金を分ける
裏に「昭和弐年参月 暁子」と書かれた写真を見つける
手紙にはジョンが死んだことが書かれている
死んだのは1980年
雑誌にナミヤ雑貨店の1973年の記事があり
“夜、願い事を書いた紙をシャッターから投げ込めば
翌日、牛乳箱に回答が入っている”とある
なぜか店のシャッターから手紙が下の段ボール箱に落ちるのを見る
外には誰もいない
矢口敦也:イタズラだ ここにいることがバレるかもしれないから逃げるぞ
逃げると商店街の明かりが全部つく
同じ道を走っていることに気づく
後ろから路面電車が突っ込んでくるが3人をすり抜ける
またナミヤ雑貨店の前にいる
小林翔太:オレ、この魚ミュージシャンて人に返事書きたい 頑張れって
■1980年
思い切りヒッピー風の青年・松岡克郎が商店街に来る
魚松・松岡健夫の息子で、祖父の葬式で帰省した
妹:お父さん、こないだ倒れたのよ
克郎は22歳だが大学をやめて、東京で音楽を演っている
この時ももうナミヤ雑貨店は廃屋
子どもの頃を思い出す
「牛乳箱の中は覗いてはいけない」という絶対のルールがあった
妹:店を閉じて、おじいさんは息子夫婦のところに行ったらしい
さっきの「ジョンが死んだ」という手紙を書いて、夜、シャッターから入れる克郎
翔太が返事を書いて、牛乳箱に入れる
1980年の克郎が中を開ける
「音楽で食べていけるのは一部の人間だけですよ」
克郎はまた返事を書いて、また入れる
「家業といってもいつ潰れてもおかしくない小さな魚屋です」
また2012年に届き、また返事を書く
「3年続けても芽が出ないあなたに才能はありません」
克郎「直接お会いして、僕が作った曲を聴いて欲しい」
克郎は手紙を入れる時に中を覗くが3人は見えない
そのシャッターの前でハモニカを吹いて聴かせる
それが聴こえて、外に出るがやはり誰もいない
2012年に女性ミュージシャンで大ヒットした曲だと分かる
翔太:ステキな曲じゃん もう一度返事を書かないと
妹:お父さん、また倒れたのよ!
病院に見舞いに行く克郎
父:もう東京へ帰れ
克郎:店、手伝うよ 音楽は諦める
父:
オレの代でおしまいだ 本気で魚屋やるなら別だが
お前は自分で決めたのに、たった3年で
もういっぺん死ぬ気でやってみろ
負け戦でいい 自分の足跡を残してこい
手紙の返事
「あなたの音楽で救われる人たちがきっといると思います そして必ず残ります」
東京に戻る克郎
■8年後
ギターを持って、丸光園でクリスマスソングを歌った後
自分で書いた曲を歌う克郎
真剣に聴いていた少女セリがなんて曲か聞く
克郎:♪REBORN 再生って意味
セリは2年前、弟とともに入園 親から虐待を受けていたと園長から聞く
電車が事故でとまり、丸光園で泊まると、克郎のメロディを歌っているセリ
セリ:プロにならないんですか?
克郎:世の中そんな甘くない
セリ:でも、やめないで
克郎:音楽はやめない 意地だな 死んだ親父に誓ったんだ 信じた道を進むって
夜 丸光園が火事になり、みんな外に避難する
弟がいないとパニックになるセリ
中に戻る克郎
屋上にいる少年を見つけ、炎の中突っ込み、柱の下敷きになり
少年は助かるが、克郎は炎の中
克郎:オヤジ 足跡残せたかな? 負け戦だったけど
その後、セリは歌手となり、大勢のファンの前で歌う
セリ:
次の曲は、松岡克郎て人の曲に私が詞をつけたものです
彼は自分の命を犠牲にして私の弟を救ってくれました
(門脇麦ちゃん、歌も上手い
海辺で自由に踊ってるのはMV?
歌いながら泣くのをスマホ動画で観る翔太ら
翔太:彼に火事のこと教えたら死なずに済むのでは?
敦也:
その代わりセリの弟が死ぬだろ
そういうことは変えようがねえし
■1980年1月
雄治のもとに深刻な悩み相談の手紙が来る
グリーンリバー:
父親のいないこの子が幸せになれるのか
他に相談する人がいないので、意見をお聞かせください
息子・貴之:堕ろしたほうがいいに決まってる
雄治:分かった上で相談してるんだよ
(悩み事って、みんな心の中では答えが決まってるんだよね
自分の聞きたい答えを待っているだけ
貴之:うちでそろそろ一緒に暮らさない?
雄治は急に腹痛を感じ、病院へ
医師:末期のすい臓がんです あと3ヶ月と思ってください
(なんて冷たい、決め付けた言い方
統計がそのまま当てはまるわけじゃないのに
治せないなら、せめてもっと言い方を学んで欲しい
父に告知するか悩んで泣く貴之
川辺みどりという女性が車ごと海に飛び込み無理心中したが、子どもだけ助かったという記事を読み
手紙を書いた「グリーンリバー」さんだと気づく雄治
その様子を見ているのは、冒頭の写真の皆月暁子
雄治は記事を貴之に見せる
雄治:
今まで大勢の相談に応えてきた
もしかしたら相談者はオレの回答の通りに行動し
とんでもない不幸になったこともあるのかもしれんな
最近、毎晩、奇妙な夢を見る
誰かがシャッターに手紙を入れてる
オレはどこかで見てる 今からずっと先のことなんだ
入れる人は、かつて手紙を投げ込んだ人たちなんだ
自分の人生がどう変わったか知らせてくれてるんだ
これは夢じゃない 貴之、オレを店に連れてってくれ
オレはもう長くない これが最期の頼みだ
店に着くと貴之に遺言状を渡す
外で明け方まで待つ間、遺言状を読む貴之
遺言状:
私の33回忌に以下の内容を世間の人に告知してほしい
命日○月○日 午前0時~夜明けまでの間
ナミヤ雑貨店の相談窓口が復活します
かつて回答を得た方々にお願いです
その回答はあなたの人生の役に立ちましたか?
店のシャッターの郵便口に手紙を入れてください
店に入ると手紙が次々と落ちるのを涙目で見る雄治
それらを読もうとすると暁子が現れる
暁子:
ずっと見ていました 奥さまも幸せだったとおっしゃってます
あれから50年が経ちます
雄治さんは何も悪くない 駆け落ちしようって言ったのは私のほうだし
雄治さんに助けられた人が大勢いました
手紙を開けて読む暁子
川辺映子:
私はとある児童養護施設で育ちました
母は事故で亡くなったと聞いていた
高校の時、当時の新聞を調べて記事を見つけた 母でした
病室に見舞いに来た女学生はセリ
セリ:あなたは何も悪くない
映子:知ってる 私は不倫でできた子だった 心中で実の母親から殺されかけたの
(ビルから飛び降りたの? すごいケガをしている
セリ:違うよ 園長から預かった手紙を渡す
返事を書いている雄治:
大事なのは、幸せになれるかどうか
子どものためならどんなことでもできる覚悟がないなら
産むべきではありません
セリ:
お母さん、その手紙をずっと持ってた
あなたを幸せにする覚悟があるから産んだ
だから無理心中なんてするはずない
映子:
母が事故を起こした日、朝も夜も働きづめで
熱を出した私を病院に連れていくために
友人から軽自動車を借りたが、途中で居眠りをしてしまった
私が産まれなかったら死ななくて済んだ
セリ:
火事のこと覚えてる?
あの日、慰問に来てくれた松岡さんは弟を救ってくれた
だから私は精一杯生きようと思う もう誰にも死んで欲しくない
私たちにはきっとステキな未来が待ってるよ
グリーンリバーの娘より:
それ以来、自分の人生を精一杯生きてきました
産まれてきて良かった
またもう一通入るが白紙で笑うナミヤ
朝、店から出て、貴之のクルマに乗る前にたくさんの手紙を見せる
貴之:誰も店に近づいていない
雄治:
これは、みんな未来からの手紙だから
悩み相談の復活をネットで知ったって人もいるけど、ネットって何だ?
貴之:さあ・・・
2012年にまた手紙が届く
迷える子犬:
高校を出て、昼は小さな会社の事務員、夜はホステス
先日、金持ちの客から店を持たせるから愛人にならないかと言われた
私は迷っている 私は育てたくれた人に恩返しがしたい 1980年12月
幸平らは真剣に返事を書こうとして、くだらないと止める敦也
敦也:どうせ父親のいないガキ産んで、そのガキもロクなものになんねえんだ
翔太:自分の話だろ?
敦也:
同じだろ?
産んだ赤ん坊をコインロッカーに捨てたり、虐待したり
人の運命は簡単に変えれるもんじゃねーだろ?!
3人とも泣いてしまう
敦也:この返事、オレに書かせろよ
■1980年(バブル期か?
高級クラブで働く“迷える子犬”とは田村晴美(尾野真千子さん!
休日には養父の介護の手伝いをしている
養母・秀代まで倒れてしまう
ナミヤ雑貨店の前にいる晴美
克郎(!):店閉まってるけど悩み相談まだやってますよ
手紙を書いて夜、シャッターに入れる晴美
翌朝、牛乳箱の中の返事を読む
敦也:
あなたが考えているほど、世の中甘くない
地道に事務員として働くことが
育ててくれた人への恩返しになるのではないでしょうか
晴美:
手厳しいご意見に失望しました
私は世の中を甘く見ているわけではありません
店がうまくいったら、その方にお金を返します
私は両親を早くに亡くし、養護施設で育ちました
小学校の頃、大叔母夫婦に引き取られ、高校まで出してもらった
年老いた大叔母夫婦は経済的に困り、家は抵当に入っている
恩返しが私の夢なのです
何度もやりとりする2人
敦也:
あなたが私に従えば、夢をかなえることができるかもしれません
愛人なんかになってはいけません
数年後、日本にとんでもない好景気が来ます
まずは地道に働きましょう
経済関係の勉強を徹底的にやってください
ある程度お金が貯まったら、都内に小さなマンションを買ってください
物件は必ず値上がりします
そしたらすぐに売って、さらに高い物件を買う
その繰り返しで儲けたお金で、株式やゴルフ会員権を買ってください
■1988年
リトルドッグという会社の社長になった晴美は
西麻布のビルを買うようすすめられる
晴美:
今持ってるものを少しずつ整理しようと思っている
90年代になると変わるわよ
(たけしさんもバブル寸前にバカ高い不動産をすすめられて断ったら
「今買わないなんてバカじゃないか」みたいに言われたが
「その後、バブル崩壊して、あの時買ってたら大損してた」と話してたっけ
養父は他界
秀代:あなたのお蔭でこんなにラクさしてもらって、家も人手に渡らずに済んだし
児童養護施設が火事で全焼したニュースが流れる
店で会った男性が亡くなったと知る
(そっか、あの3人の青年もこの児童養護施設の出身なのか
施設に寄付する晴美
園長:
あれだけの火事で子どもが全員助かったのは、姉が守ってくれたのかもしれない
丸光園を作ったのは姉なんだ
姉は心臓が悪くて、早くに亡くなった
学生の時駆け落ちしたが、身分違いで相手の青年が身を引いた
写真には皆月暁子が写っている
晴美:丸光園のためになにかお手伝いさせてください
■2012年12月
今の新しい建物にしたのは晴美?
3人は丸光園に戻る 会えるのでは?
3人の夢が壁に貼ってある
園の少年:
東京で会社やってて、この場所に目をつけて
丸光園をパチンコ屋かラブホにする計画をたててるって
敦也:
丸光園がなくなったら、子どもたちは他の施設に行きバラバラになる
そのババアがいない時、軽く荒らしてやるか
晴美:施設長の刈谷さんは補助金を不正に受けながらプライベートに使っている
部下:いずれ丸光園の経営は破綻する
園長はもう亡くなっている(PANTAさんてミュージシャンなんだ ウィキ参照
晴美は敦也の手紙を読み返す
敦也:
1990年にはすべての投資から手を引いてください
2000年代に入ると携帯電話やインターネットが社会を大きく変え・・・
今までと違ったビジネスが生まれます
晴美は手紙の返事は浪矢からと思っている
雄治の遺言の一夜だけの復活が迫り、晴美は手紙を書く
晴美は刈谷と話す
刈谷:施設の運営は私に一任されている
晴美が帰宅すると、3人が目隠しして、イスに縛る
翔太:丸光園をラブホにしたら許さないからな!
否定する晴美の口にテープを貼る
またナミヤ雑貨店に戻る3人
翔太は一夜限りの復活をスマホで見つける
翔太:オレたちの体験は、きっとそのことと関係している
敦也は白紙の紙をシャッターから入れると雄治に届く
雄治:最期の返事書こうかな
2012年には届いていない
雄治:手紙は32年前に届くんだよ 夜明けにはじいさんが死ぬんだと思う
翔太がこの空き家を見つけたきっかけは
晴美がこの店の前に止まってじっと見ていたから
3人が最初にドロボウに入り、奪ったバッグから晴美の名刺と手紙が出てくる
彼女が“迷える子犬”だと分かる
手紙:
私はナミヤさんのアドバイスを信じ、成功できました
今度は私が人の役に立つこと
それがナミヤさんへの唯一の恩返しだと思うのです
翔太:
ナミヤ雑貨店と丸光園を結ぶなにかがあるんだよ
空から誰か操ってる気がする(暁子?
敦也:自首でもするのか?
幸平:オレ、あの人の所へ戻る
敦也を残して2人は廃屋を出る
敦也は牛乳箱を覗くと手紙がある
ナミヤ:
名なしの権兵衛さまへ
あなたが白紙の手紙をくださった意味を考えてみました
あなた自身の心をあらわしているのでは?
あなたには自分の道が見えていない
どうか諦めないでください あなたの未来はまだ白紙
どんな未来も描けます あなた次第
可能性は無限 悔いなく燃やし尽くすことを祈っています
最期に素晴らしい難問を頂けてありがとうございました
敦也も晴美のもとに走る
(自首しても晴美は訴えないのでは?
敦也:
ナミヤ雑貨店さま
僕が手紙を出したのは、ただその人に幸せになって欲しかった
その人に姿を見せて、伝えたい
あなたが掴んだものだと
人を信じることを教えてくれてありがとうございます
この手紙が届かなくても、どこかで見守ってくれている気がします
名なしの権兵衛
晴美の家にはもう警察が来ている
犯人の心当たりはないと言う晴美 3人は晴美に会いに行く
その後、3人はそれぞれの夢を叶える仕事につく
克郎は路上で歌っている
セリは大規模なライヴ
晴美は丸光園に牛乳箱を移して、手紙の返事を入れる
雄治は店内で眠り、布団をかける暁子
*
ある意味SFだな
時間と空間は、過去→現在→未来の一方向に流れているのではなく
すべてが同時に存在し、重なり合っていて、ある時、つながることがある
未来を教えたことで、晴美の人生が変わり
タイムパラドックスの難題が起きたかもしれないが
いろんな選択肢を選ぶことで、無限の時間の流れが枝分かれしていくという
そんなことを考えなくても、いろんな人間ドラマが重なって
西田さんのベテラン演技で素晴らしくまとまっている
ほっこりする映画だった
原作:東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川文庫刊)
監督:廣木隆一
出演:
浪矢雄治 西田敏行 ナミヤ雑貨店店主
浪矢貴之 萩原聖人 息子 妹 フミコ
小林翔太 村上虹郎
麻生幸平 寛一郎
矢口敦也 山田涼介
松岡健夫 小林薫 魚松
妻 根岸季衣
松岡克郎 林遣都 長男
皆月暁子 成海璃子
皆月良和 PANTA 丸光園長 暁子の弟
セリ 門脇麦
セリ(少女時代) 鈴木梨央
川辺映子 山下リオ
田村晴美 尾野真千子
田代秀代 吉行和子 養母
刈谷 手塚とおる
ほか
久々、東野圭吾さん作品の映画化がテレビで観れた
※「ドラマのマイベスト」カテゴリー内「東野圭吾」に追加します
【内容抜粋メモ】
■1969年 夏
チンドン屋が通り、古い型のバスが走る通りにナミヤ雑貨店がある
学校帰りの子どもたちで賑わう 主人は浪矢雄治
壁の貼り紙に子どもの字で
「夢は宇宙飛行士になることだが、バスで酔うから諦める」とある
テレビではちょうどケネディ宇宙センターからロケットが飛び立ち
月に到着したニュースを映している
雄治は貼り紙に返事を書いて、また壁に貼る
「まだ諦めるのは早いでしょう あなたの夢が叶うことを願っています」
■2012年
夜中 家から何か持ち出して逃げ出す少年3人
クルマはエンジンがかからず、近くの空き家に行く小林翔太ら
とうに廃屋となったナミヤ雑貨店に侵入
盗んだ財布の金を分ける
裏に「昭和弐年参月 暁子」と書かれた写真を見つける
手紙にはジョンが死んだことが書かれている
死んだのは1980年
雑誌にナミヤ雑貨店の1973年の記事があり
“夜、願い事を書いた紙をシャッターから投げ込めば
翌日、牛乳箱に回答が入っている”とある
なぜか店のシャッターから手紙が下の段ボール箱に落ちるのを見る
外には誰もいない
矢口敦也:イタズラだ ここにいることがバレるかもしれないから逃げるぞ
逃げると商店街の明かりが全部つく
同じ道を走っていることに気づく
後ろから路面電車が突っ込んでくるが3人をすり抜ける
またナミヤ雑貨店の前にいる
小林翔太:オレ、この魚ミュージシャンて人に返事書きたい 頑張れって
■1980年
思い切りヒッピー風の青年・松岡克郎が商店街に来る
魚松・松岡健夫の息子で、祖父の葬式で帰省した
妹:お父さん、こないだ倒れたのよ
克郎は22歳だが大学をやめて、東京で音楽を演っている
この時ももうナミヤ雑貨店は廃屋
子どもの頃を思い出す
「牛乳箱の中は覗いてはいけない」という絶対のルールがあった
妹:店を閉じて、おじいさんは息子夫婦のところに行ったらしい
さっきの「ジョンが死んだ」という手紙を書いて、夜、シャッターから入れる克郎
翔太が返事を書いて、牛乳箱に入れる
1980年の克郎が中を開ける
「音楽で食べていけるのは一部の人間だけですよ」
克郎はまた返事を書いて、また入れる
「家業といってもいつ潰れてもおかしくない小さな魚屋です」
また2012年に届き、また返事を書く
「3年続けても芽が出ないあなたに才能はありません」
克郎「直接お会いして、僕が作った曲を聴いて欲しい」
克郎は手紙を入れる時に中を覗くが3人は見えない
そのシャッターの前でハモニカを吹いて聴かせる
それが聴こえて、外に出るがやはり誰もいない
2012年に女性ミュージシャンで大ヒットした曲だと分かる
翔太:ステキな曲じゃん もう一度返事を書かないと
妹:お父さん、また倒れたのよ!
病院に見舞いに行く克郎
父:もう東京へ帰れ
克郎:店、手伝うよ 音楽は諦める
父:
オレの代でおしまいだ 本気で魚屋やるなら別だが
お前は自分で決めたのに、たった3年で
もういっぺん死ぬ気でやってみろ
負け戦でいい 自分の足跡を残してこい
手紙の返事
「あなたの音楽で救われる人たちがきっといると思います そして必ず残ります」
東京に戻る克郎
■8年後
ギターを持って、丸光園でクリスマスソングを歌った後
自分で書いた曲を歌う克郎
真剣に聴いていた少女セリがなんて曲か聞く
克郎:♪REBORN 再生って意味
セリは2年前、弟とともに入園 親から虐待を受けていたと園長から聞く
電車が事故でとまり、丸光園で泊まると、克郎のメロディを歌っているセリ
セリ:プロにならないんですか?
克郎:世の中そんな甘くない
セリ:でも、やめないで
克郎:音楽はやめない 意地だな 死んだ親父に誓ったんだ 信じた道を進むって
夜 丸光園が火事になり、みんな外に避難する
弟がいないとパニックになるセリ
中に戻る克郎
屋上にいる少年を見つけ、炎の中突っ込み、柱の下敷きになり
少年は助かるが、克郎は炎の中
克郎:オヤジ 足跡残せたかな? 負け戦だったけど
その後、セリは歌手となり、大勢のファンの前で歌う
セリ:
次の曲は、松岡克郎て人の曲に私が詞をつけたものです
彼は自分の命を犠牲にして私の弟を救ってくれました
(門脇麦ちゃん、歌も上手い
海辺で自由に踊ってるのはMV?
歌いながら泣くのをスマホ動画で観る翔太ら
翔太:彼に火事のこと教えたら死なずに済むのでは?
敦也:
その代わりセリの弟が死ぬだろ
そういうことは変えようがねえし
■1980年1月
雄治のもとに深刻な悩み相談の手紙が来る
グリーンリバー:
父親のいないこの子が幸せになれるのか
他に相談する人がいないので、意見をお聞かせください
息子・貴之:堕ろしたほうがいいに決まってる
雄治:分かった上で相談してるんだよ
(悩み事って、みんな心の中では答えが決まってるんだよね
自分の聞きたい答えを待っているだけ
貴之:うちでそろそろ一緒に暮らさない?
雄治は急に腹痛を感じ、病院へ
医師:末期のすい臓がんです あと3ヶ月と思ってください
(なんて冷たい、決め付けた言い方
統計がそのまま当てはまるわけじゃないのに
治せないなら、せめてもっと言い方を学んで欲しい
父に告知するか悩んで泣く貴之
川辺みどりという女性が車ごと海に飛び込み無理心中したが、子どもだけ助かったという記事を読み
手紙を書いた「グリーンリバー」さんだと気づく雄治
その様子を見ているのは、冒頭の写真の皆月暁子
雄治は記事を貴之に見せる
雄治:
今まで大勢の相談に応えてきた
もしかしたら相談者はオレの回答の通りに行動し
とんでもない不幸になったこともあるのかもしれんな
最近、毎晩、奇妙な夢を見る
誰かがシャッターに手紙を入れてる
オレはどこかで見てる 今からずっと先のことなんだ
入れる人は、かつて手紙を投げ込んだ人たちなんだ
自分の人生がどう変わったか知らせてくれてるんだ
これは夢じゃない 貴之、オレを店に連れてってくれ
オレはもう長くない これが最期の頼みだ
店に着くと貴之に遺言状を渡す
外で明け方まで待つ間、遺言状を読む貴之
遺言状:
私の33回忌に以下の内容を世間の人に告知してほしい
命日○月○日 午前0時~夜明けまでの間
ナミヤ雑貨店の相談窓口が復活します
かつて回答を得た方々にお願いです
その回答はあなたの人生の役に立ちましたか?
店のシャッターの郵便口に手紙を入れてください
店に入ると手紙が次々と落ちるのを涙目で見る雄治
それらを読もうとすると暁子が現れる
暁子:
ずっと見ていました 奥さまも幸せだったとおっしゃってます
あれから50年が経ちます
雄治さんは何も悪くない 駆け落ちしようって言ったのは私のほうだし
雄治さんに助けられた人が大勢いました
手紙を開けて読む暁子
川辺映子:
私はとある児童養護施設で育ちました
母は事故で亡くなったと聞いていた
高校の時、当時の新聞を調べて記事を見つけた 母でした
病室に見舞いに来た女学生はセリ
セリ:あなたは何も悪くない
映子:知ってる 私は不倫でできた子だった 心中で実の母親から殺されかけたの
(ビルから飛び降りたの? すごいケガをしている
セリ:違うよ 園長から預かった手紙を渡す
返事を書いている雄治:
大事なのは、幸せになれるかどうか
子どものためならどんなことでもできる覚悟がないなら
産むべきではありません
セリ:
お母さん、その手紙をずっと持ってた
あなたを幸せにする覚悟があるから産んだ
だから無理心中なんてするはずない
映子:
母が事故を起こした日、朝も夜も働きづめで
熱を出した私を病院に連れていくために
友人から軽自動車を借りたが、途中で居眠りをしてしまった
私が産まれなかったら死ななくて済んだ
セリ:
火事のこと覚えてる?
あの日、慰問に来てくれた松岡さんは弟を救ってくれた
だから私は精一杯生きようと思う もう誰にも死んで欲しくない
私たちにはきっとステキな未来が待ってるよ
グリーンリバーの娘より:
それ以来、自分の人生を精一杯生きてきました
産まれてきて良かった
またもう一通入るが白紙で笑うナミヤ
朝、店から出て、貴之のクルマに乗る前にたくさんの手紙を見せる
貴之:誰も店に近づいていない
雄治:
これは、みんな未来からの手紙だから
悩み相談の復活をネットで知ったって人もいるけど、ネットって何だ?
貴之:さあ・・・
2012年にまた手紙が届く
迷える子犬:
高校を出て、昼は小さな会社の事務員、夜はホステス
先日、金持ちの客から店を持たせるから愛人にならないかと言われた
私は迷っている 私は育てたくれた人に恩返しがしたい 1980年12月
幸平らは真剣に返事を書こうとして、くだらないと止める敦也
敦也:どうせ父親のいないガキ産んで、そのガキもロクなものになんねえんだ
翔太:自分の話だろ?
敦也:
同じだろ?
産んだ赤ん坊をコインロッカーに捨てたり、虐待したり
人の運命は簡単に変えれるもんじゃねーだろ?!
3人とも泣いてしまう
敦也:この返事、オレに書かせろよ
■1980年(バブル期か?
高級クラブで働く“迷える子犬”とは田村晴美(尾野真千子さん!
休日には養父の介護の手伝いをしている
養母・秀代まで倒れてしまう
ナミヤ雑貨店の前にいる晴美
克郎(!):店閉まってるけど悩み相談まだやってますよ
手紙を書いて夜、シャッターに入れる晴美
翌朝、牛乳箱の中の返事を読む
敦也:
あなたが考えているほど、世の中甘くない
地道に事務員として働くことが
育ててくれた人への恩返しになるのではないでしょうか
晴美:
手厳しいご意見に失望しました
私は世の中を甘く見ているわけではありません
店がうまくいったら、その方にお金を返します
私は両親を早くに亡くし、養護施設で育ちました
小学校の頃、大叔母夫婦に引き取られ、高校まで出してもらった
年老いた大叔母夫婦は経済的に困り、家は抵当に入っている
恩返しが私の夢なのです
何度もやりとりする2人
敦也:
あなたが私に従えば、夢をかなえることができるかもしれません
愛人なんかになってはいけません
数年後、日本にとんでもない好景気が来ます
まずは地道に働きましょう
経済関係の勉強を徹底的にやってください
ある程度お金が貯まったら、都内に小さなマンションを買ってください
物件は必ず値上がりします
そしたらすぐに売って、さらに高い物件を買う
その繰り返しで儲けたお金で、株式やゴルフ会員権を買ってください
■1988年
リトルドッグという会社の社長になった晴美は
西麻布のビルを買うようすすめられる
晴美:
今持ってるものを少しずつ整理しようと思っている
90年代になると変わるわよ
(たけしさんもバブル寸前にバカ高い不動産をすすめられて断ったら
「今買わないなんてバカじゃないか」みたいに言われたが
「その後、バブル崩壊して、あの時買ってたら大損してた」と話してたっけ
養父は他界
秀代:あなたのお蔭でこんなにラクさしてもらって、家も人手に渡らずに済んだし
児童養護施設が火事で全焼したニュースが流れる
店で会った男性が亡くなったと知る
(そっか、あの3人の青年もこの児童養護施設の出身なのか
施設に寄付する晴美
園長:
あれだけの火事で子どもが全員助かったのは、姉が守ってくれたのかもしれない
丸光園を作ったのは姉なんだ
姉は心臓が悪くて、早くに亡くなった
学生の時駆け落ちしたが、身分違いで相手の青年が身を引いた
写真には皆月暁子が写っている
晴美:丸光園のためになにかお手伝いさせてください
■2012年12月
今の新しい建物にしたのは晴美?
3人は丸光園に戻る 会えるのでは?
3人の夢が壁に貼ってある
園の少年:
東京で会社やってて、この場所に目をつけて
丸光園をパチンコ屋かラブホにする計画をたててるって
敦也:
丸光園がなくなったら、子どもたちは他の施設に行きバラバラになる
そのババアがいない時、軽く荒らしてやるか
晴美:施設長の刈谷さんは補助金を不正に受けながらプライベートに使っている
部下:いずれ丸光園の経営は破綻する
園長はもう亡くなっている(PANTAさんてミュージシャンなんだ ウィキ参照
晴美は敦也の手紙を読み返す
敦也:
1990年にはすべての投資から手を引いてください
2000年代に入ると携帯電話やインターネットが社会を大きく変え・・・
今までと違ったビジネスが生まれます
晴美は手紙の返事は浪矢からと思っている
雄治の遺言の一夜だけの復活が迫り、晴美は手紙を書く
晴美は刈谷と話す
刈谷:施設の運営は私に一任されている
晴美が帰宅すると、3人が目隠しして、イスに縛る
翔太:丸光園をラブホにしたら許さないからな!
否定する晴美の口にテープを貼る
またナミヤ雑貨店に戻る3人
翔太は一夜限りの復活をスマホで見つける
翔太:オレたちの体験は、きっとそのことと関係している
敦也は白紙の紙をシャッターから入れると雄治に届く
雄治:最期の返事書こうかな
2012年には届いていない
雄治:手紙は32年前に届くんだよ 夜明けにはじいさんが死ぬんだと思う
翔太がこの空き家を見つけたきっかけは
晴美がこの店の前に止まってじっと見ていたから
3人が最初にドロボウに入り、奪ったバッグから晴美の名刺と手紙が出てくる
彼女が“迷える子犬”だと分かる
手紙:
私はナミヤさんのアドバイスを信じ、成功できました
今度は私が人の役に立つこと
それがナミヤさんへの唯一の恩返しだと思うのです
翔太:
ナミヤ雑貨店と丸光園を結ぶなにかがあるんだよ
空から誰か操ってる気がする(暁子?
敦也:自首でもするのか?
幸平:オレ、あの人の所へ戻る
敦也を残して2人は廃屋を出る
敦也は牛乳箱を覗くと手紙がある
ナミヤ:
名なしの権兵衛さまへ
あなたが白紙の手紙をくださった意味を考えてみました
あなた自身の心をあらわしているのでは?
あなたには自分の道が見えていない
どうか諦めないでください あなたの未来はまだ白紙
どんな未来も描けます あなた次第
可能性は無限 悔いなく燃やし尽くすことを祈っています
最期に素晴らしい難問を頂けてありがとうございました
敦也も晴美のもとに走る
(自首しても晴美は訴えないのでは?
敦也:
ナミヤ雑貨店さま
僕が手紙を出したのは、ただその人に幸せになって欲しかった
その人に姿を見せて、伝えたい
あなたが掴んだものだと
人を信じることを教えてくれてありがとうございます
この手紙が届かなくても、どこかで見守ってくれている気がします
名なしの権兵衛
晴美の家にはもう警察が来ている
犯人の心当たりはないと言う晴美 3人は晴美に会いに行く
その後、3人はそれぞれの夢を叶える仕事につく
克郎は路上で歌っている
セリは大規模なライヴ
晴美は丸光園に牛乳箱を移して、手紙の返事を入れる
雄治は店内で眠り、布団をかける暁子
*
ある意味SFだな
時間と空間は、過去→現在→未来の一方向に流れているのではなく
すべてが同時に存在し、重なり合っていて、ある時、つながることがある
未来を教えたことで、晴美の人生が変わり
タイムパラドックスの難題が起きたかもしれないが
いろんな選択肢を選ぶことで、無限の時間の流れが枝分かれしていくという
そんなことを考えなくても、いろんな人間ドラマが重なって
西田さんのベテラン演技で素晴らしくまとまっている
ほっこりする映画だった