■危険! ネットから情報が消えない “デジタル・タトゥー”@あさイチ
ゲスト:やついいちろうさん、小倉優子さん
リポーター:森田洋平アナウンサー
・ドラマ『デジタル・タトゥー』
番宣も兼ねてるのか?
よく大きなライヴ会場に行くと「録音・撮影禁止」と言われて、バッグの中身までチェックされる
それなら、そのライヴ映像がニュースで流されて
自分が映りこんでいたら、どこに訴えればいいんだ?といつも思う
映って嬉しい人もいれば、イヤな人もいる
一般人には「肖像権」がないかのような扱い
今は、フツーのコが少し詳しいPCの知識でもって
見知らぬ人を数十分ネットで調べただけで
住所、職業、家族構成などが分かってしまう時代
SNSに顔を出したり、場所を言ったりする人は
意識が低いのではないかと心配になる
このPCを買う際、前のPCをどう捨てるか迷って、まだ家にある
メーカーいわく
「そのまま梱包して送っていただければ、データは消去して分解します」とのこと
そのまま「ハイ、そうですか」と言えない
もう迷惑メールやDMがたくさん来ている時点で
個人情報が漏れまくっていることは分かるけれども
PCに入っているデータは、私そのものと化しているだけに簡単に他人に渡せられない
メーカー:心配でしたら初期化していただければ・・・
それが本当に消えてないとしたら?って話だよね、このテーマ
とにかく電気でつながっているモノはすべて世界共通 『攻殻機動隊』の世界
※「アニメまとめ」カテゴリー内参照
私の財産などたかが知れてるが、私とつながる人たちにまで迷惑がかかるとなると別問題
NHKの8Kカメラで映されたら、目視では遠くかすんだものでもクリアに見えるし
衛星カメラからは、国の軍備も丸見えの時代
理想的には、すべてはみんなのモノ
今の時代はまだそんなに高度な未来じゃない
こうした番組でいくら啓発しても、意識の低い人は番組自体見ないし
犯罪抑止もプロのハッカーにかかれば
国のデータまで盗めるんだからいたちごっこには変わりない
前置きが長くなったけれども、
一応、現状がどうなのか興味があったから見てみた
●街で聞いたネットから消したい情報はある?
女性:
スポーツをやってたんですけど その成績がずっと残っていたり
写真や結構 YouTube が多い
すごく成績が悪いのも載っているので恥ずかしい
女性:
学校のお遊戯会の写真を、そのまま顔にボカシとか入れないでアップされていて
それが出回っているのが怖いなと思います
女性:前に付き合っていた人との情報は消しちゃいたい
やつい:
いろんなところで目撃情報がある おれ、福岡にいないよ、みたいな
「声かけたけど無視された」とか よくあります
文字や写真が一度ネットに上がった情報は簡単になかなか消せないので
ネット上のトラブルの相談件数が年々増えています
ネット上に誹謗中傷を書き込まれてしまって
何年にもわたって苦しみ続けている女性のケース
Aさん 70代
数年前、ネット上にAさんを誹謗中傷する内容が大量に書き込まれ
勤務先まで公開されました それが一部今でも残り続けています
Aさん:
全く身に覚えのないことで、私が死んでもそれは残る 消しようがない 辛いことです
発端は数年前
ある日 妹から電話があった
「今すぐインターネットで名前を検索して 大変なことになってるのよ」
自分の名前を検索すると「加害者の母親」とある
9か月前 Aさんが住む街で中学生がイジメを苦に自殺するという事件が起こった
Aさんはネット上でその加害者の母親だと名指しされていた
しかし全くの無関係
加害者とされた少年と苗字が同じだったため、その母親だと決めつけられたと思われます
(たったそれだけで?!
誹謗中傷はネットだけではなく、勤務先にも電話がかかってきた
<実際の電話の音声録音の記録>
「インターネットで見たんだけど 反省しろよ」
「今回のいじめのことについて聞きたいんですけどけれども 主犯格のお母さんですよね?
いい加減にしなさいよ」
「生きてる価値ないんだよ 早く死ね! 馬鹿野郎が なめてんじゃねーぞ この野郎
早く死ね ボケナスが!」
(こんな人いるんだ・・・
この録音記録は、元をたどれば誰がかけたかすぐにわかるんじゃないの?
Aさん:
これを止めるにはどうしたらいいのか
まったくこれは間違いですと大きな声で叫びたかった
Aさんは警察や法務局の「人権相談窓口」に相談しました
Aさん:
次から次に本当に驚くぐらい書かれている
どうやって消せばいいですか 教えてください
しかし「ネットの削除依頼は自分でやるしかない」と言われ
直接動いてはもらえませんでした
(ひどい・・・時代についていってないのでは?
Aさん:
いろんなアドバイスをいただいたんですけれども
「その道に詳しい弁護士さんを紹介しましょうか」とか
もちろんそんなお金もありませんし
Aさんの誹謗中傷は広がる一方 ついに脅迫状まで届きます
<実際に届いた手紙>
「自殺した子と同じことをしてやりたい」
「母親失格」
「人間失格」
「殺人犯製造機」
「人間じゃない」
「あなたの顔にも濃硫酸をぶっかける」
Aさんは警察に被害届を提出
「人権侵害」と判断し、ネットの書き込みの削除依頼を行ってくれることになりました
(ここまでされないと動けないの?
ただし、書き込みをリストアップするのはAさん その数は数百件
Aさん:
「頑張らなアカン」と言われて、頑張りましたけれども
もうこの辺で自分がいなくなればいいのかなと思ったりもしましたね(涙を拭う
多くの書き込みは消すことができたものの
すべてを削除することはできず
今でも一部はネット上に残ったままです
Aさん:
全部消して欲しいです
今のこの時代に、書くだけ書いて消せないというのは 何とかならないのか
命の危険さえ感じたとおっしゃってました
刑事事件、犯罪だと明確になれば警察は動きやすい
小倉さんは「事実じゃないのに」とおっしゃっていましたが
確認しておきたいのは、仮に何か事件と関係があったとしても
ネット上に誹謗中傷を書き込むというのは「名誉毀損」「脅迫罪」に問われることがあります
Aさんは、今でもデジタルタトゥーに苦しめられていて
自分の名前を検索で探そうとする行為だけで気分が悪くなり、吐き気がしてしまう
ここからはインターネットトラブルに詳しい専門家にもお越しいただきました
IT企業社会貢献チームマネージャー小木曽さん
Q:この VTR のように深刻な例もあったんでしょうか?
専門家:
全く同じケースの相談をいただいたこともあります
「家に火をつけてやる」とか「夜道で気をつけろ」とか
それは「犯罪予告」であり、捕まる話
ネットに書いたものを消す・消さないではなくて「被害届」を出すもの
そのような単語が出てきたら、警察に行って頂いています
●児童ポルノ、リベンジポルノ、薬物の取引に関するもの
これも警察の捜査の対象になる
(リベンジポルノって何だろう?
児童ポルノ、リベンジポルノの削除に関しましては
「セーファーインターネット協会」の「セーフライン」というものがあり
そこの相談窓口で通報や相談を受け付けています
こちらでは、本人に代わって削除要請をしてくれます
これまで、全てではないですが8割以上削除されたということです
Q:最近相談は多いんですか?
専門家:
中高生のカップルなどで、彼氏が彼女に「いやらしいのを送ってくれよ」って言って
彼女も嫌われたくないので送ってしまう
男子は周りに自慢しちゃうんですね 「俺の彼女の」って言って
チャットに載って、拡散して、親が大変なことになる みたいなこともありますし
もっとひどいものでは、変態犯罪者は、女子のふりをして近づいて
体の悩みなどを話す中で写真を送らせて、送った瞬間に豹変する
「家に押しかけるぞ」とか
これももちろん警察の案件になります(当たり前だ/怖×5000
Q:なかなか親にも言えない問題ですよね?
家族にも言えない子が私の所に連絡してくるっていうのはありますね
一方で、犯罪とは言えないような「誹謗中傷」「プライバシーの侵害」に関しては
警察が対応するのはなかなか難しい ではどうすればいいのか
東京都内 国からの委託で運営している「違法・有害情報相談センター」
ネット上の個人情報や誹謗中傷の書き込みなどに関する相談を受け付けています
この7年の間に 4倍以上に増えている 実際はもっと多いでしょうね
●違法・有害情報センター
センター長・桑子さん:
相談案件は、プライバシーの侵害など色々なことを受けているので
中についてはご遠慮いただきたい
かなり深刻な相談を寄せられているということで、中の撮影はNGでした
イメージイラスト
部屋の中では、寄せられた相談に対して
相談員がどう対処すればいいかを調べ、メールで対応しています
違法有害情報相談センターのホームページ
誰でも無料で利用することができます 詳しく見てみましょう
1.ホームページの案内に従って、まず自分の名前やメールアドレスを記入します
2.名誉毀損や、プライバシーの侵害など、どんなことで困っているのかをチェック
3.「削除したい」など、どのような対応を望んでいるのかを選んでチェックします
4.最後に相談内容を具体的に記入します
5.送信ボタンを押してセンターに相談が届く仕組みです
6.しばらくすると、センターからどうすれば削除できるのかなど、アドバイスのメールが届きます
削除依頼などのルールはサイトごとに違う
サイトに応じて、どのような内容を記入して
どこに送ればいいのかを具体的に教えてくれます
相談者本人に対して、具体的にこういう形で
削除の依頼を出してください、と案内している
削除依頼などは、原則本人が行わなければいけません
本人からの依頼を受けて、各サイトの運営者は対応を検討します
しかし、どう対応するかはサイトの判断になるため
希望通りに対応してもらえるとは限りません
さらに怖いのは拡散
削除できたと安心していても、削除しきれていないことがあります
ネットの情報はデジタルですから、コピーができて色々な所に貼り付けられる
書き込まれるということで、どんどん拡散していく
それらを探してすべての削除の依頼を出していくことが必要になる
Q:拡散先までを含めて全部クリーンにできたことはあるんですか?
正直言って、なかなかそこは難しくて どちらかと言うと少ない
こちらのセンターに相談する際、どういった情報
どういうページに載っているものなのか具体的に分からないと
なかなかアドバイスも難しいということなので
どのページに書き込みがあるのか
そのURLをしっかり記入して相談して欲しいということでした
●「表現の自由」と「名誉毀損・プライバシーの侵害」のバランス
削除するかしないかの判断が難しい 考えなければいけないのは
「表現の自由」と「名誉毀損・プライバシーの侵害」のバランスなんですね
「表現の自由」というのは、憲法で我々に保障されている権利
ネット上でも自由に表現するのは許されています
でも、どんな表現でもいいかというとそうではありません
その表現が「名誉毀損・プライバシーの侵害」にあたると認められれば
こちらに重きが置かれて削除が認められる
あたらないと判断されれば削除されない
このバランスの判断を各サイトの判断者はその都度行っている
各サービスには「利用規約」がありますから
それに反しているかどうかでしか判断できない
(まあ、あんな細かいものいちいち読まないよね・・・
どれだけ権利侵害だ、名誉毀損だと言われても
最終的に裁判所が判断するところ 事業者が判断できない部分なんです
書いたことには「責任」が生まれる
大事なのは、「表現の自由」を行使する瞬間に「責任」が生まれるということです
正義はあなたが決めるんじゃなくて裁判所というのを結構皆さん忘れてます
(「2ちゃんねる」なんて誹謗中傷だらけの魑魅魍魎の世界だけれども
あれは削除されないんだろうか?
それだけ需要と共有のバランスがとれているのか?
小倉:
自分のことを発信するのは自由だと思うんですけれども
他人のことをネットに書くのも「表現の自由」になるんですか?
専門家:
自由かどうかは個別で争っていかなければいけない
自分で消さなきゃいけないと言いましたけれども
自分で消す「権利」があるんです
自分が書いたことを誰かが「消せ」と言っったり
国が「消せ」と言ったらそれはそれで問題
微妙なところをいちいち裁判所で争うという構図になっています
近江:
毎回裁判するのは結構な労力とお金がかかりますよね
まずは書き込むときに「責任を負う」ということですか?
専門家:
みんなそれを忘れてるんです
書いたことに責任があるということを忘れて「これは正義だ」と言っている
それでも書き込まれてしまって、サイトで削除されなかった場合
法的手段、弁護士に頼るという方法もあります
気になる費用
弁護士によっても異なりますが、河瀬さんの場合
1ページ削除するのに10万円から!
「仮処分」
裁判所で訴訟を起こさずに迅速に判断を下してもらう手続きは30万円~
より複雑な事案で「裁判」になると50万円~
自分が払うが、裁判の結果次第で戻ってくるお金もある
(これ、ぼったくりじゃなくて?!驚
専門家:
全てを消そうとか、裁判所だとお金もかかるし、きりがない
だから一番たちの悪いやつに狙いをつけて集中的に潰す
それをみんなに見せて焦らせるというのは有効だと思います
裁判をしますよ 損害賠償も請求できますから
それがニュースになったり、話題になると「抑止力」につながるという方法もある
事前に全部消すことはできないし、お金も続かないので
<視聴者のエピソード>
20代:
高校の時、いじめが原因で一時「登校拒否」をしていたのですが
3年後ぐらいに同期から「登校拒否してたんだよね?」と言われてびっくりしました
ネットで自分の名前を検索したら、学校名から
当時使っていた携帯番号まで書かれており、詳しい内容まで書かれていました
茨城県30代:
中学時代の友人の卒業アルバムの写真がネットに載っていました
見てみると、某有名人の中学時代の写真として「整形疑惑!?」として紹介されていた
身近に起きていて、とても怖いと感じた
近江:
自分の写真とか携帯番号が勝手に掲載されていたら、その削除依頼はできますか?
専門家:
実害が伴うもの、事業者が利用規約に違反していると思えば削除できます
個人情報の書き込みは、たいていSNSの利用規約で「禁止事項」なんです
割と早く対応できます
●自分が書き込んでしまってトラブルが起きたケース
関東に住む30代のマリさん(仮名)
子育ての情報を集めるためにSNSを使い始め、ネット上のママ友が80人いました
そこでトラブルを起こしてしまいました
2年前 マリさんは同じSNSで2つ目のアカウント
いわゆる「裏アカウント」を作りました
メンバーは80人のうち特に親しい4人だけ
メインでは言えないママ友たちの不満や悪口を書き込んでいました
マリさんは、きつい性格だと感じていたあさこさんに対する陰口を呟いていました
「3歳の子どもにまたファストフード 子どもがかわいそう」
「子どもの写真またアップしてる そんなに可愛くもないのに」
マリさん:
「塩っぽいもの食べさせていることが多いよね」とか
「炭酸飲ませるのも早いよね」とか
やっぱりストレスが溜まっていたのかちょっと楽しかったですね
1ヶ月後
メインのアカウントにあさこさんがあるつぶやきを投稿していました
「裏アカ見ました 影でコソコソ悪口言って
言いたいことあるならはっきり言えばいいのに」
4人しか見ていないはずなのに、なぜ知られてしまったのか?
実は裏アカメンバーの1人がマリさんの書き込みをあさこさんに見せてしまい
筒抜けになってしまった(悪いことは言えないねえ
マリさん:
ドキッとしました 傷つけると思ってやっていなかったんですけど
やばい、傷つけたと思って 本当に悪いなと思って 今は反省しています
ゲスト:昔は本当に陰で言っていたことが、今は証拠として残ってしまう
専門家:
裏アカは絶対にばれます
よくご相談いただくんです 「裏アカなのに漏れてる」「ウイルスが・・・」
とか言われるんですけれども、あなたのお仲間が流してるんです
大人が裏で何か言ってる内容なんて面白いに決まってる
だから絶対誰かが持っていく
何か書き込むたびたびにリアルタイムで流れていくんです
小倉:「内緒ね」って言っても内緒じゃないですもんね
マリさんは反省しながらも、またこの書き込みが
どこかで出回ってしまうのではないかという不安も抱えています
やつい:自分のことが言われているかもしれませんもんね
ネットへの安易な書き込みによって「慰謝料の支払い」にまで発展したケース
ありがちなケースを考えてもらいました
40代のある主婦は、高校の同級生がテレビに出ているのを見ました
「美人セレブ経営者」として取り上げられているのが面白くないと感じ
匿名の掲示板に「夫は犯罪者 目や鼻を整形」など、適当な悪口を書き込みました
しかし、ある日突然、自分が書き込み主であることを調べられてしまい
名誉毀損にあたると裁判を起こされ、慰謝料を請求されます
その額は100万円 女性は借金をして慰謝料を払いました
専門家:
100万円は安いほうです
もしその方のビジネスなどに影響が出ていたら数百万では済まないかもしれない
匿名で書いてもバレます
この手続きをすれば分かるという仕組みがありますから
●ネットの適切な使い方
普段から小中学校を回って講演をしていらっしゃる小木曽さん
その内容を教えていただけますか?
専門家:
これは、東京・渋谷のスクランブル交差点
インターネットに何かを書くということは
この交差点で情報を掲げるのと全く同じ
自分は友だちにだけ見せているつもりが、全員振り向くからね
これを大人に置き換えればこうなる
仕事の内容や上司の悪口などはこうして掲げないですよね、という例え
玄関の写真
ネット上に情報を書き込むということは
玄関の外側の扉に張り紙を貼るようなこと
本人は誰が書いたか分からないつもりかもしれませんが
ネット社会では、どこに住んでいる誰なのか
すぐに特定されてしまう可能性がある
今までネガティブな投稿で身元がばれなかったということはないです
本当に些細な情報をすり込んだ景色とかで分かる
大事なのは、身近な人が全員が味方ではない
個人が特定されるケースで、近しい人から詳細な情報が流れる
というのはよくあるパターン
それも知っておくべき情報だと思います
<視聴者からのメール>
30代:
先日、Instagram のママ友の投稿に
女の子どもたちがお風呂に入っている写真を
顔などを隠さず載せていて目を疑いました
そして驚いたのは、コメント欄に
「楽しそう うちでもまたお泊まりしようね」など
投稿に対して好意的な書き込みしかなかったこと
学校に相談して、SNSへの書き込みについて注意喚起してもらいました
親のほうが危機感がないのはとても危ないことだと思います
40代:
私は12年前に約4年間 ネット掲示板の「削除依頼」の作業の仕事をしていました
日々たくさんの削除依頼がありましたし
闇金融や援助交際募集など様々なものも削除しますが
次から次へと書き込みがあり、はっきり言って作業が追いつきませんでした
すべてを削除するのは不可能だと思います
奈良県20代:
今の職場で不満が溜まり Twitter で呟いてしまいました
鍵アカ(一般の公開はしていなかった)をつけていたのですが
職場の人達に見つけられて、一緒に働いている人を傷つけてしまいました
謝って、「もういいですよ」と言われましたが
本当に一時のことで書いてはいけないと思いました
大人になってもこんなことをしてしまった私は、本当に人間失格だと思います
「炎上」に近いものを書いてしまった場合のコツ
専門家:
書き込みを消さないこと 消したいのをぐっとこらえて、まず謝る
しっかり謝って、なぜ謝っているかを説明して
最後に「みんな、指摘してくれてありがとう」と書く
この3つをやることで「この人はアホなことを書いた人」ではなくて
「アホなことを書いた後にちゃんと対処できる、反省できる人なんだな」
という情報が広がっていく
慌てて消してしまうと、それが出来なくなってしまう
炎上を慌てて消すというのは私は勧めていないです
逃げないで振る舞うことが重要ですね
書き込みの後に謝罪文を書き込む
消してしまうとお詫びをする場所がなくなってしまう
Q:最後にありがとうと言うのはどうしてですか?
「この野郎!」と言っている間は「すみません」と言っても誰も驚かない
でも「ありがとう」というのは予想外なんです
批判している人たちの手が止まる
相手の想定外のリアクションをすることで
ちゃんとこちらの話を聞いてもらうというのは
コミュニケーションのテクニックの一つです
写真もトラブルになりがち
30代の会社員 ケンスケさん(仮名)
かつてネット上に恥ずかしい写真が公開されました
今もその写真の存在に怯えているといいます
イラストにするとこんな感じ
約10年前 ケンスケさんは就職し、会社の寮に住んでいました
仕事を終えて寮に戻ると、寮に住む同期達と酒を飲んで夢や悩みを語り合う毎日
ある夜、酔って眠ってしまったケンスケさんの服を
同期たちがふざけて脱がせてしまいました
しばらくして目を覚ましたケンスケさん
裸になっていることに驚きましたが、ノリでこのポーズをとり
同期達に撮影を許したのです
翌日、ケンスケさんが同期達と入っている会員制の交流サイトにログインすると
前夜に撮影された恥ずかしい写真がグループの掲示板にアップロードされていました
しかも「公開」の設定になっていて、知らない人も見られる状態でした
ケンスケさん:
「汚い」「最低だな」みたいに知らない人からコメントが来るのがつらかったですね
Q:それをどう対処したんですか?
まずは「この画像を消してくれ」と同僚に依頼して、消してくれたけれども
他に撮っていた人が面白がってまたアップする
いつものノリ、悪ふざけでどんどん載せていくのが続いた感じですね
写真がSNSから完全に消えるまでに1ヶ月近くかかりました
それから10年
ケンスケさんは結婚し、娘も誕生
家族には過去の写真の事を一切話していません
ケンスケさん:
まだどこかにその写真が出回っているのではないかと不安です
うちの奥さん、子どもが見た時に、どんな思いになるんだろうというのが不安です
●拡散、炎上する2つの条件
専門家:
ケンスケさんの場合は、それほど心配する必要はないと思います
拡散、炎上って条件が2つあって「注目を集める」
かつ、それを「人に伝えたくなるものかどうか」
ケンスケさんの写真を我々はまだ知らないじゃないですか
ということは広まってないんです
もし将来「これパパじゃないの?」って言われたら「違う」
「顔写ってるよ」「合成だ」と言い切っていいと思います
ちっちゃな罪のない嘘ですよ これを認める必要はないです
これは同僚が悪いです
お酒を飲んだら車に乗らないのと一緒で、お酒を飲んだらSNSを絶対やらない
ろくなことがないですね
(二朗さん気をつけたほうがいいんじゃない? 本にまでなったけど
20代:
ネットには子どもの名前も顔の写真もアップしていないのに
私の友人が許可なしにアップしてしまい、ネットで拡散
友達に「消して」と頼み消してもらいましたが
未だに子どもの名前を検索すると写真が出てしまいます
どうしたらいいのかわかりません
専門家:
「子どもの顔と名前をネットに書きません」という主義の保護者の方は
一般の方でもいっぱいいらっしゃる
ただ、集合写真などを知ってか知らずか載せてしまい
「なんとかちゃん、いい笑顔だね」と書いてしまうお母さんがいるんです
気遣いするのは今は当たり前
「お子さん、顔写真あげて大丈夫だったっけ? 名前ってどうしてたっけ?」
とちょっと気遣いをするだけで良い関係を築けるのですから
ちょっと気にして欲しいと思います
これも消せます
拡散性もないので「もうやらないでね」と言えばいいと思う
いちいちみんなにそれを言うのも大変なので
先ほどのSNSのプロフィール欄のように
「うちの子は名前を載せない 顔を載せないので、皆さんよろしくお願いします」
と書くだけでだいぶ楽だと思います
小倉:載せるか載せないかという時は、周りに確認を取ることが必要ですね
40代:
小さい子を持つ母親です
このインターネット時代に子どもを育てていくのがかなり不安です
加害者及び被害者にならないように、ネットについて
どのように教育していけば良いのでしょうか?
専門家:
玄関に貼れないものは一切載せない 大げさではなくて
今までネットで問題が起きた、炎上した、友人関係が壊れた投稿で
玄関に貼れたものは1枚もない
「ちょっと変わった人だね」って思われるぐらいは構わない
でも、友達関係が崩れるとか、警察に捕まるというものは嫌ですよね
インターネットに書く時に、これ玄関に貼れるかな?
と一瞬考えるだけで、ほぼ間違いなく失敗せずに使えるようになると思います
小倉:子どもたちにどこまでわかってもらえるのか・・・
大吉:技術的にボタン一つで消える時代も来ますよね?
専門家:
ネットって世の中にどんどん近づいてくるので
うわさ話を完全に消し去ることはできないように
ネットの世界も「完全に消す」のではなくて
載ったものに対してどう振る舞うのか、ということを考える時代が来たと思うんです
華丸:
Instagram では「誰が写ってますか?」って出るときがありますよね(へえ!
通報できたりもしますしね
<メールコーナー>
近江:結構、こういうメッセージが多かったです
専門家:
これはもう本当に「表現の自由」と「業務妨害」とのせめぎ合いですね
最後は裁判できりをつけるしかないですけれども
できたらその間に入っているサイトと相談をするのは方法かと思います
専門家:
ひどいことをされたのは事実ですし、かわいそうですけどけれども
将来この子がハンディキャップを負うことはないと思います
5年後に彼と会って「大変だったね」としか思わない
問題があるのは載せた方 そんな人間信用できないですから
今は大変だと思いますが、お母さんはお子さんのことを守ってあげてほしい
「あなたは悪くない 自信を持って生きていいんだよ」と送り出していただきたい
ゲスト:やついいちろうさん、小倉優子さん
リポーター:森田洋平アナウンサー
・ドラマ『デジタル・タトゥー』
番宣も兼ねてるのか?
よく大きなライヴ会場に行くと「録音・撮影禁止」と言われて、バッグの中身までチェックされる
それなら、そのライヴ映像がニュースで流されて
自分が映りこんでいたら、どこに訴えればいいんだ?といつも思う
映って嬉しい人もいれば、イヤな人もいる
一般人には「肖像権」がないかのような扱い
今は、フツーのコが少し詳しいPCの知識でもって
見知らぬ人を数十分ネットで調べただけで
住所、職業、家族構成などが分かってしまう時代
SNSに顔を出したり、場所を言ったりする人は
意識が低いのではないかと心配になる
このPCを買う際、前のPCをどう捨てるか迷って、まだ家にある
メーカーいわく
「そのまま梱包して送っていただければ、データは消去して分解します」とのこと
そのまま「ハイ、そうですか」と言えない
もう迷惑メールやDMがたくさん来ている時点で
個人情報が漏れまくっていることは分かるけれども
PCに入っているデータは、私そのものと化しているだけに簡単に他人に渡せられない
メーカー:心配でしたら初期化していただければ・・・
それが本当に消えてないとしたら?って話だよね、このテーマ
とにかく電気でつながっているモノはすべて世界共通 『攻殻機動隊』の世界
※「アニメまとめ」カテゴリー内参照
私の財産などたかが知れてるが、私とつながる人たちにまで迷惑がかかるとなると別問題
NHKの8Kカメラで映されたら、目視では遠くかすんだものでもクリアに見えるし
衛星カメラからは、国の軍備も丸見えの時代
理想的には、すべてはみんなのモノ
今の時代はまだそんなに高度な未来じゃない
こうした番組でいくら啓発しても、意識の低い人は番組自体見ないし
犯罪抑止もプロのハッカーにかかれば
国のデータまで盗めるんだからいたちごっこには変わりない
前置きが長くなったけれども、
一応、現状がどうなのか興味があったから見てみた
●街で聞いたネットから消したい情報はある?
女性:
スポーツをやってたんですけど その成績がずっと残っていたり
写真や結構 YouTube が多い
すごく成績が悪いのも載っているので恥ずかしい
女性:
学校のお遊戯会の写真を、そのまま顔にボカシとか入れないでアップされていて
それが出回っているのが怖いなと思います
女性:前に付き合っていた人との情報は消しちゃいたい
やつい:
いろんなところで目撃情報がある おれ、福岡にいないよ、みたいな
「声かけたけど無視された」とか よくあります
文字や写真が一度ネットに上がった情報は簡単になかなか消せないので
ネット上のトラブルの相談件数が年々増えています
ネット上に誹謗中傷を書き込まれてしまって
何年にもわたって苦しみ続けている女性のケース
Aさん 70代
数年前、ネット上にAさんを誹謗中傷する内容が大量に書き込まれ
勤務先まで公開されました それが一部今でも残り続けています
Aさん:
全く身に覚えのないことで、私が死んでもそれは残る 消しようがない 辛いことです
発端は数年前
ある日 妹から電話があった
「今すぐインターネットで名前を検索して 大変なことになってるのよ」
自分の名前を検索すると「加害者の母親」とある
9か月前 Aさんが住む街で中学生がイジメを苦に自殺するという事件が起こった
Aさんはネット上でその加害者の母親だと名指しされていた
しかし全くの無関係
加害者とされた少年と苗字が同じだったため、その母親だと決めつけられたと思われます
(たったそれだけで?!
誹謗中傷はネットだけではなく、勤務先にも電話がかかってきた
<実際の電話の音声録音の記録>
「インターネットで見たんだけど 反省しろよ」
「今回のいじめのことについて聞きたいんですけどけれども 主犯格のお母さんですよね?
いい加減にしなさいよ」
「生きてる価値ないんだよ 早く死ね! 馬鹿野郎が なめてんじゃねーぞ この野郎
早く死ね ボケナスが!」
(こんな人いるんだ・・・
この録音記録は、元をたどれば誰がかけたかすぐにわかるんじゃないの?
Aさん:
これを止めるにはどうしたらいいのか
まったくこれは間違いですと大きな声で叫びたかった
Aさんは警察や法務局の「人権相談窓口」に相談しました
Aさん:
次から次に本当に驚くぐらい書かれている
どうやって消せばいいですか 教えてください
しかし「ネットの削除依頼は自分でやるしかない」と言われ
直接動いてはもらえませんでした
(ひどい・・・時代についていってないのでは?
Aさん:
いろんなアドバイスをいただいたんですけれども
「その道に詳しい弁護士さんを紹介しましょうか」とか
もちろんそんなお金もありませんし
Aさんの誹謗中傷は広がる一方 ついに脅迫状まで届きます
<実際に届いた手紙>
「自殺した子と同じことをしてやりたい」
「母親失格」
「人間失格」
「殺人犯製造機」
「人間じゃない」
「あなたの顔にも濃硫酸をぶっかける」
Aさんは警察に被害届を提出
「人権侵害」と判断し、ネットの書き込みの削除依頼を行ってくれることになりました
(ここまでされないと動けないの?
ただし、書き込みをリストアップするのはAさん その数は数百件
Aさん:
「頑張らなアカン」と言われて、頑張りましたけれども
もうこの辺で自分がいなくなればいいのかなと思ったりもしましたね(涙を拭う
多くの書き込みは消すことができたものの
すべてを削除することはできず
今でも一部はネット上に残ったままです
Aさん:
全部消して欲しいです
今のこの時代に、書くだけ書いて消せないというのは 何とかならないのか
命の危険さえ感じたとおっしゃってました
刑事事件、犯罪だと明確になれば警察は動きやすい
小倉さんは「事実じゃないのに」とおっしゃっていましたが
確認しておきたいのは、仮に何か事件と関係があったとしても
ネット上に誹謗中傷を書き込むというのは「名誉毀損」「脅迫罪」に問われることがあります
Aさんは、今でもデジタルタトゥーに苦しめられていて
自分の名前を検索で探そうとする行為だけで気分が悪くなり、吐き気がしてしまう
ここからはインターネットトラブルに詳しい専門家にもお越しいただきました
IT企業社会貢献チームマネージャー小木曽さん
Q:この VTR のように深刻な例もあったんでしょうか?
専門家:
全く同じケースの相談をいただいたこともあります
「家に火をつけてやる」とか「夜道で気をつけろ」とか
それは「犯罪予告」であり、捕まる話
ネットに書いたものを消す・消さないではなくて「被害届」を出すもの
そのような単語が出てきたら、警察に行って頂いています
●児童ポルノ、リベンジポルノ、薬物の取引に関するもの
これも警察の捜査の対象になる
(リベンジポルノって何だろう?
児童ポルノ、リベンジポルノの削除に関しましては
「セーファーインターネット協会」の「セーフライン」というものがあり
そこの相談窓口で通報や相談を受け付けています
こちらでは、本人に代わって削除要請をしてくれます
これまで、全てではないですが8割以上削除されたということです
Q:最近相談は多いんですか?
専門家:
中高生のカップルなどで、彼氏が彼女に「いやらしいのを送ってくれよ」って言って
彼女も嫌われたくないので送ってしまう
男子は周りに自慢しちゃうんですね 「俺の彼女の」って言って
チャットに載って、拡散して、親が大変なことになる みたいなこともありますし
もっとひどいものでは、変態犯罪者は、女子のふりをして近づいて
体の悩みなどを話す中で写真を送らせて、送った瞬間に豹変する
「家に押しかけるぞ」とか
これももちろん警察の案件になります(当たり前だ/怖×5000
Q:なかなか親にも言えない問題ですよね?
家族にも言えない子が私の所に連絡してくるっていうのはありますね
一方で、犯罪とは言えないような「誹謗中傷」「プライバシーの侵害」に関しては
警察が対応するのはなかなか難しい ではどうすればいいのか
東京都内 国からの委託で運営している「違法・有害情報相談センター」
ネット上の個人情報や誹謗中傷の書き込みなどに関する相談を受け付けています
この7年の間に 4倍以上に増えている 実際はもっと多いでしょうね
●違法・有害情報センター
センター長・桑子さん:
相談案件は、プライバシーの侵害など色々なことを受けているので
中についてはご遠慮いただきたい
かなり深刻な相談を寄せられているということで、中の撮影はNGでした
イメージイラスト
部屋の中では、寄せられた相談に対して
相談員がどう対処すればいいかを調べ、メールで対応しています
違法有害情報相談センターのホームページ
誰でも無料で利用することができます 詳しく見てみましょう
1.ホームページの案内に従って、まず自分の名前やメールアドレスを記入します
2.名誉毀損や、プライバシーの侵害など、どんなことで困っているのかをチェック
3.「削除したい」など、どのような対応を望んでいるのかを選んでチェックします
4.最後に相談内容を具体的に記入します
5.送信ボタンを押してセンターに相談が届く仕組みです
6.しばらくすると、センターからどうすれば削除できるのかなど、アドバイスのメールが届きます
削除依頼などのルールはサイトごとに違う
サイトに応じて、どのような内容を記入して
どこに送ればいいのかを具体的に教えてくれます
相談者本人に対して、具体的にこういう形で
削除の依頼を出してください、と案内している
削除依頼などは、原則本人が行わなければいけません
本人からの依頼を受けて、各サイトの運営者は対応を検討します
しかし、どう対応するかはサイトの判断になるため
希望通りに対応してもらえるとは限りません
さらに怖いのは拡散
削除できたと安心していても、削除しきれていないことがあります
ネットの情報はデジタルですから、コピーができて色々な所に貼り付けられる
書き込まれるということで、どんどん拡散していく
それらを探してすべての削除の依頼を出していくことが必要になる
Q:拡散先までを含めて全部クリーンにできたことはあるんですか?
正直言って、なかなかそこは難しくて どちらかと言うと少ない
こちらのセンターに相談する際、どういった情報
どういうページに載っているものなのか具体的に分からないと
なかなかアドバイスも難しいということなので
どのページに書き込みがあるのか
そのURLをしっかり記入して相談して欲しいということでした
●「表現の自由」と「名誉毀損・プライバシーの侵害」のバランス
削除するかしないかの判断が難しい 考えなければいけないのは
「表現の自由」と「名誉毀損・プライバシーの侵害」のバランスなんですね
「表現の自由」というのは、憲法で我々に保障されている権利
ネット上でも自由に表現するのは許されています
でも、どんな表現でもいいかというとそうではありません
その表現が「名誉毀損・プライバシーの侵害」にあたると認められれば
こちらに重きが置かれて削除が認められる
あたらないと判断されれば削除されない
このバランスの判断を各サイトの判断者はその都度行っている
各サービスには「利用規約」がありますから
それに反しているかどうかでしか判断できない
(まあ、あんな細かいものいちいち読まないよね・・・
どれだけ権利侵害だ、名誉毀損だと言われても
最終的に裁判所が判断するところ 事業者が判断できない部分なんです
書いたことには「責任」が生まれる
大事なのは、「表現の自由」を行使する瞬間に「責任」が生まれるということです
正義はあなたが決めるんじゃなくて裁判所というのを結構皆さん忘れてます
(「2ちゃんねる」なんて誹謗中傷だらけの魑魅魍魎の世界だけれども
あれは削除されないんだろうか?
それだけ需要と共有のバランスがとれているのか?
小倉:
自分のことを発信するのは自由だと思うんですけれども
他人のことをネットに書くのも「表現の自由」になるんですか?
専門家:
自由かどうかは個別で争っていかなければいけない
自分で消さなきゃいけないと言いましたけれども
自分で消す「権利」があるんです
自分が書いたことを誰かが「消せ」と言っったり
国が「消せ」と言ったらそれはそれで問題
微妙なところをいちいち裁判所で争うという構図になっています
近江:
毎回裁判するのは結構な労力とお金がかかりますよね
まずは書き込むときに「責任を負う」ということですか?
専門家:
みんなそれを忘れてるんです
書いたことに責任があるということを忘れて「これは正義だ」と言っている
それでも書き込まれてしまって、サイトで削除されなかった場合
法的手段、弁護士に頼るという方法もあります
気になる費用
弁護士によっても異なりますが、河瀬さんの場合
1ページ削除するのに10万円から!
「仮処分」
裁判所で訴訟を起こさずに迅速に判断を下してもらう手続きは30万円~
より複雑な事案で「裁判」になると50万円~
自分が払うが、裁判の結果次第で戻ってくるお金もある
(これ、ぼったくりじゃなくて?!驚
専門家:
全てを消そうとか、裁判所だとお金もかかるし、きりがない
だから一番たちの悪いやつに狙いをつけて集中的に潰す
それをみんなに見せて焦らせるというのは有効だと思います
裁判をしますよ 損害賠償も請求できますから
それがニュースになったり、話題になると「抑止力」につながるという方法もある
事前に全部消すことはできないし、お金も続かないので
<視聴者のエピソード>
20代:
高校の時、いじめが原因で一時「登校拒否」をしていたのですが
3年後ぐらいに同期から「登校拒否してたんだよね?」と言われてびっくりしました
ネットで自分の名前を検索したら、学校名から
当時使っていた携帯番号まで書かれており、詳しい内容まで書かれていました
茨城県30代:
中学時代の友人の卒業アルバムの写真がネットに載っていました
見てみると、某有名人の中学時代の写真として「整形疑惑!?」として紹介されていた
身近に起きていて、とても怖いと感じた
近江:
自分の写真とか携帯番号が勝手に掲載されていたら、その削除依頼はできますか?
専門家:
実害が伴うもの、事業者が利用規約に違反していると思えば削除できます
個人情報の書き込みは、たいていSNSの利用規約で「禁止事項」なんです
割と早く対応できます
●自分が書き込んでしまってトラブルが起きたケース
関東に住む30代のマリさん(仮名)
子育ての情報を集めるためにSNSを使い始め、ネット上のママ友が80人いました
そこでトラブルを起こしてしまいました
2年前 マリさんは同じSNSで2つ目のアカウント
いわゆる「裏アカウント」を作りました
メンバーは80人のうち特に親しい4人だけ
メインでは言えないママ友たちの不満や悪口を書き込んでいました
マリさんは、きつい性格だと感じていたあさこさんに対する陰口を呟いていました
「3歳の子どもにまたファストフード 子どもがかわいそう」
「子どもの写真またアップしてる そんなに可愛くもないのに」
マリさん:
「塩っぽいもの食べさせていることが多いよね」とか
「炭酸飲ませるのも早いよね」とか
やっぱりストレスが溜まっていたのかちょっと楽しかったですね
1ヶ月後
メインのアカウントにあさこさんがあるつぶやきを投稿していました
「裏アカ見ました 影でコソコソ悪口言って
言いたいことあるならはっきり言えばいいのに」
4人しか見ていないはずなのに、なぜ知られてしまったのか?
実は裏アカメンバーの1人がマリさんの書き込みをあさこさんに見せてしまい
筒抜けになってしまった(悪いことは言えないねえ
マリさん:
ドキッとしました 傷つけると思ってやっていなかったんですけど
やばい、傷つけたと思って 本当に悪いなと思って 今は反省しています
ゲスト:昔は本当に陰で言っていたことが、今は証拠として残ってしまう
専門家:
裏アカは絶対にばれます
よくご相談いただくんです 「裏アカなのに漏れてる」「ウイルスが・・・」
とか言われるんですけれども、あなたのお仲間が流してるんです
大人が裏で何か言ってる内容なんて面白いに決まってる
だから絶対誰かが持っていく
何か書き込むたびたびにリアルタイムで流れていくんです
小倉:「内緒ね」って言っても内緒じゃないですもんね
マリさんは反省しながらも、またこの書き込みが
どこかで出回ってしまうのではないかという不安も抱えています
やつい:自分のことが言われているかもしれませんもんね
ネットへの安易な書き込みによって「慰謝料の支払い」にまで発展したケース
ありがちなケースを考えてもらいました
40代のある主婦は、高校の同級生がテレビに出ているのを見ました
「美人セレブ経営者」として取り上げられているのが面白くないと感じ
匿名の掲示板に「夫は犯罪者 目や鼻を整形」など、適当な悪口を書き込みました
しかし、ある日突然、自分が書き込み主であることを調べられてしまい
名誉毀損にあたると裁判を起こされ、慰謝料を請求されます
その額は100万円 女性は借金をして慰謝料を払いました
専門家:
100万円は安いほうです
もしその方のビジネスなどに影響が出ていたら数百万では済まないかもしれない
匿名で書いてもバレます
この手続きをすれば分かるという仕組みがありますから
●ネットの適切な使い方
普段から小中学校を回って講演をしていらっしゃる小木曽さん
その内容を教えていただけますか?
専門家:
これは、東京・渋谷のスクランブル交差点
インターネットに何かを書くということは
この交差点で情報を掲げるのと全く同じ
自分は友だちにだけ見せているつもりが、全員振り向くからね
これを大人に置き換えればこうなる
仕事の内容や上司の悪口などはこうして掲げないですよね、という例え
玄関の写真
ネット上に情報を書き込むということは
玄関の外側の扉に張り紙を貼るようなこと
本人は誰が書いたか分からないつもりかもしれませんが
ネット社会では、どこに住んでいる誰なのか
すぐに特定されてしまう可能性がある
今までネガティブな投稿で身元がばれなかったということはないです
本当に些細な情報をすり込んだ景色とかで分かる
大事なのは、身近な人が全員が味方ではない
個人が特定されるケースで、近しい人から詳細な情報が流れる
というのはよくあるパターン
それも知っておくべき情報だと思います
<視聴者からのメール>
30代:
先日、Instagram のママ友の投稿に
女の子どもたちがお風呂に入っている写真を
顔などを隠さず載せていて目を疑いました
そして驚いたのは、コメント欄に
「楽しそう うちでもまたお泊まりしようね」など
投稿に対して好意的な書き込みしかなかったこと
学校に相談して、SNSへの書き込みについて注意喚起してもらいました
親のほうが危機感がないのはとても危ないことだと思います
40代:
私は12年前に約4年間 ネット掲示板の「削除依頼」の作業の仕事をしていました
日々たくさんの削除依頼がありましたし
闇金融や援助交際募集など様々なものも削除しますが
次から次へと書き込みがあり、はっきり言って作業が追いつきませんでした
すべてを削除するのは不可能だと思います
奈良県20代:
今の職場で不満が溜まり Twitter で呟いてしまいました
鍵アカ(一般の公開はしていなかった)をつけていたのですが
職場の人達に見つけられて、一緒に働いている人を傷つけてしまいました
謝って、「もういいですよ」と言われましたが
本当に一時のことで書いてはいけないと思いました
大人になってもこんなことをしてしまった私は、本当に人間失格だと思います
「炎上」に近いものを書いてしまった場合のコツ
専門家:
書き込みを消さないこと 消したいのをぐっとこらえて、まず謝る
しっかり謝って、なぜ謝っているかを説明して
最後に「みんな、指摘してくれてありがとう」と書く
この3つをやることで「この人はアホなことを書いた人」ではなくて
「アホなことを書いた後にちゃんと対処できる、反省できる人なんだな」
という情報が広がっていく
慌てて消してしまうと、それが出来なくなってしまう
炎上を慌てて消すというのは私は勧めていないです
逃げないで振る舞うことが重要ですね
書き込みの後に謝罪文を書き込む
消してしまうとお詫びをする場所がなくなってしまう
Q:最後にありがとうと言うのはどうしてですか?
「この野郎!」と言っている間は「すみません」と言っても誰も驚かない
でも「ありがとう」というのは予想外なんです
批判している人たちの手が止まる
相手の想定外のリアクションをすることで
ちゃんとこちらの話を聞いてもらうというのは
コミュニケーションのテクニックの一つです
写真もトラブルになりがち
30代の会社員 ケンスケさん(仮名)
かつてネット上に恥ずかしい写真が公開されました
今もその写真の存在に怯えているといいます
イラストにするとこんな感じ
約10年前 ケンスケさんは就職し、会社の寮に住んでいました
仕事を終えて寮に戻ると、寮に住む同期達と酒を飲んで夢や悩みを語り合う毎日
ある夜、酔って眠ってしまったケンスケさんの服を
同期たちがふざけて脱がせてしまいました
しばらくして目を覚ましたケンスケさん
裸になっていることに驚きましたが、ノリでこのポーズをとり
同期達に撮影を許したのです
翌日、ケンスケさんが同期達と入っている会員制の交流サイトにログインすると
前夜に撮影された恥ずかしい写真がグループの掲示板にアップロードされていました
しかも「公開」の設定になっていて、知らない人も見られる状態でした
ケンスケさん:
「汚い」「最低だな」みたいに知らない人からコメントが来るのがつらかったですね
Q:それをどう対処したんですか?
まずは「この画像を消してくれ」と同僚に依頼して、消してくれたけれども
他に撮っていた人が面白がってまたアップする
いつものノリ、悪ふざけでどんどん載せていくのが続いた感じですね
写真がSNSから完全に消えるまでに1ヶ月近くかかりました
それから10年
ケンスケさんは結婚し、娘も誕生
家族には過去の写真の事を一切話していません
ケンスケさん:
まだどこかにその写真が出回っているのではないかと不安です
うちの奥さん、子どもが見た時に、どんな思いになるんだろうというのが不安です
●拡散、炎上する2つの条件
専門家:
ケンスケさんの場合は、それほど心配する必要はないと思います
拡散、炎上って条件が2つあって「注目を集める」
かつ、それを「人に伝えたくなるものかどうか」
ケンスケさんの写真を我々はまだ知らないじゃないですか
ということは広まってないんです
もし将来「これパパじゃないの?」って言われたら「違う」
「顔写ってるよ」「合成だ」と言い切っていいと思います
ちっちゃな罪のない嘘ですよ これを認める必要はないです
これは同僚が悪いです
お酒を飲んだら車に乗らないのと一緒で、お酒を飲んだらSNSを絶対やらない
ろくなことがないですね
(二朗さん気をつけたほうがいいんじゃない? 本にまでなったけど
20代:
ネットには子どもの名前も顔の写真もアップしていないのに
私の友人が許可なしにアップしてしまい、ネットで拡散
友達に「消して」と頼み消してもらいましたが
未だに子どもの名前を検索すると写真が出てしまいます
どうしたらいいのかわかりません
専門家:
「子どもの顔と名前をネットに書きません」という主義の保護者の方は
一般の方でもいっぱいいらっしゃる
ただ、集合写真などを知ってか知らずか載せてしまい
「なんとかちゃん、いい笑顔だね」と書いてしまうお母さんがいるんです
気遣いするのは今は当たり前
「お子さん、顔写真あげて大丈夫だったっけ? 名前ってどうしてたっけ?」
とちょっと気遣いをするだけで良い関係を築けるのですから
ちょっと気にして欲しいと思います
これも消せます
拡散性もないので「もうやらないでね」と言えばいいと思う
いちいちみんなにそれを言うのも大変なので
先ほどのSNSのプロフィール欄のように
「うちの子は名前を載せない 顔を載せないので、皆さんよろしくお願いします」
と書くだけでだいぶ楽だと思います
小倉:載せるか載せないかという時は、周りに確認を取ることが必要ですね
40代:
小さい子を持つ母親です
このインターネット時代に子どもを育てていくのがかなり不安です
加害者及び被害者にならないように、ネットについて
どのように教育していけば良いのでしょうか?
専門家:
玄関に貼れないものは一切載せない 大げさではなくて
今までネットで問題が起きた、炎上した、友人関係が壊れた投稿で
玄関に貼れたものは1枚もない
「ちょっと変わった人だね」って思われるぐらいは構わない
でも、友達関係が崩れるとか、警察に捕まるというものは嫌ですよね
インターネットに書く時に、これ玄関に貼れるかな?
と一瞬考えるだけで、ほぼ間違いなく失敗せずに使えるようになると思います
小倉:子どもたちにどこまでわかってもらえるのか・・・
大吉:技術的にボタン一つで消える時代も来ますよね?
専門家:
ネットって世の中にどんどん近づいてくるので
うわさ話を完全に消し去ることはできないように
ネットの世界も「完全に消す」のではなくて
載ったものに対してどう振る舞うのか、ということを考える時代が来たと思うんです
華丸:
Instagram では「誰が写ってますか?」って出るときがありますよね(へえ!
通報できたりもしますしね
<メールコーナー>
近江:結構、こういうメッセージが多かったです
専門家:
これはもう本当に「表現の自由」と「業務妨害」とのせめぎ合いですね
最後は裁判できりをつけるしかないですけれども
できたらその間に入っているサイトと相談をするのは方法かと思います
専門家:
ひどいことをされたのは事実ですし、かわいそうですけどけれども
将来この子がハンディキャップを負うことはないと思います
5年後に彼と会って「大変だったね」としか思わない
問題があるのは載せた方 そんな人間信用できないですから
今は大変だと思いますが、お母さんはお子さんのことを守ってあげてほしい
「あなたは悪くない 自信を持って生きていいんだよ」と送り出していただきたい