メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

考える絵本6『子ども・大人』

2013-01-21 17:37:03 | 
考える絵本6『子ども・大人』(大月書店)
野上暁、ひこ・田中/文 ヨシタケシンスケ/絵

「考える絵本」シリーズの監修者である野上暁さんと、ひこ・田中さんが文を書いている。
子どもと大人の言い分を描くことによって、ひいては「生きる」ことそのものの哲学や、
最近考えていた「インナーチャイルド」のことまでリンクした心理学にも通じるものがあった。

ヨシタケさんのイラストがいちいち面白くて味わい深い。
1カットでいろんなことを語りかけ、問題提起してくる。
これを家族や学校で読めば、大人は子どもに対して、子どもは大人に対して、
もっと“寛大”になれるんじゃないかな?w


【内容抜粋メモ】

「“考える”って、一人ですることみたいだけど、他の人と意見を交換しあいながら深めていくものなんだよね」

子ども「大人はズルい」
「子どもなんだから早く寝ろ」って言ったり、「もう子どもじゃないんだから、自分で早く起きろ」って言ったり

でも、「子どもは大人になれる」けど、「大人は子どもにもどれない」


子どもにいろいろ押しつける人もいる。
自分も子ども時代にそんなふうにされたから、そうするのが大人の役目だと思いこんでいるのかな。


大人だって「できたら一日中遊んでいたい!」って思う。
でも、子どもにはいつも「勉強しろ」って言う。
それは、たくさんの「なぜ」の答えを知るため。自分の気持ちをちゃんと言葉で言うため。

でも、やっぱり腹がたつこともある。
したくないことをさせられそうな時、イヤなのはわかっているのに、うまく伝える言葉を知らなくて。
どうしていいか、わからない

答えをテレビやネットから探そうとしたり、皆は知ってて、自分だけ知らないのか?て布団にもぐっている子どもはわたしと同じだ。


どうしようもない気持ちになったら、そんな自分から逃げてもいいんだよ。
きみがこれから出会う悩みや怒りや痛み、それをぜんぶ解決しなければ次へ進めないわけじゃない。
きみがダメだと思ったら、きみがダメだと感じたら、
考えこまずに、ひとまず逃げてしまえばいい。
そう決めるのも、「考える」なんだ。

 
山登りは、休み休みいろんなことしながら登ったほうが楽しい。
急いで頂上に着いたって寂しいし、つまんないし、体によくない。



  

ゆっくり、ゆっくり、考えつづける、大人になればいい。



【あとがきメモ】
子どもって、一人では生きてはいけないから、保護者や社会の影響をものすごく受けてしまう。
でも、何か不満があっても、なんとか楽しいことも探すし、工夫もする。
そうした強さが子どもには元々あるのね。
だから、その強さがしおれないように!って、いつも思っている。
「考える」力っていうのは、そのためのミネラルみたいなものかな。

 

コメント    この記事についてブログを書く
« 考える絵本7『しあわせ』 | トップ | 考える絵本5『悪』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。