【THE BIG ISSUE VOL.332】
私は南方熊楠さんも好きで、先日、企画展を観たけど、いまいち分からなかった粘菌の世界
今回の記事を読んで、なんてフシギな生物なんだ!と驚いた
・「南方熊楠-100年早かった智の人-@国立科学博物館(2018.2.14)
脳がないのに、意識のあるような動きをしたり、
たくさんの性をもつって、こないだの「LGBT」の話とリンクしたり
・「東京レインボープライド2018」@代々木公園イベント広場
昔からヒトと違う体液をもつ虫類や、全部透けて何もなさそうなのに生きているクラゲたちとか
とてもフシギだと思っていたけど、まだまだいろんな生きものが地球にいるんだなあ!
【内容抜粋メモ】
変形菌は、粘菌とも呼ばれる単細胞生物
3人の方に「変形菌」について聞いた
■単細胞生物として進化を極めた「変形菌」 川上新一さん
『変形菌入門』川上新一 (著) 新井文彦、髙野丈 (写真)
「日本変形菌研究会」
「変形菌」は、世界に900種以上、日本に500種以上が生息
アメーバ、、変形体、子実体、胞子と姿を変えることで環境に適応し、何億年も生き続けてきた
DNAの研究が進んだ今は「アメーバ動物」の仲間と考えられている
倒木や落ち葉、土の中のバクテリアを食べ、
水分が多い場所では鞭毛を出して泳ぐこともある 鞭毛でエサをとっている説もある
「変形菌の性」
1つだけ、オス・メス、7つあるものも見つかっている/驚
「変形菌」のライフサイクル
「変形体」
性別の異なるアメーバ同士が接合して数cm以上になることもある
脳はなく、細胞の表面で受けた刺激がネットワークを通して情報交換される
“自立分散型システム”の生きものと言われる
小さいアメーバ、カビ、キノコ、酵母などを食べることがある
体外に消化酵素を出し、分解したものを吸収する
「変形体」がほかのアメーバと違うのは、DNAを収めた核だけが分裂して増えていく
細胞は分裂せず、身体だけ大きくなるところ
気温の低下、乾燥などの変化にも臨機応変にふるまう
「休眠体」となり、活動を休止することもできる
砂漠、南極でも発見されたことがある
「変形体」が成長し、エサがなくなり、乾燥すると、胞子のつまった「子実体」に変わり、美しいものが多い
バクテリア、菌類は、森の落ち葉、倒木の分解者
「変形菌」がそれらを食べて、分解スピードをゆるめているのかもしれない
南方熊楠の功績は、日本で見つかる「変形菌」の種類をまとめた目録を作ったこと、
「ミナカタホコリ」など新種をいくつも見つけたことなど
川上さん:
山、公園に行き、大きな倒木、落ち葉のある場所で、じっくり探してみてください
先入観のない子どものほうが大人より見つけてくれたりする
私は一心不乱に探していると、雑念が消えて、坐禅をしているような感覚になる
■5歳で「変形菌」に出会い、6歳から飼育 7歳から研究を始めた 増井真那さん(16)
「変形菌」ファンは宝石のように美しい「子実体」の人気が高いが、マナさんは「変形体」派
温度変化が苦手な「変形菌」の管理が難しい季節は、天気予報を常に確認し
ワインセラーなどで温度調節し、タッパー60箱の「変形菌」と暮らしている
「変形菌」との出会い
赤ちゃんの頃から食虫植物、多肉植物、キノコが大好きだった
テレビでみた「変形菌」を実際に見てみたいと、母親と公園に行ったが見つからず
母親がネットで調べた「日本変形菌研究会」のフィールドワークに参加し
自分で見つけられるようになって以来、ずっと「変形菌」と暮らしている
毎日の世話は2時間 エサはオートミールを与え、
タッパーの底には培地としてキッチンペーパーを敷いている
古いキッチンペーパーから広がる「イタモジホコリ」
いろいろな方向に身体を伸ばし、ほかの変形体に触れるとビックリして急に引き返すおっちょこちょいもいる
排泄物で培地が汚れたら、エサで誘導し(驚)、汚れた部分を切り落としていく
新しいキッチンペーパー完全に下りてくれるまでに早くて1日かかる
世話を続けるうちに、匂いで調子の良し悪しも分かるようになった(!
マナさん:ボクが連れてきたからには、元気で長生きしてほしい
<マナさんは年に1度論文を発表>
「変形体」は夜も眠らず、1時間に1cm程度しか動かない
1個体を2つに分けてもまたくっつくフシギな生きもの
同じ種類でも、産地が違うとくっつかない場合も多い
透明でネバネバした「粘液鞘」で互いが相手を判断していることに気づいた
自分の情報を拡散し、非接触の自他認識をするという第3の役割を発見した
国内の学会に発表し、海外の論文誌への投稿にもチャレンジしている
『世界は変形菌でいっぱいだ』増井真那(著)
■粘菌がつくる“賢いネットワーク”は知の原型 中垣俊之さん
2度「イグ・ノーベル賞」を受賞
“1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディーである。”(ウィキ参照
最近AIのニュースが増えた しかし、知性、賢さって一体何だろう?
その謎を探り、中垣さんは30年近く粘菌と付き合ってきた
脳、神経が存在せず、環境の変動に応じて戦略的に動く
脳による「中央司令的」ではなく、「自立分散型」な行動は、「知の原型」を感じさせる
<粘菌は迷路を解けるか?>
迷路の入り口と出口にエサを配置したら、最短経路に身体を引き上げた
中垣さんは、この研究で2008年「イグ・ノーベル賞」を受賞
<粘菌で関東の鉄道網を作る>
今度は関東圏の主要な都市30ほどにエサを配置し、粘菌を放った
中垣さん:
ボクは人間社会が作った鉄道網は不合理なものに違いないと思っていた
利益誘導する大物がいて、あるべき鉄道網を歪めているんじゃないかと
だから、粘菌が作った合理的な鉄道網を持って国交省に行くつもりでしたw
だが、粘菌が作った鉄道網は、現実のものとソックリだった
どこかの管が断線してもつながりを保てるよう、「耐故障性(保険)」を表現した
中垣さんの最新の実験は、いくつかの街の地形情報に基づく仮想空間をつくり
粘菌がどう広がるかコンピュータで再現するもの
中垣さん:
主だった街がほとんど同じ位置に現れる
人の集住地がどうできるかは、地形、気候などが大きいというのが作業仮説
<粘菌のためらい>
細長いレーンの途中に毒物のキニーネを塗ると、
粘菌はしばらくためらうように止まるのが観察される
その後、1.引き返す、2.乗り越える、3.一部は乗り越え、一部は引き返すという行動をとる
人間の意思決定とよく似ている
<私たちに必要な賢さとは?>
中垣さん:
個体と集団の齟齬をいかに埋めるか、だと思う
生物は、個体の生存と、犠牲を払ってでも集団の益を優先する、2つの方向性で揺れる
人間が社会的な圧力・権力とどう折り合いをつけるか?
社会はどんな規範をよしとするか?という問いかけと関係してくる
『粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う』中垣俊之著
***
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”
[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない
[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする
[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している
■東田直樹著 ビッグイシューの2冊
NHKのドキュメンタリーが大反響
『自閉症の僕が飛び跳ねる理由(THE REASON I JUMP!)』が、イギリス、アメリカ、カナダでベストセラー
『社会の中で居場所をつくる』
『風になる』
※定価1600円(税込)の800円が販売者の収入になります 路上、通信販売もあります
【ブログ内関連記事】
「ボブとジェームズ、東京へ行く」@ビッグイシュー
「猫のボブが私をホームレスから一人の人間にしてくれた」@ビッグイシュー
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(A Street Cat Named Bob)』(2016 ネタバレ注意)
ホテルのご予約はビッグイシューで
「年間購読のお願い」@ビッグイシュー
売り切れていた316号もウェブサイトで購入可能にv
私は南方熊楠さんも好きで、先日、企画展を観たけど、いまいち分からなかった粘菌の世界
今回の記事を読んで、なんてフシギな生物なんだ!と驚いた
・「南方熊楠-100年早かった智の人-@国立科学博物館(2018.2.14)
脳がないのに、意識のあるような動きをしたり、
たくさんの性をもつって、こないだの「LGBT」の話とリンクしたり
・「東京レインボープライド2018」@代々木公園イベント広場
昔からヒトと違う体液をもつ虫類や、全部透けて何もなさそうなのに生きているクラゲたちとか
とてもフシギだと思っていたけど、まだまだいろんな生きものが地球にいるんだなあ!
【内容抜粋メモ】
変形菌は、粘菌とも呼ばれる単細胞生物
3人の方に「変形菌」について聞いた
■単細胞生物として進化を極めた「変形菌」 川上新一さん
『変形菌入門』川上新一 (著) 新井文彦、髙野丈 (写真)
「日本変形菌研究会」
「変形菌」は、世界に900種以上、日本に500種以上が生息
アメーバ、、変形体、子実体、胞子と姿を変えることで環境に適応し、何億年も生き続けてきた
DNAの研究が進んだ今は「アメーバ動物」の仲間と考えられている
倒木や落ち葉、土の中のバクテリアを食べ、
水分が多い場所では鞭毛を出して泳ぐこともある 鞭毛でエサをとっている説もある
「変形菌の性」
1つだけ、オス・メス、7つあるものも見つかっている/驚
「変形菌」のライフサイクル
「変形体」
性別の異なるアメーバ同士が接合して数cm以上になることもある
脳はなく、細胞の表面で受けた刺激がネットワークを通して情報交換される
“自立分散型システム”の生きものと言われる
小さいアメーバ、カビ、キノコ、酵母などを食べることがある
体外に消化酵素を出し、分解したものを吸収する
「変形体」がほかのアメーバと違うのは、DNAを収めた核だけが分裂して増えていく
細胞は分裂せず、身体だけ大きくなるところ
気温の低下、乾燥などの変化にも臨機応変にふるまう
「休眠体」となり、活動を休止することもできる
砂漠、南極でも発見されたことがある
「変形体」が成長し、エサがなくなり、乾燥すると、胞子のつまった「子実体」に変わり、美しいものが多い
バクテリア、菌類は、森の落ち葉、倒木の分解者
「変形菌」がそれらを食べて、分解スピードをゆるめているのかもしれない
南方熊楠の功績は、日本で見つかる「変形菌」の種類をまとめた目録を作ったこと、
「ミナカタホコリ」など新種をいくつも見つけたことなど
川上さん:
山、公園に行き、大きな倒木、落ち葉のある場所で、じっくり探してみてください
先入観のない子どものほうが大人より見つけてくれたりする
私は一心不乱に探していると、雑念が消えて、坐禅をしているような感覚になる
■5歳で「変形菌」に出会い、6歳から飼育 7歳から研究を始めた 増井真那さん(16)
「変形菌」ファンは宝石のように美しい「子実体」の人気が高いが、マナさんは「変形体」派
温度変化が苦手な「変形菌」の管理が難しい季節は、天気予報を常に確認し
ワインセラーなどで温度調節し、タッパー60箱の「変形菌」と暮らしている
「変形菌」との出会い
赤ちゃんの頃から食虫植物、多肉植物、キノコが大好きだった
テレビでみた「変形菌」を実際に見てみたいと、母親と公園に行ったが見つからず
母親がネットで調べた「日本変形菌研究会」のフィールドワークに参加し
自分で見つけられるようになって以来、ずっと「変形菌」と暮らしている
毎日の世話は2時間 エサはオートミールを与え、
タッパーの底には培地としてキッチンペーパーを敷いている
古いキッチンペーパーから広がる「イタモジホコリ」
いろいろな方向に身体を伸ばし、ほかの変形体に触れるとビックリして急に引き返すおっちょこちょいもいる
排泄物で培地が汚れたら、エサで誘導し(驚)、汚れた部分を切り落としていく
新しいキッチンペーパー完全に下りてくれるまでに早くて1日かかる
世話を続けるうちに、匂いで調子の良し悪しも分かるようになった(!
マナさん:ボクが連れてきたからには、元気で長生きしてほしい
<マナさんは年に1度論文を発表>
「変形体」は夜も眠らず、1時間に1cm程度しか動かない
1個体を2つに分けてもまたくっつくフシギな生きもの
同じ種類でも、産地が違うとくっつかない場合も多い
透明でネバネバした「粘液鞘」で互いが相手を判断していることに気づいた
自分の情報を拡散し、非接触の自他認識をするという第3の役割を発見した
国内の学会に発表し、海外の論文誌への投稿にもチャレンジしている
『世界は変形菌でいっぱいだ』増井真那(著)
■粘菌がつくる“賢いネットワーク”は知の原型 中垣俊之さん
2度「イグ・ノーベル賞」を受賞
“1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディーである。”(ウィキ参照
最近AIのニュースが増えた しかし、知性、賢さって一体何だろう?
その謎を探り、中垣さんは30年近く粘菌と付き合ってきた
脳、神経が存在せず、環境の変動に応じて戦略的に動く
脳による「中央司令的」ではなく、「自立分散型」な行動は、「知の原型」を感じさせる
<粘菌は迷路を解けるか?>
迷路の入り口と出口にエサを配置したら、最短経路に身体を引き上げた
中垣さんは、この研究で2008年「イグ・ノーベル賞」を受賞
<粘菌で関東の鉄道網を作る>
今度は関東圏の主要な都市30ほどにエサを配置し、粘菌を放った
中垣さん:
ボクは人間社会が作った鉄道網は不合理なものに違いないと思っていた
利益誘導する大物がいて、あるべき鉄道網を歪めているんじゃないかと
だから、粘菌が作った合理的な鉄道網を持って国交省に行くつもりでしたw
だが、粘菌が作った鉄道網は、現実のものとソックリだった
どこかの管が断線してもつながりを保てるよう、「耐故障性(保険)」を表現した
中垣さんの最新の実験は、いくつかの街の地形情報に基づく仮想空間をつくり
粘菌がどう広がるかコンピュータで再現するもの
中垣さん:
主だった街がほとんど同じ位置に現れる
人の集住地がどうできるかは、地形、気候などが大きいというのが作業仮説
<粘菌のためらい>
細長いレーンの途中に毒物のキニーネを塗ると、
粘菌はしばらくためらうように止まるのが観察される
その後、1.引き返す、2.乗り越える、3.一部は乗り越え、一部は引き返すという行動をとる
人間の意思決定とよく似ている
<私たちに必要な賢さとは?>
中垣さん:
個体と集団の齟齬をいかに埋めるか、だと思う
生物は、個体の生存と、犠牲を払ってでも集団の益を優先する、2つの方向性で揺れる
人間が社会的な圧力・権力とどう折り合いをつけるか?
社会はどんな規範をよしとするか?という問いかけと関係してくる
『粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う』中垣俊之著
***
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”
[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない
[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする
[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している
■東田直樹著 ビッグイシューの2冊
NHKのドキュメンタリーが大反響
『自閉症の僕が飛び跳ねる理由(THE REASON I JUMP!)』が、イギリス、アメリカ、カナダでベストセラー
『社会の中で居場所をつくる』
『風になる』
※定価1600円(税込)の800円が販売者の収入になります 路上、通信販売もあります
【ブログ内関連記事】
「ボブとジェームズ、東京へ行く」@ビッグイシュー
「猫のボブが私をホームレスから一人の人間にしてくれた」@ビッグイシュー
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(A Street Cat Named Bob)』(2016 ネタバレ注意)
ホテルのご予約はビッグイシューで
「年間購読のお願い」@ビッグイシュー
売り切れていた316号もウェブサイトで購入可能にv