メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少女・世界推理名作選集 4 旅行かばんの秘密 マーガレット・サットン/作 金の星社

2023-07-27 12:02:11 | 
1962年初版 1989年第24刷 塩谷太郎/訳
ブック・デザイン/依光隆 カバー・イラスト/小林与志 挿画/野々口重


「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください



少女の名探偵ものがアメリカにはたくさんあることが分かった

友だちや家族に協力してもらったりする構成も同じで
どれも面白くて、サラサラと読めるのがイイ


【内容抜粋メモ】

登場人物
ジュディ・ボルトン ファリングドン女子高生の少女探偵
ハニー(グレース・ダブス) ジュディの親友

ホレース ジュディの兄 かけだしの新聞記者
ピーター ハニーの兄

ジーン・ハミルトン
ベティ、マージ ジーンの姉

セルマ 上グローブ街に住む少女
弟ラフル、妹ロザリー
父ウォルター

ブラッディ夫婦 セルマの祖父母
エルマー ブラッディの息子



■第一部 みぞの中の男

●新聞記事
医師の娘で少女探偵のジュディは、ペンシルバニアの国立公園でサンドイッチを食べながら
かけだしの新聞記者の兄ボレースの書いた記事を読む

“感謝祭後の日曜日に老夫婦の金婚式を祝う不意打ちパーティーが催される”

“ハミルトン家に賊が入る 相次ぐ盗難事件と同一犯人か”





ベティ、マージ、ジーン・ハミルトンからその話を聞くと
網戸に穴を開けられて、財布や、銀食器などが盗まれた

バード警部が4人の容疑者を取り調べ中
ケリー署長はジュディの父の親友


●カバンの中の声





みすぼらしい格好の2人の男が来て、余った食べ物を分けてくれと言う
2人が持っていたカバンからフシギな声を聞く

ジュディとハニーは最後のバスに乗り遅れて、道路を歩いていると
さっきの茶色いカバンが捨ててあり、溝の中に男が1人倒れている





迎えに来たホレースとピーターに見てもらうと、殴り倒されたと話す
男を乗せて、ベントン丘のみすぼらしい家まで送る

ポストから金婚式をやるブラッディ夫婦と分かる


●青い毛糸
ホレースはハミルトン家の網戸にひっかかっていた青い毛糸を証拠品として持ち帰った

ジュディの家を挟んで、上流階級の住むグローブ街と
工場で働く貧しい人たちの住む上グローブ街に分かれている

ジーンは上グローブ街に住むセルマと仲良くなり、姉や親から止められる


■第二部 あやしい男たち

●ブラッディ夫婦
ジュディはジーンと一緒にセルマの家を訪ねると
美しいお母さん、ラルフという男の子、ロザリーという女の子がいて
すっかり好きになる

ロザリーは大切な人形イバァンジェリンがさらわれたことを話す

ジュディはセルマの祖父母がブラッディ夫婦と知り
溝に落ちた男とカバンの秘密を調べるために
金婚式の準備を手伝うことにする

セルマは霊の声が聞こえるという祖母を恐がっている

アーサーの飛行機に乗っていくと、トウモロコシの小屋にぶつかってしまう
読み書きが出来ないと聞いていた祖父母の家に
雑誌が置いてあるのを見てフシギに思うジュディ

ベッドで寝ていたジュディの顔の上を鎖につながれた動物が通る
飼い犬ブレーブのものではない





祖母はセルマの父ウォルターが無実の罪で刑務所に入って1か月経つと教える

怠け者のエルマー叔父は新たな商売を始めると言って
ピクニックで食べ物をねだった2人組が鍛冶場に来る
もう1人は証拠品と同じ青いセーターを着ている

商品として並べているのは、これまで盗まれた銀食器などだと分かる


■第三部 名探偵ジュディ

●金婚式
庭に並べたイスにブラッディ夫婦が座り
なにやら手紙をやりとりしているのを
祖父の弟ステファンが見てフシギに思う





ピーターらがセルマ家族を連れて来ると
祖母はウォルターが刑務所に入っていることを話す
今回の金婚式はウォルターの発案と知ると、夫婦は満足して笑顔になる

ブラッディ夫婦の書いていた手紙には
「ばかなわしを、ゆるしておくれ」
「あなたを愛していますよ」とある

2人は結婚前に手紙のことでケンカになり
そのまま意地を張っていただけだった

祖母の霊の力はウソで、セルマの母がエルマーに書いた手紙を読んで
金婚式について知っていた

余興でセルマは父を思わせる発明家を演じ
ジュディは疑り深いダウト老人を演じる

ジュディ:自分の心に感じることを、そのまま信じるのが一番賢いことなんだわ

エルマーの店に例のカバンが売られていて
ホレースが買うとV字のキズがある

トウモロコシ小屋から鎖につながれた白イタチが出てきて
ジュディが聞いた物音や足音がこの動物だと分かる


●絶交
12月になり、セルマとジーンを家に呼ぶと
ジュディがエルマーを疑っていると知り
婦人警官て大嫌いと言って去る2人






傷ついたジュディをなぐさめて、ウォルターに会ってみれば分かると言うピーター
家に来たケリー署長に頼んで面会の許可をもらう

刑務所は動物園のような檻を想像していたが
気持ちよさそうなベッドがあり
廊下でトランプをしている姿を見て考えを変える

ウォルターに会うと、彼が溝に落ちた男と分かり驚く

ブラッディ夫婦を訪ねた日に、警察に呼び止められ
カバンから銀器が出てきて驚いた
説明しても信じてもらえず逮捕された

似たカバンが2つあり、どろぼうらは警察に追われてすりかえたと推理する

カバンからのフシギな声の正体は、ロザリーの人形
ウォルターは人形に「ママ」という声を付けたら
「なあ、おい」と聞こえる


●謎解き
エルマーの店にどろぼう一味が集まった所にウォルターも連れていく署長
エルマーは一味が古物商だと言ったのを信じて売っていたため
今回は罪を問われずに済んだ

セルマの家族は父と再会を喜び合う
ロザリーはイバァンジェリンも犯人逮捕に協力したと思う

ウォルターの発明が認められて、月給が上がったため
家族に買ったお土産をカバンに詰めていたのが
盗品の入ったカバンとすりかえられた

エルマーは鍛冶場をおもちゃ工場にして真面目に働くことを約束する

ホレースは新聞の見出しを考え、全員の集合写真を撮る









この物語について
本書の原題は「スーツケースの声」

マーガレット・サットン
アメリカの作家 「ジュディ・ボルトン・ミステリー」が大人気

アメリカには主人公の少女の名前を冠した推理小説のシリーズがたくさんある
キーン「ナンシー・ドリュー・ミステリー」
アレン「コニー・ブレイア・ミステリー」など


殺人やピストルの撃ち合いなどの血生臭い事件は出てこない
少女向きの読み物として、明るい生活、美しい友情を描いている


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