メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ジュニア・ベスト・ノベルズ15 ねらわれたスミス リアン=ガーフィールド 岩崎書店

2024-05-27 14:11:35 | 
1974年初版 亀山龍樹/訳 小林与志/画

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ここ数年、もしかすると数十年読んだものの中で
一番面白く、引き込まれっぱなしで一気読みした

ミステリー小説ばかり読んでいた時期の
シャーロック・ホームズと並ぶか、それ以上かもしれないな

こんな素晴らしい名作が初版のみで図書館の閉架扱いなのは
なんとも残念な話

目の前で老人が殺されるのを見てから
茶色い男2人組と義足の男に狙われる少年

黒幕は予想もつかない意外な人物で
書類の秘密を知った時は全身に寒気が走った

盲目の判事、牢獄の老人、追いはぎの先輩、2人の姉たち
さまざまな魅力的なキャラクターが周囲を彩る

まるで演劇を観ているように、目の前で繰り広げられるストーリーに何度も感動して
本を読む愉しさを全身で味わった

文盲の少年と盲目の判事はどちらも文字が読めないことを思うと
当たり前に読めることに感謝した

レオン・ガーフィールド(ウィキ参照



【内容抜粋メモ】

登場人物
スミス 12歳 すりで生計を立てている少年
ブリジェット 長姉
ファニイ 次姉 殿様トムが好き
殿様トム 追いはぎ いつも緑色の服を着ている

マンスフィールド 盲目の判事
ミス・マンスフィールド 21歳

ビリング 若くてハンサムな弁護士 ビリング&レナード法律事務所
メグ 下働きの女中

英雄悪党ディック・マルローン
ジョーンズ しばり首役人

フィールド氏 ブリックラーズ・ヒルに住む老紳士


●カーティス・コートの殺人
12歳のスミスは天然痘も縛り首のロープも追いつけないほどのすばしこいすりの少年
お気に入りのラドゲート・ヒルの薄暗い路地を時々姿を消しながら歩いてカモを探す

田舎の老紳士がまさにポケットをふくらませてフラフラと歩いているのを見つけて尾ける
中庭のカーティス・コートに着いて、通りかかった一瞬で懐をからにした

小路から茶色の服を着た2人が来て、背にナイフをひと突き
老紳士は死の間際、びっくりした表情を見せた







足を引きずる音がして、なにかを必死に探しても見つからないとひと悶着ある
スミスが持っているモノを探しているらしい
それは書類で、スミスは文字がまったく読めなかった



●書類の中味は?
スミスはいかがわしい居酒屋・赤獅子亭の地下室のねぐらに戻る







2人の姉ブリジェットとファニイに事情を話す
姉たちは絞首台で死んだ死刑囚の服を仕立て直す仕事をしている
ブリジェットは書類を告訴状だと言い、ファニイは財産に関するものだと言って意見が割れる

ブリジェット:
ニューゲートへ行くんなら、書類は置いてきな
わたしゃなんだか、おまえが危ない目に遭いそうな気がするんだ



●おいらに字を教えておくれ
ニューゲート監獄には重罪犯たちが入れられている
しばり首役人ジョーンズから仕立て賃3シリングをとりたてて
拘置場にいる借金を背負っている連中の使い走りが日課

書類を読むために字を教えてもらおうと思いついて頼むが
白イタチ:無学のままがいいぞ そして災難には近寄るな

教会の牧師にも頼むが、誰も相手にしてくれない

スミスのねぐらに殿様トムが来ている
いつも緑色の服を着て、冒険がすべてだと手柄話を披露し
彼を尊敬するスミスと、好意を寄せているファニイはうっとり聞き惚れる

ブリジェットが事情を話すと、読んでやると言うが
自分を“出世”させてくれる書類を渡すのがイヤで牧師に預けたとウソをつく

殿様トム:
茶色の服の2人組はずっとおまえを尾けている
だが、おまえにはオレという守り役がついてるんだ









●追われる夜のできごと
2人組はスミスを尾けるが、あまりのすばしこさに2時間半も追跡して、すっかり疲弊する
スミスは書類を失敬したハンカチに包んで持ち歩く

切るような寒さの中を歩く盲目の紳士マンスフィールドを
バイン街の自宅まで送る手助けをする
家が火事になった時に失明し、妻も亡くしたと話す








●めくらの判事の屋敷
自宅に着くと夕食をすすめ、泊まるよう言う
娘のミス・マンスフィールドはスミスを見て迷惑顔になる
マンスフィールド:娘は聖女だよ

2人は殺されたフィールド氏の事件について話す
マンスフィールド:めくらのわしには悪魔も天使も見分けがつかん

スミスは屋根裏部屋をあてがわれる








馬やの世話をさせる前に、生まれてこのかた風呂に入ったことがないスミスを洗う下男たち






部屋に戻ると、慌てて書類を隠したシーツが片付けられていて
汚れていたため焼いたと聞いてショックで固まる



●書類がなくなった
昨日まで元気だったのに、すっかりもぬけの殻と化したスミスを見て
病気かもしれないと医者を呼ぶが分からず

下働きの女中メグはスミスがホームシックになっていると思い
上等のビールを飲ませる

シーツを熱湯で消毒した時、ハンカチに書類を挟んであったから
マンスフィールド氏の書斎の引き出しの一番下に入れたと話す
弁護士のビリング&レナード法律事務所宛てだった

若くてハンサムな弁護士ビリングは、ミス・マンスフィールドを愛していて
しょっちゅう訪ねて来る

スミスは元気を取り戻したのを見て、得意になるメグ

メグ:
おっかさんは言ったっけ 良心のない頭はなんの役にもたたないんだよ
1ファージングあげたっていいよ

その夜、ミス・マンスフィールドは父の書斎から妙な音がするので見に行くと
スミスが書類が見つからずに絶望している







ミス・マンスフィールド:父のものを盗もうとしたりして、これがお返しなの?
スミスの絶望した様子を見て同情し、今回だけは目をつむると約束



●わたしが見たのはこいつです
スミスはミス・マンスフィールドから字を習うことになり狂喜する
知り合いのパン屋を見つけて、2人の姉に
自分は出世の途中で、そのうち連絡するとことづけを頼む

ミス・マンスフィールドはスミスとビリングを会わさないよう注意していたが
ある日、たまたますれ違うと、ビリングは真っ青になる

ビリング:この少年がフィールド氏を刺しました 私は見たのです!








●弁護士のふしぎな取引
スミス:おいらはやっちゃいない! 聖書に誓うよ! 茶色の服を着た2人の男だったんだ

弁護士を信じた屋敷の連中は手の平を返したようにスミスを罵倒する
「いやらしい小さなヘビめ!」

スミスは頼りのマンスフィールド親子にも疑われて絶望する
ミス・マンスフィールド:私は責任を感じています ビリングさんのお指しず通りに
メグ:わたしゃ、おまえさんに会いに行くよ

スミスはニューゲート監獄に入れられる
ビリング:あれを私によこすんだ、小僧 私たちは友だちになれるだろう







●ニューゲート監獄
英雄悪党ディック・マルローンがあと2週間で死刑になる予定で
ファンが大勢、毎日集まっている

牢の暖炉をねぐらにしている老人は、半分をスミスに譲る

老人:
そう居心地の悪いものでもないぞ、小スズメ
これ以上低い所へ落ちる気づかいはないからな

2人の姉が面会に来て、スミスは無実を訴えるが、法律が相手じゃどうにもならない

殿様トムもマルローンに敬意を表して来たついでにスミスを励ます
殿様トム:殿様トムがついているからにゃ、まだ光明はあるぜ

ビリングは毎日のように来て、スミスから書類のありかを探る

ビリング:
われわれはみんなネズミだ 食うか、食われるか
この世の仕組みをなじって、私を責めるのはよせ


木の義足のブラック氏が黒幕にいて、あの書類は大金になる
ありかを教えてくれたら、分け前をやると交渉する








●悪魔はバラ色のほおをして
♪おさばきの四日目に いとしいおかたが送ってくれた
4人の墓堀り坊さんと 3人の祈りのくそ坊主
2頭の馬が車をひいて ニレにさがった罪人ひとり

暖炉の老人:あれはわしのせがれじゃ!

メグが約束を守って会いに来て、同情する

スミス:書類を持ってきてくれたら縛り首にならずに済むんだ!

暖炉の老人:おまえさんの心にしたがうんだ

メグ:
おっかさんの声だったよ
おっかさんはもう死んだけど、今も私に話しかけてくる
“おまえさんの心にしたがうんだよ”ってね








●メグの失敗
雪が降り積もると、ニューゲート監獄を訪ねる者は減る
ビリングは書類を盗んでくれるなら、スミスが風車から脱獄する手はずを整えると約束
役人の1人に格子の錠を外すようワイロを渡した

メグが来て、書斎にいた時、屋根裏部屋から音がして悲鳴を上げたら
茶色の服を着た2人が逃げて行ったと話す

スミス:あんたはおいらの命を救ってくれた!

マンスフィールド親子がやって来て、スミスを助けてやりたいと涙を流す
マンスフィールド:メグが書類について話した わしはこの書類をレナード氏に渡すつもりだ
スミス:奴らはあんたを殺しちまうよ! あんたはとんまなめくらだ!



●脱獄 気をつけるんじゃぞ
朝の6時 暖炉の老人は背中をのぼれと言う
スミス:あんたも一緒に来ないかい?
暖炉の老人:ここがわしの家だ 幸せにな そして気をつけるんじゃぞ・・・







漆黒の闇で上ってるのか下ってるのかも分からなくなる
傷だらけになって、ようやく空が見えたと思うと
茶色の服を着た2人が待ち伏せている







ぺてんにかかった!と思った矢先、風車が回りはじめ
監獄の礼拝堂に落ちる

ディック・マルローンの縛り首を見に群衆が詰めかけ
中に2人の姉がいて、ブリジェットのスカートの中に隠れて脱獄する



●殿様トムとともに出発
2人の姉のもとにディック・マルローンの服が来る
しばり首役人ジョーンズが父のために仕立て直しを頼んだため

殿様トム:われらはコモンへ向かおう!



●相棒の裏切り
マンスフィールドが馬車でブリックラーズ・ヒルへ向かうのが一目で見える宿屋に行く
亭主は殿様トムを大喜びで迎える







殿様トムはちょっとした用で近くの別の宿屋へ向かう
望遠鏡で見ると、茶色の服を着た2人にへいこらしている殿様トムが見えた








スミスは馬車からマンスフィールドを引き出し、雪の中へ隠れる
茶色の服を着た2人は御者を撃ち、中がからっぽで悪態をつく

スミスは盲目の判事の手を引いて、6キロ先のブリックラーズ・ヒルまで歩きだす







●はげしい雪の長い一日
途中で判事の手を離すが、良心が戻り、また手をつなぐ
暖かな暖炉のある家に入ると、治安官と妻が迎えて、台帳に事件を詳細に書く







マンスフィールドは指名手配されているスミスを友人のジョーンズだとウソをつく
御者もここで介抱されていた



●老紳士はなにを発見した?
マンスフィールドはスミスに書類を渡して読ませる
フィールド氏がレナード弁護士に宛てた手紙で

自分の命が狙われていることを知り、ある恐ろしい発見が関わっていて
“取るに足らないもの”は、ある場所に埋めてあり
アンドリューズに聞けば、息子ジャックが子どもの頃に遊んでいた場所を教える”とある








●木の義足の男
従僕アンドリューズが迎え入れ
レナードは出かけていて、昼に戻ると教える







屋敷はフィールド氏が亡くなって間もないのに荒れ果てている
妹ケート・フィールドと子どもたちは遺産が欲しくて
どうしても金が必要なことを訴える

ケート:ジャックはろくでなしでした あの子は死んだほうがよかったんです わが家の悲劇ですわ

ジャックは20歳で姿を消したのが12年前
今は墓地に妻とともに眠っている

スミスはガマン出来ず、マンスフィールドに止められても
アンドリューズに場所を聞くと、墓地にある黒い彫刻の天使のそばと分かる

墓地に行ったスミスを追うマンスフィールド



●黒い天使像のそばで
墓地に来た木の義足の男はジャック!
フィールド氏は息子がまだ生きていると知った
スミスはこの世の堕落の深みを覗いた気がする

ビリングが来て、2人の会話が聞こえてくる

ジャック:お前は俺に父を殺させたんだ 来るのはアンドリューズだと言って

ビリング:
我々は生きていかなきゃならない
この世のせいだよジャック
我々はこの世を変えることはできない

茶色の服を着た2人はまたもや失敗し、書類は手に入らなかったし
判事を殺せなかったと報告し、影に隠れたスミスとマンスフィールドを見つける

殿様トムが間に入り、スミスの尊敬を失ったと分かり
自らの誇りのために茶色の服を着た男を1人撃ち殺す







ブラック氏が殿様トムを撃って、ビリングとともに逃げる
アンドリューズはブラック氏を撃ち殺す

マンスフィールドは瀕死の殿様トムと握手を交わす
スミスは泣いた 友だちが死んだので



●命がけの配達もおわり
レナードがミス・マンスフィールドを連れてやって来る
黒幕はビリングだったと今はもうみんな知っていた

マンスフィールド:あの人はどんな人だったのかね?
スミス:大した人でした 緑色の目をしていたよ

書類をレナードに渡し、墓堀りの男が黒い天使像の場所を掘るのを遺産相続人らが見つめる
旅行かばんの中に金貨がどっさり詰まっていた
スミス:王さま、ばんざい!







姉のもとに戻り、1万ギニーで召使いがたくさんいる屋敷に引っ越そうと夢を語る
マンスフィールド氏も連れて来て、ブリジェットは慌てる







ビリングはレナードの事務所に来て、逃げた茶色の服の男の居場所を言う代わりに
罰が軽くなるようとりはからってもらう

ニューゲート監獄に3年の刑期となるが
暖炉の老人が足の鎖でビリングの頭を砕いた
彼はジョーンズ氏の父だったため、精神病院に送られずに済む

スミスはバイン街でマンスフィールドのかけがえのない友人として一緒に暮らす
ミス・マンスフィールドは若い紳士に出会って結婚

ブリジェットとファニイは宮廷御用達の仕立物師として店を出した

殿様トムはコモンを見下ろす墓の下に眠っている
彼が自慢したターピン、ロビンソン、デュバルら勇ましい仲間たちと同じように



あとがき

リアン・ガーフィールド
『ジャック・ホーバン』
『霧の中の悪魔』
『ブラック・ジャック』
『少年と猿』
『キャプティンの時計』
『少年鼓手』
『コービット氏の幽霊』
『アデレイド事件』
『階下の幽霊』


ターピン、ロビンソン、デュバルは実在の人物
当時ははした金を盗んでもかんたんに死刑にされた

本書はピカレスク(悪漢小説)ではないが
金持ちや紳士・淑女が威張っていた時代
追いはぎに小気味よさを感じた社会での物語






コメント

黒猫が家を探して歩く【 Little Kitty, Big City 】@ゲーム実況 トイレットペーパーさん

2024-05-27 13:52:58 | ゲーム
[完結]Little Kitty, Big City:ネコ! /ᐠ .ᆺ. ᐟ\ノ ネコ!

第1話


つづき


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意

シチョー
昼寝をするためのお手伝い





カメレオン
自分では完璧に擬態していると思っているけれどもバレバレ
ヒントを出して、隠れ、見つけ出すクエスト










サカナ
サカナを探して食べると、蔦をのぼれる力が増える








アライグマ
町のあちこちにあるマンホールをつないでワープできるネットワークを作った








柴犬
外で飼われてるイヌが全員柴なのがステキ♪
今どき見ないような骨をあげると夢中になって
そこの道を通れるようになる






虹色のテニスボールを探してきて欲しいと頼まれる







カブトムシ
スマホがコンクリート漬けになって困っていたため
通行人を転ばせて、新しいスマホをあげる
→旧スマホをもらい、写真が撮れるようになる








有名な美猫タッフィーに振り回されてヘトヘトになっていて
黒猫さんがもっと休んだほうがいいとアドバイスする







カモのお父さん
4羽の子ガモとはぐれてしまって探して欲しいと頼む
代わりに町の地図をくれるけど、手書きでちょい分かりにくい










帽子のガチャ
キラリを集めると帽子と交換してくれる






コンビニ
妹のラムネを連れ戻してほしいと頼まれる
町のボス猫を倒す!と言って出たきり







動物たちがときどき話す“ゲックー”とは?
高層ビルにつけられたトカゲの飾り???








家に帰る
高層ビルにもよじのぼれるようになって
これまで会った動物たちと再会していくのもステキ

飼い主さんは黒猫が迷子にならないよう首輪をつけてくれる
ここで初めてプレイヤーは名前をつけてあげる









トイレットペーパーさんはこのネコがとっても気に入って
あの『Stray』もいいけど、こっちのネコのほうがカワイイってべた褒めしてた




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