メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少女名作シリーズ39 コルネリの幸福 ヨハンナ・スピリ 偕成社

2024-05-22 16:56:26 | 
1974年初版 1982年 第10刷 富沢有為男/編著
山下一徳/カバー図案 武部本一郎/カバー絵・口絵・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


『ハイジ』の作者と知って納得
『北風と太陽』のように、厳しいばかりでは子どもを萎縮させ
褒めて自由に伸ばすことで、本来の性質と美しさが現れることが分かる

それにしても、少女向け小説はとくに美しいことが美徳みたいに強調されてるのが気になる
出てくるヒロインはみんな美少女でなくてもいいと思うけど

父がお金持ちだったり、貴族だったりする設定も同様



【内容抜粋メモ】

登場人物
コルネリ 3年前に母を亡くした
フリードリッヒ 父 鉄工場の主人
マルタおばあさん コルネリの母の乳母

ハルム夫人 ジノの母 夫は亡い
ニカ 姉 絵描きを目指す
アグネス 妹 音楽家を目指す
ジノ 体が弱い少年 12歳
ムク 末っ子 5歳



●あかるい少女
スイスのイレルバハ村
大きな鉄工場の主人の一人娘コルネリは、毎日、勉強が終わると
亡き母の乳母だったマルタおばあさんを訪ねて、お喋りするのが日課










マルタおばあさんは2階の部屋を下宿人に貸そうと思い
コルネリは新聞に広告を出すのを手伝う








●ジノ少年
ハルム夫人の家に後見人が訪ねてくる
長女ニカは絵が上手、妹アグネスは音楽が得意だと話すが
生活に実際役立つ裁縫の勉強をさせたほうがいいと忠告する
後見人:もっと手堅い仕事を志すよう仕向けなければいけません








ジノの体が弱っているのを心配して、1か月ほど転地させようと思ったハルム夫人は
マルタおばあさんの広告の場所をすすめる








●町からきたお客さま
父はコルネリの教育としつけのため、いとこのドルナーさんを呼ぶと
友だちのグリデーレンさんとともに来る
父:私が忙しすぎて、育て方まで手が回らない








父は翌日から仕事で旅行に出る
ドルナーらは、コルネリが食事時間に遅れたり、髪や服が乱れているのを指摘し
大好きな子ヤギと遊ぶことを禁止する








●角がはえる
ソファに靴の泥あとがついているのもコルネリのしわざと怒るが
実は女中がしたこと

自分のせいじゃないと言い張るコルネリに強情だと叱り
ドルナー:そんなに額にシワを寄せていると、角が生えてきますよ と脅す







コルネリはそれを信じ込み、頭にハンカチを巻いたり、髪を垂らして隠すようになり
次第に元気がなく、歌もうたわなくなる


●やさしい少年
ジノはマルタおばあさんからコルネリのことを聞いて
母が亡いことに同情し、早速友だちになろうとして
髪をあげたほうがいいと言うが、角が生えてると思い込んでいるコルネリ








●マルタのしんぱい
家に来なくなったコルネリを心配したマルタおばあさんはコルネリを訪ねる

コルネリ:
私、あの男の子が嫌い あの人も私のこと、どうせ嫌いに違いないもの
私はいっそ死んじまいたいのよ

ジノ:
君はなにかもっと別なことを考えるといいと思う
同じことばかり考えるから、ますますそういう気がしてくるんだよ







古い鍋が冷蔵庫に、古い洗濯釜はキレイな茶釜になろうとして後悔して
結局は壊れてしまったお話を聞かせると
コルネリはまたマルタおばあさんの家に来るようになる

ジノは学校が始まれば、家に帰らなければならないと聞くと、また落ち込んでしまう
毎年、夏に来ると約束して、ジノは帰ってしまう







父が旅行から帰り、すっかり変わってしまったコルネリを見てガッカリする
ドルナーらは、恐ろしく強情でどうにもならないと匙を投げる

父:あんな小さな子どもを罰するなんて、私にはとても考えられない







ドルナーは町の学校に入れる提案をして、グリデーレンとともに引き上げた
コルネリ:きっといい子になるから、私を家に置いてちょうだい!

どうにもならず、マルタおばあさんに相談し、コルネリはマルタおばあさんを訪ねる

マルタおばあさん:
私は昔、たった1人の子どもを亡くしたことがある
今日のあなたよりもっと泣きましたよ
私は神さまにお祈りしました
どうぞ、私をお救いくださいって

コルネリは額から角が消えるよう祈る









●ジノをたずねて
ジノはまた体調を崩して、コルネリに見舞いに来てほしいと手紙を書いてきた

ジノの家庭は立派だから、コルネリにもいい影響があるだろうと思い
父はコルネリを置いて、自分はホテルで泊まる

末っ子のムクがコルネリに夢中になり、姉がたまに泣いていることを教える
コルネリは共感して同情する










●コルネリの歌声
ムクのために歌うと、アグネスは夢中になって褒めるので嬉しくなるコルネリ









ジノの回復をお祝いするために、髪をとかそうとすると拒む
ハルム夫人:あなたはその人たちの言葉を間違えて受け取っているのよ
ハルム夫人に髪をあげてもらうと、みんなから美しいと褒められる








1年間、2人の姉と同じ学校に通うことになる

アグネス:あと1年で大好きな音楽を止めて、裁縫師にならなければならないの と激しく泣く


●なつかしいわが家
美しい故郷をみんなに見せたいと父に手紙を書くと
夏休みに一家で遊びに来るよう返事がくる

すっかり美しくなったコルネリを見て感激する父
父:そのまま成長したら、美しくて優しかったお母さんと同じになれるよ
ハルム夫人にもあつくお礼を言う












ハルム夫人:生まれながらのよい性質があったのですわ

ニカは周りの美しい風景をさかんに写生し、父も感心する


●みんな、しあわせに
父の誕生日、アグネスとコルネリは歌い、ニカは油絵をプレゼントする

アグネスが音楽を止めたくない理由を話すと
父はこの地に音楽学校を建てて、労働者の子どもたちに教えて欲しいと伝え

ニカも絵の勉強に通い、ジノは乗馬の練習、ムクには土地の管理人を任せて
ハルム夫人もこの家で子どもたちの勉強をみてほしいと頼む








■解説

ヨハンナ・スピリ
1827年 フィルツェル村生まれ
父は村の医者で、スピリはのびのびとした明るい家庭で育つ
25歳で結婚、子どもを産むが亡くなり、夫も亡くした
小説を書きだしたのは43、44歳の頃
『ハイジ』は7年かけて書き上げ、世界の注目を得た

今作でも、堅苦しい教育がどれほど人間を喰らい気持ちにさせ
少女をいじけさせるか、まっすぐな愛情、大自然が救うことを強く訴え
美しいアルプスの自然を背景に描いている
父兄をはじめ、大人の人にもぜひ一度読んでいただきたい優れた作品

その他
『羊飼い少年モニ』
『ビウンウイ』
『マツリ』

1901年 74歳で死去


コメント

映画『すずめの戸締まり』(2022)

2024-05-22 16:21:31 | 映画
監督:新海誠

登場人物
岩戸鈴芽:原菜乃華 母は看護師だった
宗像草太:松村北斗 閉じ師として日本中を旅している
環:深津絵里 叔母 教師
岡部稔:染谷将太 教員
海部千果:花瀬琴音
芹澤朋也:神木隆之介 草太の友だち
ほか



NETFLIXで観た
これも映画館で観てたらパニック発作が出る系/汗
世紀末ぽくない話はないのか?

声優のアニメ声が気になった
神木くんも参加してたのは気づかなかった/驚


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意
野原を押し分けて母を探して歩く少女すずめ
大人の女性が来て、目が覚める現在のすずめ

尾道ぽい坂道
前から来る青年の美しさにみとれる
青年:このあたりに廃墟はない? 扉を探しているんだ

門波リゾートの古い温泉街を教える
すずめ:あなたとどこかで会ったような気が・・・

水たまりの真ん中に扉がある
ドアを開けると夢に出てきた草原が見える

キツネみたいな石の像を持ち上げると命が宿って逃げる

スマホの地震速報が鳴る
山からどす黒い煙が出てるのがすずめだけに見える(きもちわるい
行ってみるとさっきの扉から出てる

青年は呪文を唱え、扉を閉めて、カギをかける
青年:要石はどこへ行った? なぜミミズが見えた? ここで見たことは忘れろ

腕から血を出してる青年を家で介抱する
青年:要石で封じないとまた地震が起きる

やせぎすの野良猫に魚をあげる
猫:すずめ、やさしい、すき お前はジャマ

草太は子どものイスに変えられ、ネコを追いかける

フェリーに乗るネコとイスとすずめ
ルパンみたいな音楽かかってた

フェリーは翌朝、愛媛に到着する予定
廃墟の石像が要石でネコになって逃げだした
要石を元に戻せば呪いはとける

ネコはいろんな所で写真に撮られてSNSにアップされて
“だいじん”てニックネームがつけられる
動くイスもバズってる

みかんをばらまいたチカを助ける

こっちの山にもミミズが出る
チカがオートバイに乗せてくれる

廃校の中に扉がある
目を閉じて、ここで暮らしていた人々のことを考えて
カギをかけるとミミズは消えて雨で浄化される

ネコ:後ろ戸はまた開くよ

チカが働いている温泉に泊まるすずめ
すずめ:あのイスはお母さんの形見なんだ



テレビにだいじんが映ってる
そうた:気まぐれは神の本質だからな

雨が降り、神戸行きのバスは6時間後
心配した女性がクルマに乗せてくれる(こういう親切な人になりたいなあ

山に閉園した遊園地がある
女性がスナックで働く間、子ども2人の面倒をみる

すずめの家出を心配して教員仲間のみのりに相談
スマホのGPS機能?で神戸にいることが分かっちゃう

子どもたちが寝て、店を手伝ってと言われる
店にだいじんもいる

遊園地からミミズが出てる
後ろ戸になった観覧車にカギをかけるすずめ

だいじんを追ったそうたが電圧器をつけて
観覧車が動きだし、母の姿を追って落ちそうになり
そうたが呼びかけてカギをかける

そうた:君には常世が見えるんだ すべての時間が同時にある場所

スナックで泊まる
そうたは大学卒業したら教師になる予定
海辺で凍っていく夢を見て、すずめに起こされる



新幹線で東京へ
そうたのアパートに寄る

もう1つの要石は東京のどこかにある
だいじんはその扉を開けようとしているのかもしれない

そうた:近くに入院している育ての親に聞くしかない
友人・せりざわが来て、2万円返して欲しいと言う

せりざわ:
教員採用試験に来なかった 4年間の努力がパア
自分の扱いが雑で腹が立つ

地震速報が鳴り、近くにミミズが見える
お茶の水の中央線のトンネルの中?
もう1つ目の要石が抜けた

だいじん:要石はお前だ

イスが凍る
だいじん:ミミズが落ちるよ 地震が起きるよ
(神さまがそんなことをするかな?

要石を刺してミミズを止める
だいじんはすずめを守って皇居の堀に落ちた

母がイスをDIYして誕生日プレゼントにくれた夢を見る
目覚めると地中の底

だいじんはすずめに嫌われて、やせぎすに戻る
階段を上がるとトンネルに出る



そうたが話していた祖父を訪ねる

祖父:
そうたはこれから何十年もかけて要石になっていく
孫の思いを無にしたいのかい?
あなたは幼い頃に常世に迷いこんだのだろう
その時の後ろ戸を探すことだ

そうたのアパートで制服に着替えて出るとせりざわがクルマに乗せる
たまきが来て、せりざわに騙されてると思ってついて来る

カーラジオからユーミンが流れてる ジブリリスペクト?
♪ルージュの伝言

母が亡くなったのはすずめが4歳の時

次は聖子ちゃん♪スイートメモリーズ

♪夢の中へ


大谷海岸

たまき:どんなに心配してるか!
すずめ:それが私には重いの!!

たまき:
10年も育てて、コブつきじゃ結婚もできなくて、わりにあわん!
私の人生返してよ!

大きな黒猫の“左大臣”が現れ、たまきは後悔してせりざわに泣きつく

♪けんかをやめて

せりざわ:猫は理由もなくついてこない よっぽどしてほしいことがあるんじゃないの?
左大臣:その通り

クルマが壊れて、あと20kmを走っていくというすずめを
自転車に乗せて走るたまき

たまき:ようするに、好きな人の所に行きたいんでしょ?



家はもうない
庭を掘ると子どもの頃に埋めたカンが出て来る

日記帳の3月11日の後は真っ黒に塗りつぶされている

だいじんが扉を教える
扉の先はミミズがはびこっている
左大臣は白猫?になってミミズと戦っている間にそうたのもとへ走る

すずめ:私が要石になるよ!

そうた:もっと生きたい!

すずめがイスにキスしてそうたを助ける
ひと昔前は王子さまがヒロインを助けてたよね

だいじんは要石に戻る
そうたは呪文を唱えると昔の暮らしが聴こえる

そうた:命はかりそめ それでも一時だけでも私たちは長らえたい!

2人で要石を刺して止める



幼い頃の自分を追ってたのは自分(そんな気がした
すずめ:私、ほんとは分かってたんだ
(インナーチャイルドのトラウマか

すずめ:
今はどんなに悲しくても、すずめはこの先大きくなる
未来なんて怖くない
今は真っ暗闇でも、いつか必ず朝が来る
それはちゃんと決まってることなの


大事なものはずっと前に全部もらってたんだ

戸にカギをかける

「いってきます」



再会を約束して別れる2人

道中で出会った人々に会って、日常に戻る
母と同じ看護師を目指しているすずめ

学校の同じ道でそうたとあっさり再会


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