1971年初版 新谷行/訳 矢吹申彦/ケース・イラスト
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
作家は心理学も学んでないと登場人物の複雑な心理の変化を描くことはできないな
とくに10代の心理は複雑すぎて、読みにくい部分も多々あった
アメリカの女の子って10代でBFがいるのが当然みたいな文化が今も昔もある感じ
こういう女子トークに乗っかっていけないとはじかれる習慣は私も違和感を感じる
これだけ偶然が重なったらもう必然なのでは?
占いが胡散臭かったとしても、非科学的な事象はあると思う
物わかりのよすぎる大人に対する苛立ちは、このシリーズの『長かった週末』でもあった
子どもを心配する気持ちは自然で、それを抑制するほうが不自然に思える
とにかく、相手が誰であってもお金の貸し借りはトラブルのもとだな/汗
【内容抜粋メモ】
登場人物
マリアンヌ 15歳
パメラ叔母・ステファン叔父(精神分析学者)
アリス
ジョシー
クリスチーヌ ジョシーの妹
ビリー
アラン ビリーのBF
マーク
マリアンヌは休暇を叔父夫婦の家で過ごすために海辺の町ブライトンに来ている
5年前に家族と来た時はいい思い出がたくさんあったはずなのに退屈な日々
友人アリスは病気の話ばかりしている
ウールワースの店で働いているジョシーとの会話も子どもっぽいと思う
マリアンヌがBFに興味がないと言うとホルモンがおかしいと言われ
お小遣いが週に5シリングしかもらってないことに嫌味を言われる
叔父は精神分析学者、叔母は家庭訪問で忙しく
マリアンヌは何度も読んだ『ジェーン・エア』を読み返し、没頭することで現実を忘れる
2人は「自由放任主義」がモットーで、マリアンヌの生活に口出しするのを抑えている
なにか質問しても、質問で返してきて、はっきりしないのがモヤモヤしている
*
友人ビリーはアトランタ夫人の占いにハマっていて
言われたことが全部当たっていたと興奮して話す
BFのアランとの関係を終わらせて、美容師のキャリアや舞台に立つ夢を伸ばすかどうか迷っている
他の3人も占ってもらおうと、それぞれ相談したい事柄をメモして渡す
マリアンヌはここで友だちができるかどうかを聞いた
*
マリアンヌが町をぶらついていると古本屋がある
アーサー・ランサムに目が止まる(!
『秘儀研究』という本には、あらゆる占星術や魔術のやり方が書かれていて興味を持つが
お金が足りずにその場を去る
叔母と映画館に行き、ジェームズ・スチュアートの映画『ノー・ハイウエー』を観て感動する
(気になるな 『No Highway in the Sky』
ジョシーの家を訪ねて、妹クリスチーヌと会って好印象を受ける
*
3人はアトランタ夫人の占いを受ける
マリアンヌは一番安い手相を見てもらい、以前、病気で長く臥せっていたことや
想像力豊かで、時に厄介を巻き起こすことなどを当てられて驚く
いかさまっぽい感じがないことも意外だと思う
さらに知りたければ水晶占いがあるが1ポンド持っていないのを知り
ジョシーはいつ返してもいいからと貸してくれる
*
また古本屋に行き、借りたお金で『秘儀研究』を買ってしまう
そう話すと、ジョシーはさらに1ポンド快く貸してくれる
誘惑を退けるほどの強い意志があればいいのにと後悔する
アトランタ夫人は水晶を覗き、近いうちにBFができると話す
アトランタ夫人:あなたも習練次第で別の世界に入って見ることができるのよ
帰り道、アランに声をかけられ、ダンスに誘われてOKしたことで
アランを好きなアリスが不機嫌になる
水族館で耳をつんざく大音量の音楽がかかり、マリアンヌはアランと夢中で踊る
アラン:君はかわいいね
酒を飲むのも断り、家まで送ってもらい、キスを迫られても断るが
アランはまた会いたいと言って別れる
*
翌日、アランと連絡しようがないことに気づき
本当にまた誘ってくれるか心配になる
『秘儀研究』を見て、会いたい人から便りが来る方法に羊皮紙が必要で
なけなしのお金で文房具屋でニセモノを買い、骨董品屋で本物を買う
針で指を刺して血で名前を書いて、かまど代わりのボイラーにくべると
アランがもう玄関で待っていて、今夜また会おうと約束する/驚
化粧品の講習にふらっと入るとアリスがいる
ジョシーから借りたお金を早く返したほうがいいとプレッシャーをかけて
ビリーからアランを奪ったと皮肉る
ジョシー:
2度目に借りたお金は、アリスから借りたもので
マリアンヌに貸したと話したら、すぐ返して欲しいと言われた
私たちは、あなたがアランと出かけたことをよく思ってない
彼はビリーのBFなのを知ってるでしょ?
ビリーは別れたいと言っていたが、それは本気じゃなかったことなど
マリアンヌは知らなかったと弁明しても誤解は晴れないまま
マリアンヌはアリスを殺したいほど憎み、叔母からろうそくを持ち出して
アリスの人型につくり、針を頭部分に刺す(!
*
アランは自慢のバイクにマリアンヌを乗せて寒い中スピードを出して
クルマにぶつかりそうになってケンカになる
ショックのマリアンヌを気遣うことなく、クルマを買う話に夢中
映画館で待ち合わせようと約束する
映画館の場所が分からず、通りかかったクリスチーヌに教えてもらう
ジョシーは片頭痛のアリスを見舞いに行ったと聞いて
魔術が効いて殺してしまったではないかと怯える
クリスチーヌ:あの人は病気を楽しんでるのよ あなたとは何の関係もないわ
映画館にアランが来なくて、水族館、海辺などを何度も回るマリアンヌ
フラれたのだと失意のどん底で海辺を泣きながら歩いていて
青年にぶつかり家まで送ってもらう
*
寂しいから帰宅してもいいか母に訊ねる電報を打つため郵便局に行くと
昨晩の青年と再会する
ロンドンに住んでいて、小児麻痺で寝ていた頃の家庭教師が同じだったことから
2人が近所に住んでいることを知り、偶然と思えないマリアンヌだが
よくあることだと否定するマークで意見が分かれる
マーク:
もし20匹のサルがタイプを長い間打ち続ければ
シェークスピアの作品を書くこともあり得る(そんな途方もない話・・・?
占い師が儲けるのは、君みたいな騙されやすい人がいるからだ
それを証明するために、ちょっとした占いをしてみるが
“お金でトラブルになる”とかまた当たる
マーク:意味が漠然としてるから、誰にでも当てはまるように思えるだけだよ
マークにうながされて、ジョシーにアリスの具合はどうかと聞くと
いつもの片頭痛で大丈夫だと分かる
*
マークとハイキングに出かけて、以前来た場所を周り、燈台を見て感動する
アリスにお金を返すには、『秘儀研究』を売ればいいとマークが提案
売る前にちょっと見せてほしいと言われ、喫茶店で話してケンカになる
マーク:
君は新聞で読んだことはすべて信じる老婦人みたいだ
アトランタ夫人が君をごたごたに巻き込んだと思えるね
蓋然性の法則
蓋然性(がいぜんせい)とは、特定のことが起こったり真実として認められたりする確実性の度合いを指す言葉
本を売って、ジョシーにお金の一部を返す
アランとビリーはよりを戻し、アリスは嫉妬から意地悪したのだと明かし
新しいBFについて教えてと迫るが、マークをBFだと思われるのがイヤで店を出る
この友情に固執しても、もはや得られるものは何もない
もし会っても、すぐに飽きるか、それぞれの違う人生観でまたケンカになるだろう
*
マリアンヌはまたアトランタ夫人に手相を見てもらう
3つの石を水に落とす「水紋占い」でもことごとく当たり
少年もマリアンヌが好きで、また出会うだろうと請け合う
ロンドンに帰る土曜まであと2日しかないのに、木曜は町中を歩き回ってもマークには会えず
絶望していると、金曜の朝、電話があり、昨日会いたかったけど捕まらなかったと話す
金曜はマークと出かけ、土曜は駅まで見送りに来てくれる
別れ際に渡した本の中にはツタの葉が入っている
それは『秘儀研究』に書かれていた再会の魔術だった
■あとがき
キャサリン・ストール
1913年ロンドン生まれ
本書の原題は『マリアンヌとマーク』
本書の前編にあたる『マリアンヌの夢』もある
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
作家は心理学も学んでないと登場人物の複雑な心理の変化を描くことはできないな
とくに10代の心理は複雑すぎて、読みにくい部分も多々あった
アメリカの女の子って10代でBFがいるのが当然みたいな文化が今も昔もある感じ
こういう女子トークに乗っかっていけないとはじかれる習慣は私も違和感を感じる
これだけ偶然が重なったらもう必然なのでは?
占いが胡散臭かったとしても、非科学的な事象はあると思う
物わかりのよすぎる大人に対する苛立ちは、このシリーズの『長かった週末』でもあった
子どもを心配する気持ちは自然で、それを抑制するほうが不自然に思える
とにかく、相手が誰であってもお金の貸し借りはトラブルのもとだな/汗
【内容抜粋メモ】
登場人物
マリアンヌ 15歳
パメラ叔母・ステファン叔父(精神分析学者)
アリス
ジョシー
クリスチーヌ ジョシーの妹
ビリー
アラン ビリーのBF
マーク
マリアンヌは休暇を叔父夫婦の家で過ごすために海辺の町ブライトンに来ている
5年前に家族と来た時はいい思い出がたくさんあったはずなのに退屈な日々
友人アリスは病気の話ばかりしている
ウールワースの店で働いているジョシーとの会話も子どもっぽいと思う
マリアンヌがBFに興味がないと言うとホルモンがおかしいと言われ
お小遣いが週に5シリングしかもらってないことに嫌味を言われる
叔父は精神分析学者、叔母は家庭訪問で忙しく
マリアンヌは何度も読んだ『ジェーン・エア』を読み返し、没頭することで現実を忘れる
2人は「自由放任主義」がモットーで、マリアンヌの生活に口出しするのを抑えている
なにか質問しても、質問で返してきて、はっきりしないのがモヤモヤしている
*
友人ビリーはアトランタ夫人の占いにハマっていて
言われたことが全部当たっていたと興奮して話す
BFのアランとの関係を終わらせて、美容師のキャリアや舞台に立つ夢を伸ばすかどうか迷っている
他の3人も占ってもらおうと、それぞれ相談したい事柄をメモして渡す
マリアンヌはここで友だちができるかどうかを聞いた
*
マリアンヌが町をぶらついていると古本屋がある
アーサー・ランサムに目が止まる(!
『秘儀研究』という本には、あらゆる占星術や魔術のやり方が書かれていて興味を持つが
お金が足りずにその場を去る
叔母と映画館に行き、ジェームズ・スチュアートの映画『ノー・ハイウエー』を観て感動する
(気になるな 『No Highway in the Sky』
ジョシーの家を訪ねて、妹クリスチーヌと会って好印象を受ける
*
3人はアトランタ夫人の占いを受ける
マリアンヌは一番安い手相を見てもらい、以前、病気で長く臥せっていたことや
想像力豊かで、時に厄介を巻き起こすことなどを当てられて驚く
いかさまっぽい感じがないことも意外だと思う
さらに知りたければ水晶占いがあるが1ポンド持っていないのを知り
ジョシーはいつ返してもいいからと貸してくれる
*
また古本屋に行き、借りたお金で『秘儀研究』を買ってしまう
そう話すと、ジョシーはさらに1ポンド快く貸してくれる
誘惑を退けるほどの強い意志があればいいのにと後悔する
アトランタ夫人は水晶を覗き、近いうちにBFができると話す
アトランタ夫人:あなたも習練次第で別の世界に入って見ることができるのよ
帰り道、アランに声をかけられ、ダンスに誘われてOKしたことで
アランを好きなアリスが不機嫌になる
水族館で耳をつんざく大音量の音楽がかかり、マリアンヌはアランと夢中で踊る
アラン:君はかわいいね
酒を飲むのも断り、家まで送ってもらい、キスを迫られても断るが
アランはまた会いたいと言って別れる
*
翌日、アランと連絡しようがないことに気づき
本当にまた誘ってくれるか心配になる
『秘儀研究』を見て、会いたい人から便りが来る方法に羊皮紙が必要で
なけなしのお金で文房具屋でニセモノを買い、骨董品屋で本物を買う
針で指を刺して血で名前を書いて、かまど代わりのボイラーにくべると
アランがもう玄関で待っていて、今夜また会おうと約束する/驚
化粧品の講習にふらっと入るとアリスがいる
ジョシーから借りたお金を早く返したほうがいいとプレッシャーをかけて
ビリーからアランを奪ったと皮肉る
ジョシー:
2度目に借りたお金は、アリスから借りたもので
マリアンヌに貸したと話したら、すぐ返して欲しいと言われた
私たちは、あなたがアランと出かけたことをよく思ってない
彼はビリーのBFなのを知ってるでしょ?
ビリーは別れたいと言っていたが、それは本気じゃなかったことなど
マリアンヌは知らなかったと弁明しても誤解は晴れないまま
マリアンヌはアリスを殺したいほど憎み、叔母からろうそくを持ち出して
アリスの人型につくり、針を頭部分に刺す(!
*
アランは自慢のバイクにマリアンヌを乗せて寒い中スピードを出して
クルマにぶつかりそうになってケンカになる
ショックのマリアンヌを気遣うことなく、クルマを買う話に夢中
映画館で待ち合わせようと約束する
映画館の場所が分からず、通りかかったクリスチーヌに教えてもらう
ジョシーは片頭痛のアリスを見舞いに行ったと聞いて
魔術が効いて殺してしまったではないかと怯える
クリスチーヌ:あの人は病気を楽しんでるのよ あなたとは何の関係もないわ
映画館にアランが来なくて、水族館、海辺などを何度も回るマリアンヌ
フラれたのだと失意のどん底で海辺を泣きながら歩いていて
青年にぶつかり家まで送ってもらう
*
寂しいから帰宅してもいいか母に訊ねる電報を打つため郵便局に行くと
昨晩の青年と再会する
ロンドンに住んでいて、小児麻痺で寝ていた頃の家庭教師が同じだったことから
2人が近所に住んでいることを知り、偶然と思えないマリアンヌだが
よくあることだと否定するマークで意見が分かれる
マーク:
もし20匹のサルがタイプを長い間打ち続ければ
シェークスピアの作品を書くこともあり得る(そんな途方もない話・・・?
占い師が儲けるのは、君みたいな騙されやすい人がいるからだ
それを証明するために、ちょっとした占いをしてみるが
“お金でトラブルになる”とかまた当たる
マーク:意味が漠然としてるから、誰にでも当てはまるように思えるだけだよ
マークにうながされて、ジョシーにアリスの具合はどうかと聞くと
いつもの片頭痛で大丈夫だと分かる
*
マークとハイキングに出かけて、以前来た場所を周り、燈台を見て感動する
アリスにお金を返すには、『秘儀研究』を売ればいいとマークが提案
売る前にちょっと見せてほしいと言われ、喫茶店で話してケンカになる
マーク:
君は新聞で読んだことはすべて信じる老婦人みたいだ
アトランタ夫人が君をごたごたに巻き込んだと思えるね
蓋然性の法則
蓋然性(がいぜんせい)とは、特定のことが起こったり真実として認められたりする確実性の度合いを指す言葉
本を売って、ジョシーにお金の一部を返す
アランとビリーはよりを戻し、アリスは嫉妬から意地悪したのだと明かし
新しいBFについて教えてと迫るが、マークをBFだと思われるのがイヤで店を出る
この友情に固執しても、もはや得られるものは何もない
もし会っても、すぐに飽きるか、それぞれの違う人生観でまたケンカになるだろう
*
マリアンヌはまたアトランタ夫人に手相を見てもらう
3つの石を水に落とす「水紋占い」でもことごとく当たり
少年もマリアンヌが好きで、また出会うだろうと請け合う
ロンドンに帰る土曜まであと2日しかないのに、木曜は町中を歩き回ってもマークには会えず
絶望していると、金曜の朝、電話があり、昨日会いたかったけど捕まらなかったと話す
金曜はマークと出かけ、土曜は駅まで見送りに来てくれる
別れ際に渡した本の中にはツタの葉が入っている
それは『秘儀研究』に書かれていた再会の魔術だった
■あとがき
キャサリン・ストール
1913年ロンドン生まれ
本書の原題は『マリアンヌとマーク』
本書の前編にあたる『マリアンヌの夢』もある