『翁さん、こんちわ、あに（何）をしているね、花木の手入れ
かさ、ご苦労さんですね。運動公園まで行こうと思うが、３００メートル程を行って戻るのが難儀になって、ファファファ。テレビなどで、どこのフジが、どこのツツジが、どこそこの芝桜がと写し出すが、出かけなくても、ここに来れば何でも花が見られらあな』
『おやおや、セツさん公園まで足の運動だな、いや元気だわ、９２には見えないよ。俺は一回り若いのに、セツさんには負けるよ。朝方もジャガ芋の畑の “さく” を入れていたね、大豆やトウモロコシも蒔いた？、ギャハハハ。まあ、何か作っておけば、収穫の楽しみもあるわな。俺もナス、トマト、キュウリは苗を買ってきて』
『そうだ、翁さん、２９日のお祭に味噌饅頭を作ったが、届けるのを忘れたわ、翁さん
は普段に美味い物を食っているだろうからさ、ワハハハ。良さんが言っていたが、翁さんの山からイノシシが出るそうだな、まだ大丈夫だが、そのうちジャガ芋を食われるかな』
『ええ？、味噌饅頭、食いたかったな、買って喰う菓子は美味くないよ、外の食事もな。時々、茂さんや三郎さんなどあちこちの家でお茶をご馳走になるが、昔ながらの家庭の料理が美味いな、ファハハハ。適当に植えた花木だが、季節には忘れないで咲いてくれる。この後は、百日紅やナツツバキ、アジサイなどが咲いてくるわ』
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
あとがき＝大正生まれが頑張っている、原風景と一緒に貴重な存在、暮らしの特技は文化人だものね、ファハハハ＝＝放念の翁