中鉄大全情報版(博客)

つれづれなる中国鉄道情報をより早くお伝えできればと…。日本、韓国ネタも少し。

昆明から北京まで、メーターゲージ機関車の輸送を追う

2007年01月02日 | 列車レポート(7番線)

 2006年12月、ビルマから贈られた19世紀のメーターゲージSL(以下SL)が昆明から北京の鉄道博物館に運ばれたが、その列車の模様を中国の鉄道ファン達が追い続けた。
 12月初め、ビルマから贈られたSLが昆明に到着したニュースがインターネットで発表されると、昆明から北京までのSL輸送がどのように行われるかと100名近い鉄道ファンが熱く語り合った。そして25日間、彼らはその輸送の模様を追い続け、12月26日、SLはその目的地である中国鉄道博物館に到着し、展示のための準備が行われることになった。
 今回のマラソン追跡は「海子鉄路網」と「北京車迷網」が毎日そのレポートを発信していた。
 
 ★神秘の機関車が昆明を出発

 11月30日、ビルマ連邦鉄道が中国鉄道部に1台のSLと1台の客車を贈り、それが昆明東駅に到着した。この車両は中国がビルマ連邦鉄道に贈った130両の客車のお礼として贈られたもので、その車両が貨物列車によって北京の鉄道博物館に送られる、という情報をある鉄道マニアAが聞きつけた。この黒いSLと木製の車両はビルマがイギリスから輸入したもので、歴史的に重要な価値があると彼は思った。そこでこのことを昆明方面の鉄道マニアに連絡したのである。
 昆明の鉄道マニアはこれにすぐ反応し、その車両が11月30日の15時33分、22706次貨物列車で昆明東駅を離れて北京へ向かったとの情報をもたらした。また、22706次は四川に向かったとの情報もあり、Aはすぐさまネットで他のマニア達にその動静についての情報を求めた。

 ★四川から100名の大追跡開始

 SLが四川に入ったところからマニア達の大追跡が始まった。SLが次にどの貨物列車に連結されるのか分からず、四川省内からも情報がもたらされなかったため、情報を得るためにこの機関車に対する各種資料がネットで掲示されるようになった。「海子鉄路網」と「北京車迷網」にも多くの写真、資料が発表されたが、情報が寄せられるのは昆明からばかりで四川地区からはほとんど情報が無かったため、この追跡が一時中断してしまった。
 「私は自分の人間関係を駆使してその情報を求めました。長年連絡を取っていなかった成都の同級生にまで連絡をしました。」北京の鉄道マニアBはそう語った。「約1週間近く進展はありませんでしたが、それが突然、鄭州で発見されたのです。」
 Bによると、SLが鄭州で発見されたその翌日、SLは鄭州を離れ、石家庄へ向かい、その後保定を通って北京へ向かうとの情報が入ってきた。その情報をもとに河北の鉄道マニア達はSLをとらえようと準備を重ね、12月22日、とうとう石家庄でSLをとらえることができたのである。
 「SLは22日に石家庄を出発しました。25日に北京市の北東にある環状試験線付近の中国鉄道博物館に到着する予定です。」鉄道マニアのCはこう情報を入れた。「まず豊台西に到着してそこで編成替えをし、星火まで行ってそこから引き込み線で鉄道博物館に入るでだろう。」と彼は考えた。

 ★SLの「予想外」な行動に慌てた鉄道マニア

 Cは星火駅付近に住んでいるため、鉄道マニアDはCに星火駅で情報を取るように進めた。しかし星火駅の職員はこのことに関する情報を聞いていなかった。そこでCの予測に基づいてBが豊台西駅に出向いて情報収集をすることになった。
 「豊台西駅に行って初めて知ったのは、この駅が10のヤードを持ち、それは一番北が西道口付近、一番南は世界公園付近まであるということでした。」彼は、「そのヤードの中の何処にSLがいるか、知り合いの機関士、操車、作業員などに聞いたけど、みんな知らないと言われてしまった。」鉄道マニアCはAが発信していた情報などから、SLが直接星火駅に向かったのではないかと考えるようになった。
 この情報により鉄道マニアDは12月26日、夜勤明けの彼はすぐ星火へ向かった。午前10時、そこで彼はSLが編成替えを終了し、数分前に鉄道博物館に出発してしまったことを知った。Dはそこで丁度来ていたBとおちあい、二人徒歩で鉄道博物館へと向かった。
 二人で歩くこと2時間、彼らが見たのはSLは博物館に入庫直前の様子だった。Bは急いで鉄道撮影専用のカメラを取り出した。「我々が到着したときには、機関車は博物館に入庫してしまっていた。博物館に入ることもできず、最終的な作業を見られず、多くの鉄道マニアの期待に応えられなかったのは残念です。」とBは語った。
 鉄道博物館によると、この機関車は既に鉄道博物館内には入っているが、まだ公開はしない。化粧直しをしたら公開するとのことだった。

【車務之家】
 
 

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