原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

【刑法】各論の勉強のポイント

2010-07-16 | 刑法的内容
短答試験では、「総論よりも各論の方が点が取れない」という人も多いのではないでしょうか?もしそうであれば、それは勉強のポイントを誤っているからだと思います。各論で勉強すべきは…

まず、犯罪の類型をしっかり押さえること。例えば、受託収賄、加重収賄、あっせん収賄、それぞれどういう犯罪か区別して説明できるでしょうか?まず、ここが各論マスターの第一歩です。

そして、各犯罪の構成要件をしっかりと理解・記憶すること。例えば、信用毀損罪の「信用」とはどういう意味でしょうか?それから、不法領得の意思など、いわゆる書かれざる構成要件を押さえることも大切です。

また、危険運転致死傷や電子計算機使用詐欺などの新しい犯罪類型をチェックすることも大切です。

以上総じて、条文を読み込むことが非常に重要な分野です。総論の勉強との大きな違いはここにあります。

次回、【スタ短特訓】「刑法③」では、このあたりを意識してお話していきたいと考えています。

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3 コメント

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質問させて頂きますm(_ _)m (M)
2010-07-17 00:39:56
>そして、各犯罪の構成要件をしっかりと理解・記憶すること。例えば、信用毀損罪の「信用」とはどういう意味でしょうか?それから、不法領得の意思など、いわゆる書かれざる構成要件を押さえることも大切です。


スタ短特訓でお世話になっている者です、いつもありがとうございます。
私はまさに各論が苦手な者なのですが、この上記部分について先生は受験生時代具体的にはどのような方法でマスターされたのかを差し支えなければ教えて頂ければと思います。

今のところ、山口刑法(青本)やいわゆる予備校テキストのTbについての記述部分をカード化するなどの方法を試してみようかとも考えていますが、もし先生のオススメ方法があればぜひ参考にさせて頂ければ助かります。(山口青本は若干Tbがごちゃごちゃしているように見えてしまうことがあるので…)よろしくお願いいたします。
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Mさんへ (はら)
2010-07-17 05:37:20
ご受講、ありがとうございます!

カード化と本質的には同じなのですが、私なりの勉強法をまとめておきました。

カード化するにせよ、注意点は、「必ず条文と対照させること」です。カードだとそれがしにくいので、私はワードにしました。

後は、短答答練の肢や論文問題などで、多くのケースに触れることでしょうか。「筋を通す」ことが重要な総論と違い、「これはどうなる?」と問われるのが各論なので、「慣れ」は非常に重要です。

山口先生の青本、確かにそこが若干痛いところなのですよね。ただ、自ら整理して記憶するには実はそれくらいがいいのかな、なんて思ったりもしています。新司ということを考えると、情報量は青本で十分です。コンパクトに、必要な情報がしっかり記載されています。学説の空中戦になっていない分、無駄のない内容です。

頑張ってください!
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Unknown (M)
2010-07-17 14:08:43
ご回答ありがとうございました。条文の文言に沿ったまとめを作ることを試みようと思います。
ありがとうございました。
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