赤い着色料をろうそくの表面につるりとぬりつけています。和ろうそくの炎からは仏壇の金を変色させるすすが出ないのでぜひこれを使うべき、という話からコストと効率を優先させる現代の風潮への嘆き節まで話題は豊富です。
土間を挟んで反対側の一角に作りかけのものやろうそくの材料が置かれていて、ここがこのお店の作業場になっています。一本一本手のひらで作り上げた蝋燭の原型が並べて干されています。以前は同時に3人並んで作業できるようになっていました。
瀬戸川と白壁土蔵街の一筋隣の通りに、赤い色のロウソクの絵を看板にした三嶋商店があります。黄色の花開く〈へちま〉のつるが絡まる店頭の暖簾には屋号の横に「生掛」とか「順應蝋燭」と難しい漢字が並び、歴史あるお店の風情を醸し出しています。