槍の回廊に集まっていた多くの人たちの数は、アルプスにかかる雲の多さに反比例して少なくなってきました。もともとは雲が多いとの天気予報でしたので、ここまで晴れてくれたことを喜ぶべきと心に決めて引き返すことにしました。
「槍の回廊」からは穂高から槍ヶ岳に連なる峰々が目の前に迫ります。西穂高岳の嶺にも雲がかかり始めました。何とか槍ヶ岳までの姿を捉えようとして集まった人たちは目を凝らしますが思うように雲は動いてくれません。
ロープウエイ周辺はこれまで「千石園地」と呼び、小道を歩きながら高山植物などを楽しむ場所でした。今は「頂の森」と名前を変えて、「森のテラス」、「森のカウンター」、「森のテーブル」など腰掛けて休める設備がしつらえられています。
「進行方向左側に槍ヶ岳が姿を見せています。」案内放送に誘われて目をこらしますと、確かに槍ヶ岳です。主峰大槍の左肩に小槍も見えます。右手前の大喰岳(オオバミダケ)の斜面にはしっかり雪が張り付いてアルプスはいまだ厳冬の装いです。
午前中は雲が少ないという予想外の良い天気予報なので、新穂高ロープウェイに乗ってアルプスの展望を楽しむこととしました。平湯温泉郷からひたすら谷筋をさかのぼり新穂高温泉郷にたどり着き、9時発のロープウエイに乗りこみました。
自宅から3時間近く走って奥飛騨温泉郷の平湯バスターミナルの駐車場に到着しました。快晴の青空を背景に雪を頂いた笠ヶ岳がくっきり見えます。アルプスの山々の姿をまじかに見ることができる空模様がしばらく続くかもしれません。