右岸道路沿いにも時々数本咲く花をみつけました、どちらかと言えば控えめに咲いているという印象でした。ただ、山仲間では《青い》花ビラのニリンソウを見つけると幸運が訪れると言いあっていましたので、心ひそかに狙い、探してはいました。
珍しい花に巡り合いました。「サンカヨウ(山荷葉)」です。花が雨に濡れ続けるとると花弁が透き通って見えるのでスケルトンフラワーとも呼ばれています。標高の高い湿地に自生しています。花を見ることができラッキーでした。
木立の陰にひっそり咲いている花がありました。葉の形が亀の甲羅に似ているオオカメノキです。花は小さく中心にまとまって咲いている部分で、5枚の花弁を持つ部分は紫陽花同じ、装飾花と呼ばれ、虫、蜂を誘い込む役目をしています。
木立の切れ目から先ほどまでその麓で遊んだ、明神岳を仰ぎ見ることができます。嘉門次小屋休業で、イワナの炉端焼きを食べることができませんでした。このことは次回の宿題として、また来ますよとの思いで見上げました。
嘉門次小屋の囲炉裏端に上がることができず、美味しい焼きイワナを食べられませんでした。また、猿の群れの神域での水浴びを初めて目撃しました。そんな事などを心にとどめて、帰路は梓川左岸道路を河童橋を目指して歩くこととしました。
梓川から穂高神社奥社に通ずるこの吊り橋を架ける場所は、この場所しかなかったのだと、勝手に思いました。奥社の鳥居への参道は橋からわずか川下に歩きます。少し川上にずれた橋の上から明神岳の主峰が正面に見えるのです。
この日は嘉門次小屋がお休みでした。仕方がないので近くの吊り橋まで戻りました。木材の硬さとロープのしなやかさを組み合わせた吊り橋がなぜか好きです。わずかに揺れを感じる明神橋に立ち、梓川の清流を見下ろす時間を楽しみました。