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とんだばやしの海老芋

2023年11月26日 | 農産物

里芋大好き!秋が深まると店頭にこげ茶の産毛に包まれた里芋が並ぶ。和食だけでなく洋食、中華にと、料理用途が広いので美味しそうな里芋を見かけると買ってしまう。なかでも「海老芋」好きな「主婦っとサーベイ」伯井・網島に「とんだばやしの海老芋」の収穫体験のお誘いを頂く。11月19日(日)富田林市海老芋振興協議会主催の海老芋収穫体験に参加。

2023年5月GI認証を取得した「とんだばやしの海老芋」。GI認証とは農林水産省が知的財産として保護を図ることを目的に作られた「地理的表示保護制度」。特定の地域を生産地とし、長い年月をかけて確立した品質や社会的な評価を持ち、生産地の気候・風土と深く根付いている農作物に付けられる。

【海老芋とは】
富田林市の西板持地区を中心に栽培され在来種から特に繊維が少ないものを選抜・育成された里芋。親芋から発芽した地下茎に土寄せをして勾玉状になった物が「海老芋」。この育て方に特徴があり海老のような姿になるため「海老芋」と名付けられた。種としては東南アジア原産の「タロイモ」の仲間。


●アーバンファームASAOKAの浅岡農場
ご指導は浅岡 弘二さん。普段の作業では機械を使うがこの日は、芋の位置がわかりやすいように鋤を使いながらご説明くださった。




●ひとつの種芋から育った海老芋
種芋は前年度の孫芋から良い芋を選び、翌年植える。アーバンファームASAOKA浅岡農場は4500株育てるので、5000個近くの芋を大事に保管する。種芋から親芋が育ち、親芋から茎が伸び海老芋と呼んでいる里芋が育つ。その海老芋の周りにもまた里芋が付くのでそれを孫芋と呼ぶ。


●育て方の特徴
育成中4回の土寄せ。土の中で光を求めて芽(地下茎)が曲がる。茎がどの方向に向いているかタイミングを見計らう。この土寄せの仕方が生産者の技の見せどころ。スマート農業が通用しない、感覚で覚える部分もあるが、最近では環境測定でデータを取り見える化にも努めておられる。土壌水分は50%がよく、暑い時期40%になると水を与える。石川の水をふんだんに使えるエリアである西板持地区ということで美味しい海老芋を育てることができる。

【美味しい食べ方】
収穫後2週間~1か月でんぷん質を貯める働きにより美味しくなる。海老芋の3Lサイズは使いやすいサイズとして割烹など高級食材として飲食店に流通している。一般消費者が家庭で使う場合は、小さめの海老芋や孫芋も充分旨味があり、使いやすい。

海老芋
高級食材の海老芋。大切に昆布とかつお出汁のみで、そっと炊いた。舌の先でも潰れそうな柔らかさ。繊維質さえほとんど感じられない。芋が持つ甘みでしっとりなめらか。




●海老芋の孫芋
いつも野菜について教えて頂く東果大阪株式会社の新開茂樹さんに教えて頂いた。『海老芋はヌメリが少なくて他の里芋に比べて皮が薄くひげも少ないのが特徴で、皮と中身の境界部分が曖昧なのですが、その皮際の香りが良いのも特徴なので、正月などに奇麗に炊くときは別ですが、家庭で食べるなら皮はむかずにタワシでこするか包丁でこするようにして、(ゴボウと同じですね)食べるのも美味しいと思います。若干なめらかさは失われますが。』

孫芋は、八百屋さんの店頭、スーパーの野菜売り場でも手に入りやすい。調理しながら里芋にありがちな手が痒くならないのもうれしい。これも新開茂樹さんに教えて頂いた。『手が痒くなるのは水溶性の食物繊維なので、海老芋も他のタロイモ種に比べて少ないから手が痒くなりにくいのではないかと推測します。』

手が痒くなるから、食べたいけれど里芋を使うのがイヤという消費者も多いと思う。苦手な方も海老芋をみつけたら使ってみて。

●こんにゃくと孫芋の煮もの
突起の付いたゴム製手袋で皮をこすって剥いた。

孫芋の衣かつぎ
蒸して塩・山椒味噌を付ける。甘く柔らかいため味付け無しにそのまま食べた。海老芋ならではの風味。


●孫芋の煮っころがし
海老芋そのものが甘いので、煮っころがしでも味付けは甘み控えめが合う。


●海老芋の親芋
役目を終えた大きな親芋。一般に流通することは少ないが、収穫体験ならばこそ使える食材。筋があり芋質はしっかりしている。フライドポテトなど、油と相性がいいとお聞きした。唐揚げをして、カレーパウダーや粉チーズを振っても美味しかった。


●親芋と牛肉のオイスターソース炒め
繊維質がありながら甘みのある食感はマコモタケに似ている。軽く油通しをしてから炒めるとコリコリした食感も楽しめる。


浅岡 弘二さんを質問攻めにしながら、収穫体験をさせて頂いた。土から芋が現れ、夢中で掘り出す作業は、すっかり童心に帰った。軍手の上からでも温かな柔らかい、いい土の匂いにうっとりとしてしまう。土の中からは次々海老芋にくっついて孫芋が出てくる。これで全部と言われても、土の中に手を入れたら、残っている孫芋がまた出てくる。野菜ソムリエプロの荒木優子さんとご一緒させて頂いたのだが、荒木さんはいつまでたっても座り込んで掘り続けていた。孫芋も愛しくなる気持ちがよくわかる。収穫した海老芋、孫芋、親芋は少しずつ友人・知人に説明をしながらおすそ分けをした。それも収穫後の楽しみ。貴重な体験をさせて頂き、本当にありがとうございました。

      浅岡弘二さん・伯井・荒木優子さん・網島




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