まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

【新型コロナとの遭遇】もう会えないこと知ってたけど許したのよ(ハイファイセット)・・1970年代の消滅と復活/私とは誰か・プレおたく世代の現在*特別編

2020-04-09 10:13:01 | エッセー・評論

部屋から一歩外に出れば新型コロナウイルスの蔓延する20年遅れの終末の世界が待っている。このまま部屋の中に止まれば、肉体の死に向かってひた走る【高齢単身者】の日常に溺れてしまう。果たして今日これからどうすれば生きていることの快感を取り戻すことが出来るのだろうか?970年代に突然眼の前に拓かれた青春と呼ばれる自由と光明をとりあえず想い出してみる。パソコンを起ち上げるとまずヤフーとグーグルの光景が無限に拡がる。当然ながら、旧世代の私にはそれは虚偽の空間でしかなく・・それでも一応の最新の倦怠感を引き擦りながら、今度はYOU TUBEという映像サイトに移動する。1974年に解散した【赤い鳥】という関西出身で東京で受けに受けたグループとその後継者であった【ハイファイセット】【紙ふうせん】の2グループがヒモ付きで現れる。前者は1970年前後の人間回復ムーブメントの色濃い、敗北の証しとしての【終末文化】のハシリの一つである。その後数年で主体とか思想とか本質といったものが突然消滅し、後者の底無しの日常性に放り込まれた。赤い鳥からハイファイセットの【ポップ】への変容はとてつもない怪物のような《痛み》を伴いながら、すべてのこの時代の人々の無意識の奥深く刻まれた。この70年代の変容の向こう側に何が待っていたのだろうか?・・POP音楽シーンではパンク=ニューウェイブということになるが、実際のところそれは雑多な文化であり、私たち同時代人の純粋型としては到底受け入れられることはなかった。ハイファイセットのあまりにも一般的な情緒をいったんは日常のどこかに引き寄せた心性が、90年代のロストジェネレーション、そして世紀があっけなく明けた0年代の【70年代リバイバル】に再生されていった。・・・《続く》

 

ハイファイブレンド 1977

https://youtu.be/-mQtO8V_p1Q?t=1713