今日の都心での業務の準備に週中は集中していたため、休養を取りながら夏石番矢最新句集『氷の禁域』評を一気に進めたい。作者にとって【氷の禁域】とは、この21世紀世界の異形の日常の《全体》を俯瞰することで自ずと拓かれてゆくある《空域》のことを指す。そこではあらゆる事象がそれまでとは真逆の不可知の様相を呈することになる。かつて数万年単位で幾度となく繰り返された《氷河期》を挟んで、人類は遺伝子レベルでの根底的な変容を強いられて来た。まず冒頭に置かれた4句を遠望してみたい。・・・《続く》
氷天国二足歩行はとても野暮
氷の下で天使の翼増殖す
手長足長の神舞い降りる氷の平原
氷の上で白馬が白鳥になる夕べ
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