まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

無意味・無価値な言葉の遊びにNO!/船団106号を読む(1)

2015-09-05 14:19:46 | エッセー・評論
サマージャンボ岩壁の母はもういない  まほろば   ※船団の最新号(9/1発行)が今日届いた。今号はいつもの通り自選7句(会員作品)が掲載され、全員参加の【特集・私の城下街】に小文と2句も載った。これで十分である。大きな経済的負担にもかかわらず参加しているのは、一にも二にも前身の『現代俳句』以来、坪内稔典氏の俳句革命に賛同しているからである。今回は年に一度の【船団賞】の発表号であった。受賞者は46歳と比較的年長者だった。短歌もやるそうだが、今年2月に東京高円寺の詩人ねじめ正一氏を囲んでの句会に飛び入り参加して1位となり、何とそれが初俳句であるという。作品20句も後ほどジックリ読んでみるが、自分などとは全くかけ離れた世界の存在である。何より句作との出会いといい、受賞の経緯といい全て即興的な出来事であるのがついて行けない。何のために、何をどのような必然性もしくは偶然性で句(詩)にしてゆくか共有、共感できるものは皆無である。彼の作品はTVを観ていて面白いコピーだな・・と一瞬目に止まることもない、空虚な世界の一瞬の人事にすぎない。そこから日々の生活や死活に何らかのインパクトを得られるというものではあり得ない。歴史や国語の教科書に載っている戦前・戦後の作品や人間群像の方がよっぽど面白い。そこには感動も共感もよく勉強したなという俳句史のエッセンスも何もない。その文字通りの空虚こそが坪内氏の目指す【俳句の現在】なのだろう。・・・《続く》