先週(11/28日 - 12/6日)はまるまる一週間、ヨーロッパに出張していた。訪問先は、ロンドン、パリ、ミュンヘンの3都市であったが、特にパリとミュンヘンで、大学が産学連携をどのように進めているかについて調査するのが目的であった。
個別大学での議論は省略して、今回の訪問で強く印象に残ったことを書く。
第1点は、フランス、ドイツとも、2000年以降、大学改革に積極的取り組んでいる姿勢を如実に感じた。その一つの理由は両国とも、現状ではトップ大学ですら世界ランキングが異様に低い。大学の世界ランキングにはいくつかあるが、押しなべて両国のトップ大学と言えども極めて低い。私は個人的には、これはランキングの評点の仕方が英語圏がかなり有利になるように仕組まれているせいだと考えて両国に同情している。しかし、現実的には世界的にはこのランキングで各大学が評価されるため、我々が訪問した大学でもやはりこのランキングを上げるために国家を挙げて努力をしている。
第2点は国際化。これは上の大学改革とも関連するが、大学院の授業を英語で行うことで、英語圏同様、優秀な学生を世界中から集めようとしている。その為に、学生のみならず、教官に対する英語教育を大学がコミットしている。この点では、フランスよりもドイツの方が、国語に対するこだわりがない分、進展が早い、つまり成果が得やすい、と私は思っている。しかしいづれにせよ、両国の今後の国力の発展はこの英語教育が鍵を握ると強く感じた次第である。
参考サイト:
http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2009/results
http://allabout.co.jp/study/homestay/closeup/CU20091002A/
最後の第3点は、学際が今後のキーになる、ということだ。学際といっても実は中核は情報工学なのだ。つまり、全ての学問、科学技術に情報工学(computer science)がよそよそしく関与するのではなく、必ずがっちりと食い込むことでそれぞれの学問・技術が幾層倍にも強化される。それが、『現代の学際』の本質である、と確信した。とりわけ、現在、非常な速さで展開している、医学、バイオの先端分野では情報工学との融合が新たな視野を切り開くための必須要件である。
さて、この両国を駆け足で巡った感想を一言でまとめると、『国際化、英語での大学院教育、学際化』以外に日本の今後の発展はありえない、と言う事だ。日本国内の産学などは、はっきり言ってスケールが小さすぎて話にならない。これは過激な発言ととられることは百も承知である。
目を幕末に転じてみよう。坂本竜馬が考えたように、幕藩体制の枠内での解決策ではなく、それを越えた国家としての日本という枠組みで初めて日本という国が飛躍できた。当時の状況と比べてみると良く分かるが、現在日本が置かれている状況はまさにこの幕末期の日本同様、狭い日本国内だけの枠組みで考えたのでは、とうてい真の解は得られない。幕末当時、藩を越えた連携が、ちょうど現在日本がグローバル連携を考えるのと同じように、スケールの大きい話であった。しかし、その枠組みで構想しえた、ごく一部の志士たちだけが日本の発展の真の原動力となりえたのであった。
百数十年前のスケールの大きい発想が、再度、形を変えて今また21世紀の日本の発展に必要とされている、と今回のフランス・ドイツの大学を訪問して強く感じた。
個別大学での議論は省略して、今回の訪問で強く印象に残ったことを書く。
第1点は、フランス、ドイツとも、2000年以降、大学改革に積極的取り組んでいる姿勢を如実に感じた。その一つの理由は両国とも、現状ではトップ大学ですら世界ランキングが異様に低い。大学の世界ランキングにはいくつかあるが、押しなべて両国のトップ大学と言えども極めて低い。私は個人的には、これはランキングの評点の仕方が英語圏がかなり有利になるように仕組まれているせいだと考えて両国に同情している。しかし、現実的には世界的にはこのランキングで各大学が評価されるため、我々が訪問した大学でもやはりこのランキングを上げるために国家を挙げて努力をしている。
第2点は国際化。これは上の大学改革とも関連するが、大学院の授業を英語で行うことで、英語圏同様、優秀な学生を世界中から集めようとしている。その為に、学生のみならず、教官に対する英語教育を大学がコミットしている。この点では、フランスよりもドイツの方が、国語に対するこだわりがない分、進展が早い、つまり成果が得やすい、と私は思っている。しかしいづれにせよ、両国の今後の国力の発展はこの英語教育が鍵を握ると強く感じた次第である。
参考サイト:
http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2009/results
http://allabout.co.jp/study/homestay/closeup/CU20091002A/
最後の第3点は、学際が今後のキーになる、ということだ。学際といっても実は中核は情報工学なのだ。つまり、全ての学問、科学技術に情報工学(computer science)がよそよそしく関与するのではなく、必ずがっちりと食い込むことでそれぞれの学問・技術が幾層倍にも強化される。それが、『現代の学際』の本質である、と確信した。とりわけ、現在、非常な速さで展開している、医学、バイオの先端分野では情報工学との融合が新たな視野を切り開くための必須要件である。
さて、この両国を駆け足で巡った感想を一言でまとめると、『国際化、英語での大学院教育、学際化』以外に日本の今後の発展はありえない、と言う事だ。日本国内の産学などは、はっきり言ってスケールが小さすぎて話にならない。これは過激な発言ととられることは百も承知である。
目を幕末に転じてみよう。坂本竜馬が考えたように、幕藩体制の枠内での解決策ではなく、それを越えた国家としての日本という枠組みで初めて日本という国が飛躍できた。当時の状況と比べてみると良く分かるが、現在日本が置かれている状況はまさにこの幕末期の日本同様、狭い日本国内だけの枠組みで考えたのでは、とうてい真の解は得られない。幕末当時、藩を越えた連携が、ちょうど現在日本がグローバル連携を考えるのと同じように、スケールの大きい話であった。しかし、その枠組みで構想しえた、ごく一部の志士たちだけが日本の発展の真の原動力となりえたのであった。
百数十年前のスケールの大きい発想が、再度、形を変えて今また21世紀の日本の発展に必要とされている、と今回のフランス・ドイツの大学を訪問して強く感じた。
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