列車の車窓は心の窓

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北海道:新十津川駅 1日3本しか列車の来ない終着駅

2006年08月19日 | 思い出の終着駅


思い出の終着駅(その2) 新十津川駅 ①JR北海道・札沼線)

 

 JR北海道の札沼線(さっしょうせん)は、北海道一の都市札幌と新十津川を結ぶ78.1kmの路線です。以前は、新十津川から更に石狩沼田まで線路が伸びており、終点で留萌本線と接続していました。1972年にこの区間が廃止されると、札沼線は盲腸線となり、新十津川はその札沼線の終着駅となったのです。

 札沼線の沿線には大学が2つあることから、「学園都市線」という愛称が付いています。札幌から途中の石狩当別駅までは沿線人口も多く、列車の本数も多いのですが、そこから先は別の路線のように減少します。とりわけ浦臼駅から終点の新十津川までの間は少なく、一日3往復しかありません。(2006年8月号の時刻表で確認)

 さらに不思議なのは、この路線の右側には函館本線が平行しており、札沼線がなくとも新十津川へ行くことができるということです。新十津川駅と函館本線の滝川駅は3km程度しか離れておらず、路線バスを使って滝川から新十津川まで行くことができます。(歩けばやや遠いですが。)
 そんなわけで、国鉄末期からJR転換の時期にかけてローカル線廃止の嵐が吹き荒れる中、なぜ新十津川駅が生き残ったのか、不思議な感じがあります。
 そして、新十津川駅は、そんな不思議な雰囲気が漂う終着駅でした。

 *****

 札沼線を全線完乗し、ここ新十津川駅に訪れたのは一昨年(2004年)の4月の夜でした。3本ある列車の内、一番最後の列車に乗って新十津川に着きました。2006年8月現在のダイヤでは、次のようになっています。

 石狩当別17:29 ⇒(普通5429D)⇒ 18:56新十津川

 新十津川まで乗ったのは、自分のほかにもう一人いたと記憶しています。話しかけていないので正確さは欠けますが、たしか、中学生くらいの年齢の男の子だったように思います。新十津川駅には、迎えの人が来ていました。まもなく、駅には、運転手と僕以外誰もいなくなりました。折り返しの列車を待つ客はありませんでした。


 


 昔建てられたのであろう、立派な駅舎がありました。誰もいない駅で、「ようこそ新十津川へ」という毛筆体の大きな文字がむなしく感じました。

 4月の北海道はまだまだ寒く、地面には雪が残ります。真っ暗な終着駅で、ディーゼルカーのエンジン音だけが響きます。「ここには駅があるんだぞ!」と言っているみたいです。

 
 待合室の時刻表。1日3本の列車が記載されています。

 つづく  



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