列車の車窓は心の窓

我が家の住人は電車がとても好きなので、車がありません。電車とバスで出かける日本の旅

17年9月10日(1) 地磁気観測所

2005年09月10日 | 日帰り旅行と日記
9月10日 (土曜日 晴れ) その1

 この日の行程は次の通りでした。所用があり、茨城県の石岡へ行く必要があったのです。宇都宮へは、おいしい餃子を食べに立ち寄りました。

  市川9:56→(総武線普通電車)→10:03西船橋10:08→(1028F)→10:24新松戸10:33→
(常磐線普通電車)→10:45我孫子10:50→(359M)→11:53石岡14:20→ (1379M)→
14:42友部14:50→(758M)→15:58小山16:05→(595M)→ 16:31宇都宮18:11→
(8544M快速フェアーウェイ)→19:50新宿20:00→ (中央線快速電車)→
20:09御茶ノ水20:10→(総武線普通電車)→20:31市川

 さて、常磐線にもつくばエクスプレスと同様に、直流/交流の切り替え地点が存在します。それは取手と藤代の間で、つくばエクスプレスと違い車内の照明が一時的に消えるので、ここだとはっきり分かります。もっとも、これは電車の型が古いからと思われます。(新型車両では、バッテリーなどを使い車内停電を回避することは可能です。)
 おかげで、奥さんに得意げに話す場面ができてよかったです。(?)
 このように、異なる電化方式の境界部分には無電力区間が設けられており、これを「デッドセクション」といいます。この区間、電車は惰性で走ります。モーターに電気を流すのを一時停止し、その間に車両の回路を切り替えるのです。
 石岡からバスで石岡市の隣の八郷町へ行き、予定通り用事を済ませましたが、帰りに偶然、気になるものをみつけました。

 写真が、常磐線の取手以北を交流電化とすることになった理由である、気象庁の「地磁気観測所」の入口です。(写真は残念ながらピンボケ)まさか、実際に見ることになろうとは思っても見ませんでした。
 地磁気観測所については、私は文系の人間なので何も分かりません。地磁気観測所のHPをちょっと覗いてみましたが、「地磁気毎秒値に関するお知らせ」「プロトン磁力計の原子核回転磁気率γpの変更について」など、不勉強の私には分からない言葉が多数並んでおりました。
 いずれにしても世界で4カ所の地磁気観測所の一つであり、国際的に重要な観測所ですから、鉄道会社も協力しなければなりません。具体的には、この地磁気観測所を中心として半径30km以内では、直流電化を採用することができないのです。直流電流は常に一定方向に磁界を発生させるため、正確な観測のための大変な障害となってしまうから です。これが、常磐線の取手以北及びつくばエクスプレスの守谷以北を交流電化せざるを得なかった唯一の理由です。

 一般的には、直流電化と交流電化のどちらを採用するかは、その鉄道路線にどれほどの需要があるかによって決定されます。
 現在の日本では、電力会社から家庭や会社へ供給されている電気は交流です。しかし、電車は直流でなければ走れないため、交流電力を直流電力に変換する必要が生じます。この変換を、直流電化の場合は地上設備である変電所において行い、交流電化の場合は車両で行います。このことから、交流電車は「走る変電所」と呼ばれることがあります。(なお、最近我が国において交流モータで走る交流電車が出現しましたが、この場合にも商用電源である交流電力をそのまま使うことはできず、交流→直流→交流という段階を踏んでいます。)
 つまり、地上設備にお金をかけるか(直流)車両にお金をかけるか(交流)の違いなので、たくさん車両をつくって走らせる必要のある需要の高い路線では、必然的に直流電化が有利となります。市場原理からかけ離れた部分で電化方式が決定された常磐線やつくばエクスプレスは、多大な負担を強いられているのです。

 (つづく) 


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