★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

日本派?のなかの、のんびり派と西洋派

2023-09-15 23:30:19 | 文学


夫和歌者、託其根於心地、発其華於詞林者也。人之在世、不能無為、思慮易遷、哀楽相変。感生於志、詠形於言。是以逸者其声楽、怨者其吟悲。可以述懐、可以発憤。動天地、感鬼神、化人倫、和夫婦、莫宜於和歌


齋藤清衛氏なんかはわたくしが勉強しはじめた頃まで書いていた文学史家だったけれども、戦時中の『文藝文化』1号の劈頭論文なんかよむと随分素朴である。上の真名序なんかをつかまえて、漢文は「煩雑」だなあ、みたいなことを言っている。紫式部の引用なんかも間違えている。でも明らかな文人臭がのんびりと感じられる。武蔵野に住んで独歩をやり直したいような人であるから当然かも知れない。次の論文を書いている風巻景次郎氏なんかの方が西洋派インテリ然としているところがある。戦時下の抵抗者としてはこっちの方であろうが。。。



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