鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

「音と旁のNEW TYPE漢字典」を買った。

2007年03月04日 | 音符が共通な漢字(参考書等を含む)

 大岡丈夫様が、Amazonに、「形と音を生かした系統的漢字学習指導法」というリストマニアを作成されておられます。大岡様には以前、音符の変音法則について貴重なコメントを頂戴しました。

 このリストマニアに標記の本(「NEW TYPE漢字典」と略します)があり、大岡様は次のように説明しています。

JIS第一水準、第二水準の計6353字につき音記号を見出しに立てて五十音順配列(同一音符でも漢字音が異なると掲載箇所が分断されるがクロスリファレンス表示有り)。変音の規則性による5類別の記載もある。漢検1級・準1級学習を音記号別に系統化するための音記号認定には、おそらく最も参考になる。

 以前から気になっており、古本で買いました。ネットで古本は何冊か買っていますが、いつも綺麗な本ばかりで、梱包も丁寧です。

 1級漢字には、第3水準以上も少しだけ含まれていますので、「NEW TYPE漢字典」に載っていない漢字もありますが、大体網羅されていると思います。音訓の五十音順に、漢字が並んでおり、「辞典」の音訓索引と同じような配列です。 「辞典」の同音の漢字は、画数順に並んでいるだけだけど、「NEW TYPE漢字典」は、音符で纏まっています。例えば、曷の音符字として、かのところに、読みがカツである

曷、喝、渇、葛、褐、羯、蝎、蠍、鞨

が並んでいます。そして、漢字の音訓や少しだけ熟語も載っています。例えば、

  7027(区点コード)カツ ■羯磨 かつま 鞨鼓 かっこ

 漢字は熟語で憶えるのがいいので、ここに熟語が載っているのは有難いです。 そして、カツと読む曷の音符字の後ろに、他の読みをする曷の音符字が書いてあります。

 ⇒藹靄アイ 遏アツ 謁エツ  偈ゲ  掲ケイ 歇碣竭ケツ 臈ロウ WP外に(カツ。吐喇とから列島)

最後の は、配当外ですが、それ以外の漢字は全て配当漢字です。ここを見れば、曷の音符字が一目瞭然です。配当漢字で載っていないのは、だけです。そして、例えば、あのアイ藹靄のところを見ると、⇒曷カツ とあり、曷のところが参照できます。

 また、音符字については、規則性によってⅠ型からⅦ型(ⅥとⅦは規則性がないもの)に類別されており、更に小分類があって、計22の類別があります。曷の音符字については、

Ⅴ型 ―キ・―ク・―チ・―ツで終わるもの (4)他の類と複合的なもの、その他

に分類され、

カツ・ケツ・エツ・アツなどのほか、アイ・ケイやゲ・ロウなどさまざま

とあります。巻末には、[規則性のまとめ]として、規則性の順に各音符が五十音順に並んでいます。

 本書は、音読みに力点が置かれているので、訓読みについては、区点コードと音読みが書いてあるだけです。でも、同訓異字について、音読みが付記されているのは、音訓相補の観点から有益だと思います。

 1級学習において、音符を共通にする漢字の音読みの読み分けは、大事です。問題集を解いてすぐ憶えられる方はともかく、私のように何度も間違う人間は、音符毎に纏めたものを参照して、音読みの共通性や違いを比較していかないと、なかなか憶えられません。その意味でこの本は有益な参考書だと思います。

 ネットにある「新漢字辞典」を知ったときも思いましたが、こんな便利な本があるのなら、自分で音符別帳面を作る必要はありませんでした。

 著者は、この本で、第2水準までの漢字の読み書きを習熟しようと提唱されていると思いましたが、

ワープロにある字だからといって、いたずらに難解、難読な漢字を使うことは好ましくない
特に第2水準の漢字の使用はできるだけ抑えるようにしたい

とあります。日頃編集・校正の実務に当たっている著者の実感なのでしょう。面白いなあと思って、大岡様がリストマニアに挙げられている、この著者の「漢字の読み方レッスン―読む力をパワーアップ」もamazonで注文しました。



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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すばらしいレビューですね (大岡)
2007-03-05 21:09:15
ごぶさたしてしまってもうしわけありません。
私のリストマニアに言及いただき、ありがとうございます。
じつは、あの部分を書いているときは、もっぱら白魚一寸さんのことが念頭にありました。お目にとまってよかったです。

私も、テープ起こしをしていた時期があるせいか、第二水準の漢字を使うことにはためらいがあります。
でも、ふだんから使うようにしないと、記憶定着には不利になっちゃいますね。
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データベース作成は進んでいらっしゃいますか (白魚一寸)
2007-03-07 23:45:06
>私のリストマニアに言及いただき、ありがとうございます。
>じつは、あの部分を書いているときは、もっぱら白魚一寸さんのことが念頭にありました。お目にとまってよかったです。

お心に留めて頂いて光栄です。貴リストマニアは、屡々更新されており、時々覗いておりました。最近も、戦前の後藤朝太郎氏の本が追加されましたね。

以前ご紹介頂いた白石本も、まず基本形字のところを、「字統」と読み比べていました。でも、18-2でずっこけたので、48頁で中断してしまいました。その後は、漢検1級でいかに点を取るかに重点を置いてやっています。

>テープ起こし

あれは疲れますよね。話し言葉で難しい言葉は禁物でしょう。ただ、話し言葉と書き言葉とは自ずから違いがあると思っているんですが、最近はその区別も無くなってきているようですね。

>第二水準の漢字を使うことにはためらいがあります。
>でも、ふだんから使うようにしないと、記憶定着には不利になっちゃいますね。

拙ブログでは使い捲っており、漢検に興味のない知人からは読めないと言われています。だったら、勉強したらと言うのですが、受けるという人は現れません。
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ATOK漢検辞書を作りました。 (大岡)
2007-03-09 04:22:45
 データベースの進み具合ですが、データベースの構造は1級の出題形式にも対応して、できるかぎり入力作業を軽減できるように設計できました。しかし、しばらく2級以下の入力作業に注力していたため、準1級以上については、肝心の中身は空っぽ状態でした。最近、ようやく中身を充実させる作業に取りかかりました。

1.見出し漢字のレコードを作成(Wikiの1級・準1級指定漢字一覧をもとに、エディタで半角スペースをタブに変換ののち、インポート。各字種の先頭1字を見出しに設定)。
2.部首を登録(Wikiの一覧はもともと部首順なので、スクリプトで半自動的に設定)
3.過去問、四字熟語を登録し、その中の使用漢字と、1の見出し漢字とをリレーションすることにより、配当漢字の重要度の目安とする。さらに、1の見出し漢字のレコード中に出題熟語とその意味を電子辞書からコピペ。用例として過去問を引用し、教材に仕立てる。

 2までは容易でしたが、3での入力が2級以下と比べて格段にたいへんとわかりました(先達の方々がおっしゃるとおりでした)。そこで、予定を変更し、見出し漢字の読みの登録を優先しました。
 ここまでの作業の成果として、ATOK単語一括登録用の単語ファイルを生成できました。これで以後の入力の労が軽減されます。せっかくですから、下記に公開しておきます(「漢検」フォルダ内)。
 ATOK漢検辞書用単語ファイル
 http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/macgyverism2007/

(使い方)
ATOK 辞書ユーティリティの「一括処理」で単語ファイルとして指定します。形式は「ATOK」。詳しくはATOKのヘルプを参照。
(補足)
・動詞については、五段動詞と一段動詞の判別がデータベースによる自動計算では不可能のため、一律に名詞と設定。したがって、動詞の変換は終止形(ないし連体形)で行う。
・ATOK2006 for Macで動作確認ののち、改行コードをWindows用に変換したもの。エディタで適宜、修正すれば、別のバージョンのATOKや、他の入力プログラムでも使用可能。
・標準字体への変換を原則とするが、標準字体がJIS第二水準漢字までに含まれず、かつ許容字体がJIS第二水準漢字までに含まれる場合には、許容字体に変換する(ただし、四字熟語ではそのような考慮を省略し、原則のみ)。したがって、標準字体・許容字体いずれもJIS第二水準までに含まれない漢字については、環境によっては文字化けする。
 Windowsでは、その場合でも、
ヒラギノOpenTypeフォントのWindows版
http://shop.vector.co.jp/service/servlet/Catalogue.Detail.Top?ITEM_NO=SR033313
をインストールすれば(28,140円!)、OpenType対応ソフト上で、3字([金逆][魚尓][魚惠]として登録)以外は、おそらく正しく表示される(未確認)。
 Mac OS Xでは、ヒラギノOpenTypeフォントが工場出荷時から搭載されているため、3字([金逆][魚尓][魚惠]として登録)以外は、正しく表示される(確認済み)。
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1級漢字に親昵できる (白魚一寸)
2007-03-10 10:47:02
>ATOK単語一括登録用の単語ファイルを生成できました。これで以後の入力の労が軽減されます。せっかくですから、下記に公開しておきます(「漢検」フォルダ内)。
 ATOK漢検辞書用単語ファイル
http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/macgyverism2007/

早速ダウンロードし、標準辞書に入れて使っております。括弧内の!は今使っているときの実感です。yahooにこういう置き場があるんですね。

>詳しくはATOKのヘルプを参照。
>・ATOK2006 for Macで動作確認ののち、改行コードをWindows用に変換したもの。エディタで適宜、修正すれば、別のバージョンのATOKや、他の入力プログラムでも使用可能。

私は、ATOK16を使っていますので、ヘルプを読んだら単語ファイルの先頭に!!DICUT16を入れよとありました。貴殿のファイルの先頭は、!!ATOK_TANGO_TEXT_HEADER_1となっていましたので、ここを置き換えました。

>ATOK 辞書ユーティリティの「一括処理」で単語ファイルとして指定します。形式は「ATOK」。

このとおり、指定して登録の鈕を押(轂、擠、挨、托も変換候補に出てきた! 「必携」の音訓全部入っているのかな)しました。すると、飆(つむじかぜで同訓異字が4つも出ました!)の如く、標準辞書に登録されました。登録された単語数15717、登録されなかった単語数1080と出ました。何故、登録されなかったのが一部あるのか、どれかはよく分かりません。

拙ブログを書くには、ATOKの標準辞書では、可成り語彙が貧弱で、あまり大きな声では言えないのですが、以前ご紹介頂いたソフトを使っておりました。あのソフトも優れ物で、意味やJISの水準を知るのに有益です。ただ、入力という観点では、別(変換のトップに鼈が出た!)のソフトを立ち上げ、漢字を探し、WORDにコピペするという手間がかかります。貴殿のファイルで一気に入力作業が楽になりそうです。今後はあのソフトも併用しながら1級漢字に更に親しめそうです。

他にもお返事したいところもありますが、取り急ぎ、お礼を申し上げます。
返信する
新規辞書としたほうが使い勝手がいいと思います (大岡)
2007-03-11 11:33:14
さっそく、お使いいただきありがとうございます。

>登録された単語数15717、登録されなかった単語数1080と出ました。
>何故、登録されなかったのが一部あるのか、どれかはよく分かりません。

一つ考えられるのは、すでにご自身で単語登録していたものとの重複です。
ただ、手作業で1080も単語登録されるものなのか。まめすぎなので違うかも…。
私のATOK2006でも、1級四字熟語について、原因不明の登録エラー(「書式が間違っている」云々で登録できなかったとされるのに、実際には登録されている)がありました。

>早速ダウンロードし、標準辞書に入れて使っております。

先に書けばよかったのですが、標準辞書にそのまま入れてしまうと、使い勝手が悪くなる気がします。日常の使用で「あい」と変換しようとしただけで、それを音読みとする1級漢字がずらずらと変換候補に出てきてしまうのですから。
(前回のコメントでは収録内容を明示していませんでした。(1)漢字必携一級掲載の常用漢字の表外音訓、(2)漢字必携一級掲載の準1級、1級の音訓、(3)『漢検四字熟語辞典』の一級配当四字熟語、です。)
一般的には、次のようにして、独立に変換辞書を新規作成して使用するのがおすすめです。
1.[辞書ユーティリティ]-[辞書ファイル]-[辞書作成]で辞書ファイルを新規作成して(「ATOK漢検辞書」とでも見出しをつける)。
2.[辞書ユーティリティ]-[一括処理]-[単語一括処理]では、「ATOK辞書」ポップアップメニューの[辞書ファイル指定...]により、1で新規作成した「ATOK漢検辞書」と指定する。
3.(エラーが生じた場合の原因特定のためのオプション)出力ファイルの[設定...」ボタンで、出力ファイルを指定し、[Unicodeで出力する]にチェックする。

このようにして、単独の変換辞書として作成ののち、
[ATOK環境設定]-[辞書・学習]で、標準辞書セットの中に追加します(ただし、すぐ後に述べるように私自身は標準辞書セットには追加していません)。「↑上へ」「↓下へ」ボタンで変換の優先順位が決定できます。一般的には、一番下にするのが無難でしょう。

私自身は、標準とは別の辞書セットにのみATOK漢検辞書を追加して、control+5キーで指定変換できるようにしています。これにより、1級用の入力時には1級用として登録したものだけを明示的に変換候補に登場させることができるわけです。
(標準辞書セットに追加して使用される場合でも、あわせてこのように指定変換もできるようにしたほうが入力効率が上がると思います。)

なお、すでに標準辞書セットに渾然一体としてしまったものを削除するには、[辞書ユーティリティ]-[一括処理]-[単語一括処理]で、単語ファイルを指定のうえ「登録」のかわりに「削除」を押せばよいです。詳しくは、ATOKヘルプの「単語ファイルを利用して、単語をまとめて削除する」を参照。
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多少不便も勉強の内 (白魚一寸)
2007-03-11 23:16:56
>一つ考えられるのは、すでにご自身で単語登録していたものとの重複です。
>ただ、手作業で1080も単語登録されるものなのか。まめすぎなので違うかも…。

今使っているのは、昨年末に買ったばかりですから、殆ど単語登録はしていません。家族4人で使っていますが、みんなずぼらですから、単語登録は殆どしたことありません。確か、「漢検」は登録した気がしますが。

>(エラーが生じた場合の原因特定のためのオプション)出力ファイルの[設定...」ボタンで、出力ファイルを指定し、[Unicodeで出力する]にチェックする。

これを遣っておけば良かったですね。原因特定のためにもう一度遣ってみた方が宜しいでしょうか。

>標準辞書にそのまま入れてしまうと、使い勝手が悪くなる気がします。日常の使用で「あい」と変換しようとしただけで、それを音読みとする1級漢字がずらずらと変換候補に出てきてしまう

確かにそのとおりですが、私は結構楽しいです。普段お目にかかれず、今までは入力一つに苦労していた1級漢字がずらずらっと出てくるんですから。それと、下の候補が上へ上がれば、その仮名については次回からは問題ありません。

娘達は、戸惑っていましたが、世の中便利すぎるから、子供が多少不便を感じることはいいことです。日常、子供達が、1級漢字に触れることは望んでもできることではないのですから、暫く今の儘にしておきます。

>入力効率が上がる

私はたらたら打ってますので、多少時間がかかってもあまり苦になりません。

>すでに標準辞書セットに渾然一体としてしまったものを削除するには、[辞書ユーティリティ]-[一括処理]-[単語一括処理]で、単語ファイルを指定のうえ「登録」のかわりに「削除」を押せばよいです。詳しくは、ATOKヘルプの「単語ファイルを利用して、単語をまとめて削除する」を参照。

この方法を教えて戴きましたので、いつでも戻せます。

>一般的には、次のようにして、独立に変換辞書を新規作成して使用するのがおすすめです。
>1.[辞書ユーティリティ]-[辞書ファイル]-[辞書作成]で辞書ファイルを新規作成して(「ATOK漢検辞書」とでも見出しをつける)。

>[ATOK環境設定]-[辞書・学習]で、標準辞書セットの中に追加します(ただし、すぐ後に述べるように私自身は標準辞書セットには追加していません)。「↑上へ」「↓下へ」ボタンで変換の優先順位が決定できます。一般的には、一番下にするのが無難でしょう。
のですから。

>標準とは別の辞書セットにのみATOK漢検辞書を追加して、control+5キーで指定変換できるようにしています。これにより、1級用の入力時には1級用として登録したものだけを明示的に変換候補に登場させることができるわけです。
(標準辞書セットに追加して使用される場合でも、あわせてこのように指定変換もできるようにしたほうが入力効率が上がると思います。)

再度登録するときの方法について、知りたいことを全部教えて戴いて恐縮です。ATOKのヘルプをもっときちっと読まなければいけませんね。以前は、ソフトの説明書は隅から隅まで読んだものですが、デジタルデータになってからは最小限必要なところだけ見て、とりあえず遣ってしまうという風になりました。それにしても、ATOKは、痒いところに手が届くソフトですね。この程度は最近は当たり前なのかもしれませんが。

>収録内容
>(1)漢字必携一級掲載の常用漢字の表外音訓、(2)漢字必携一級掲載の準1級、1級の音訓

確か、以前のコメントでは、必携の訓と、その意味を有する熟語をリンクされるということでしたよね。過去問と四字熟語全部がリンクされたら素晴らしいなあ。私は、「辞典」の見出し語にある訓しか憶えないとしていますが、あまり憶えるべきことを少なくすると、音熟語の意味が分からなくなることがあるんですよね。

>(3)『漢検四字熟語辞典』の一級配当四字熟語

鑿壁偸光も一発変換で出てきて、あれ、登録したんだったかなあと思って、他にもいくつかやってみたら孰れも一発変換。ファイルを見たら最後の方に並んでいました。めざせ漢字検定一級のkumi様もこれは便利ですよ。

これから愈1級のデータベース化ですね。完成を祈念しております。
返信する
必携の訓を熟語の分類に使用する予定は変更 (大岡)
2007-03-12 02:51:53
>原因特定のためにもう一度遣ってみた方が宜しいでしょうか。

お手数ですが、お時間のあるときにでも、よろしくお願いします。
エラー保存先を指定の上、前回と同じように登録してみてください。
こんどは、登録済み単語ばかりですから、ほとんどがエラーとなって当然です。
問題はエラーの内容ですね。「すでに登録されています」以外にどんなメッセージが、どんな単語について表示されているか。そしてそれは実際に登録されておらず変換できないのか。
エラーの傾向がみてとれるような数例でけっこうですので教えていただけると助かります。

>確か、以前のコメントでは、必携の訓と、その意味を有する熟語をリンクされるということでしたよね。

リンクというか、必携の訓を小見出しのように配置し、その訓の意味で漢字が使われている熟語、四字熟語を下位に列べる、というふうに予定していました。
しかし、漢検漢字辞典の見出しとなった熟語を数えた貴ブログの記事を拝見し、また実際に一級用の漢字の漢検漢字辞典該当箇所をみると、1漢字あたりの見出し語の数が、常用漢字に比べて少ないですね。少ないものを必携の訓ほどに細かく分類しようとしても、うまくいきません。下位が存在しない小見出しが並ぶはめになります。

そこで、現在、予定しているのは、漢検漢字辞典の「意味」欄を小見出しとすることです(「〈○○〉の意味で」という小見出しの下に熟語を並べる。そこに、国語辞典から語釈をコピペし、過去問を用例として追加する)。すでに2級までは、そのように作ってきました。準1級以上でも同じ方法をとるということです。
どの意味にどの熟語が相当するかは、漢検漢字辞典の意味欄にも例示があるし、ある程度は熟語の語義から判断がつきます。微妙なところは、もとから意味別に熟語を配置している『現代漢語例解辞典』を参考にしてきました。準1級、1級では『合格捷径』も参考になるはずです。
この方法には、五十音順配列より、熟語に使用された漢字の意味を自然に意識する効果があるように思います(当「者」比で10%増ぐらい)。1級では出題されませんが、「熟語の構成」にも強くなります。

>私は、「辞典」の見出し語にある訓しか憶えないとしていますが、あまり憶えるべきことを少なくすると、音熟語の意味が分からなくなることがあるんですよね。

私も「辞典」の見出し語にある訓しか憶えないという方針で進める予定です。音読みも同様に。そこで、漢検漢字辞典ではどの読みを掲載しているかを記載する欄をあらたに作って、少しずつデータを入れています。その過程で気づいたのですが、漢検漢字辞典と漢字必携とで、音読みの掲載順が異なる場合がしばしばありますね。漢検漢字辞典の順序のほうが、実際の使用頻度順に近いです。使用者が第一に思い浮かびそうな(=使用頻度が高そうな)音読みを先頭に掲載し、それを基準に辞典内での配置順を決定するという作りになっているようです。
返信する
ATOKさんが受験したら合格する (白魚一寸)
2007-03-13 22:40:07
>エラー保存先を指定の上、前回と同じように登録してみてください。

前回と同じファイルを使って、標準辞書へ一括登録処理をしました。
今回は、登録できたものはO,登録できなかったものが16797でした。

>「すでに登録されています」以外にどんなメッセージが、どんな単語について表示されているか。

出力ファイルをメモ帳で開いて、右下の矢印を押しっぱなしにしてスクロールしました。まず、

いやしい〜 匹 名詞
!!読みに不適切な文字が含まれています

が見つかりましたので、「読みに不適切な文字が含まれています」で検索したところ、

2004名詞 良 名詞
!!読みに不適切な文字が含まれています
むずか(る) 憤 名詞
!!読みに不適切な文字が含まれています
きれはし  柮 名詞
!!読みに不適切な文字が含まれています
うずら=鳥の名 痺 名詞
!!読みに不適切な文字が含まれています

の4つがありました。

はじめ 一め 名詞 から
わこうあんばい 和羹塩梅 名詞 まで
全部スクロールしましたが、他は全て「すでに登録されています」だったと思います。ただ、眼にも止まらぬ早さでスクロールしたので、見落としがあったかもわかりません。

>そしてそれは実際に登録されておらず変換できないのか。

むずかる は、変換候補なし
きれはし は、「切れ端」だけ
うずら は 「鶉」と「ウズラ」
しか出ません。

良の表外音訓は、「必携」によれば、やや だと思いますが、やや の候補に良はありました。
(なお、良(やや)の読みは、14-2の文章題で出題されていますが、「辞典」の訓には載っていないので、私は出題されないと思っています。)

こんな報告で宜しかったでしょうか。
返信する
また辞書が買いたくなってきた (白魚一寸)
2007-03-14 07:07:11
>実際に一級用の漢字の漢検漢字辞典該当箇所をみると、1漢字あたりの見出し語の数が、常用漢字に比べて少ないですね。

そうなんですよね。まだ、数えてる最中ですが、見出し語一つが今のところ、約700,見出し語二つのものも同じくらいあるんじゃないかと思っています。

>そこで、現在、予定しているのは、漢検漢字辞典の「意味」欄を小見出しとすることです(「〈○○〉の意味で」という小見出しの下に熟語を並べる。そこに、国語辞典から語釈をコピペし、過去問を用例として追加する)。すでに2級までは、そのように作ってきました。準1級以上でも同じ方法をとるということです。

漢字の意味を理解するのにいいですね。意味によって、音読みが異なる(例えば藉)のがありますから、そういうのもわかるようになるといいですね。

常用漢字の意味については、1級漢字と構成される熟語でしか使われない意味がありますよね。例えば、隠が「あわれむ、うれえる」という意味で使われるのは、「辞典」に載っている熟語では、惻隠だけですよね。

また、常用漢字だけで構成される熟語でも、1級を学習して初めて知った常用漢字の意味があります。例えば、先考の考には、「死んだ父」という意味がありますが、1級を学習して初めて知りました。1級の学習で随分常用漢字の意味も広がった(逆に言えば、いままでの常用漢字の知識は可成り不十分だった)と思っているのですが、そういうのももうデータに入っているんだろうなあ。

>意味別に熟語を配置している『現代漢語例解辞典』

漢検のことも考えてくれているみたいですし、良さそうですね
http://www.web-nihongo.com/dictionary/dic_10/d-index.html

以前ご紹介頂いた後、新刊書店の漢和辞典のコーナーで探していたのですが、並んでいませんでした。最近の新刊書店は、かなり大きなところでも、新刊ばかりを並べて、古いものはどんどん撤去しています。店主に本の目利きが出来るのがいないからでしょう。つまらない本ばかりが並んでいます。

今度、図書館で見てこようと思います。買いたいなあと思いますが、本ばかり買っても宝の持ち腐れになりますから、買うのは慎重にしようと思っています。

>1級では出題されませんが、「熟語の構成」にも強くなります。

2級までの熟語の構成の問題は、1級熟語を理解するのにもかなり有効ですよね。部首や送り仮名も、1級漢字を理解するのに有益です。出題はなくなっても、2級までの出題問題は、漢字理解に有益だなあと思っています。子供達にも受けさせたいのですが、これは儘なりません。

>漢検漢字辞典と漢字必携とで、音読みの掲載順が異なる場合がしばしばありますね。漢検漢字辞典の順序のほうが、実際の使用頻度順に近いです。使用者が第一に思い浮かびそうな(=使用頻度が高そうな)音読みを先頭に掲載し、それを基準に辞典内での配置順を決定するという作りになっているようです。

これは全く気づきませんでした。「辞典」と「必携」の音読みの順序は全く同じだと思っておりました。「辞典」は色々なところで、従前の漢和辞典にない新機軸を打ち出しており、屹度漢字オタクが精魂込めたのだろうなあと思っております。

なお、「辞典」に見出し語が載っていない音読みがかなりありますから、私はそういうのは全部括弧に括って、憶えるべきことを少なくしています。満点は無理でも、1級合格という観点では、かなりの漢字が音読み一つで済むと思っています。
返信する
使われない「意味」 (大岡)
2007-03-15 22:31:12
>こんな報告で宜しかったでしょうか。

どうもありがとうございます。おかげさまで誤りを修正することができました。
当初1080も登録されないと表示されたうちのほとんどは、ATOKの不可解な動作みたいですね。

>常用漢字の意味については、1級漢字と構成される熟語でしか使われない意味がありますよね。...そういうのももうデータに入っているんだろうなあ。

そこは作業していて迷った部分です。貴ブログの「憶えるべきことを少なくする」という方針を、私は2級以下の教材作成でもとっています(学習を効率的に進めるための基本戦略だと思います)。すると、1級以上にしか登場しない「意味」の叙述は、冗長な情報ということになります。

実際、意味と熟語の対応関係を意識させることをせずに、意味をただ羅列しただけだと、意味欄全体が読み飛ばされやすくなります(『ステップ』の漢字表の意味欄は、そういう存在になりがちという気がします)。
かといって、2級以下学習時には準1級以上熟語にしか使われない「意味」は存在しないかのように教材上から消してしまうということにもためらいがあります。漢字知識の広がりへの期待を捨てきれないし、冗長な情報がかえって記憶の定着に資する場合もあるからです。

そこで、結局、「意味」欄には、漢検漢字辞典掲載の意味をそのままのせ、かつ、熟語に使われた意味はボールド体で強調するということにしました。ボールド体になっていない「意味」の叙述は、熟語に使われてない以上は原則としてスルーするものの、興味があれば見ることもできる、というふうにしたのです。

ちなみに、学習する熟語で全部の「意味」が使われていたら(半数以上はそんな感じです)、先の方法では意味欄全部がボールド体になってしまいます。これでは、強調しすぎでかえって強調ではなくなるし、なんとなく美しくありません。そこで、そのような場合は、何もボールド体にしないことに、途中から方針変更しました。一貫してないのが気持ち悪いです。

>子供達にも受けさせたいのですが、これは儘なりません。

先週、NHK週刊こどもニュースに、漢検一級の小学生が登場していました。単語カード方式で学習したそうです。本人の字に比べ、画面に写った単語カードの字がきれいすぎました。親が単語カードを作ってやったのだろうと拝察しました。
白魚一寸さんの場合も、音符別帳面を子供のために作れば… 冗談です。

>「辞典」は色々なところで、従前の漢和辞典にない新機軸を打ち出しており、屹度漢字オタクが精魂込めたのだろうなあと思っております。

漢字オタクも何人もいるんでしょうね。意味欄は辞書によって差がよくあらわれますが、『ステップ』と漢検漢字辞典を見比べてみると、表現や意味の分け方が違ってる場合が多いです。別チーム?

>1級合格という観点では、かなりの漢字が音読み一つで済むと思っています。

それも模倣させていただきます。
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