鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

法則性は難しい [繆―糸]の音符字

2006年10月07日 | 音符が共通な漢字(参考書等を含む)

 (21.4.8  ×や△の漢字も学習することにしたため修正、過去問情報も追加)

(1外 リュウ リョウ)の音符字は、常用漢字にはなく、準1級では、

(ビュウ あやまる)

一つ
です。

「新漢字辞典」の番外11画及び「音符字典」に載っている漢字の内、鏐は、「大漢和」にも熟語がないので無視すると、1級配当のものは、

ビュウ (リョウ)(ボク)(5)繆 不繆(ふびゅう7-2Y  綢繆(ちゅうびゅう15-3Y 18-1Y

リョウ (6)寥 さび(しい) 寂寥(せきりょう5-1Y 11-3K 17-2K 廓寥(かくりょう15-1Y  蕭寥(しょうりょう19-1Y

[リョウ] △


[リョウ] (4)蓼 たで7-3K 13-1K 16-1K

ロウ (2)醪 もろみ12-1Y 濁醪(ダクロウ19-3Korどぶろく

コウ
(11)膠 にかわ 膠漆(こうしつ13-2K 15-3K

リク  (5)戮 ころ(す) 協心戮力11-2K 戮力(りくりょく14-2Y 戮力同心17-2K

リク (2)勠 あわ(せる) 勠力(りくりょく20-3Y

(キュウ)(コウ) ×摎

[キュウ] △樛

リュウ→ビュウ、キュウ リョウ→ロウ、コウは子音の揺れでしょう。ただ、声に出してみましたが、口形が近いといえるのかよくわかりません。また、リュウ→リクへの揺れもよくわかりません。

「字通」のの声系欄には、「来母(l)、見母(k)、明母(m)、端母(t)の音がある」とあり、どうも中国語の発音の説明のようなのですが、さっぱりわかりません。

法則性は措いておいて、音読み見出し語で憶えていくのがいいように思います。

(18/10/11追加)
なんて書いたところ、大岡様から、法則性について有意義なコメントを頂戴しました。



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2 コメント

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要素形的漢字学習指導法による説明 (大岡)
2006-10-07 01:14:50
白石光邦『要素形的漢字学習指導法』おうふう22頁以下にまとめられた音符の変音法則を、目次に本文から説明と具体例を適宜補って板書風にご紹介します。



第二章 形声漢字の音符の変音法則

(一) 変音法則の概説

  音符の音が一字である場合を一字音、二字である場合を二字音という(ショなどの拗音は一字とみなす)。二字音の上の字の音を上字音、下の字の音を下字音という。上字音の変化法則は一字音の変化法則を兼ねる。下字音はあまり変わらない(下字不変の法則)。

(二) 五十音法

 五十音法というのは、二字音の音符の上字音の変化については、五十音図を基準にして法則を設け、下字音の変化については、かな相互の間の変化の法則を設けたものである。

 一 上字変化の法則とその指導

  (1) 同段変化(例:「至」→「致」、「占」→「点」)

  (2) 同行変化(例:「反」→「返」、「山」→「仙」)

  (3) 拗直変化

   (イ) 同段同行変化(例:「古」→「居」、「丁」→「灯」)かなりが後掲げローマ字法のyの添落に相当。

   (ロ) 混合変化[(3)イと(1)(2)の混合](例:「尺」→「択」、「酸」→「俊」)

   (ハ) 上字添落変化(例:「尺」→「訳」、「由」→「宙」、「挙」→「誉」)

  (4) 例外変化

 二 下字変化の法則とその指導

  (1) 下字添落変化(脱落の例:「必」→「秘」、「インチキツク」どれかの添加の例「古」→「克」)

  (2) ツ・イ変化(例:「列」→「例」、「祭」→「察」)

  (3) ウ・ク変化(例:「口」→「谷」、「告」→「浩」)

  (4) 例外変化

 三 二字変化の法則とその指導

  二字音の上の字も下の字もどちらも変わる変化。

  (1) 既修法則変化[二字音の上の字は一項で処理し、下の字は二項で処理](例:「鬼」→「塊」:同行変化+下字添落変化)

  (2) □ェイ・□ョウ変化(例:「青」→「情」、「令」→「領」、「敬」→「驚」)

  (3) 例外変化

(三) 五十音法による指導字一覧(475字)

(四) 五十音法の運用

(五) ローマ字法

  (イ) 二字音の上字音の変音法則

   (1) 子音変化の法則

     【転音】

      k←→s←→t[これが転音の中心]

      r←→k(例:「林」→「禁」)

      n←→t(例:「任」→「賃」)

      s(z)←→n(例:「然」→「然」)

      k←→h(例:「記」→「妃」)

      m←→b(例:「免」→「勉」)

     【再転変化】「吏」→「使」のr←→s変化は、rが一度kに転じ、そのkから再びsに転じた再転変化であるが、この再転の音までを法則変音とし、それ以後の変音は例外として扱う。

     【音の添落】五十音法のキョ→コ、ショ→ソ、チョ→トの変化はyの添落による変化。転音の中心であるk,s,tもかなり添落する。

   (2) 母音変化の法則

      a←→i(例:「可」→「奇」、「皮」→「波」)

      a←→e(例:「干」→「軒」、「原」→「願」)

      a←→o

      o←→u

      o←→i

      aの添落(例:「非」→「俳」、「台」→「治」)

      e←→yo(五十音法の□ェイ・□ョウ変化)

  (ロ) 二字音の下字音の変音法則

    五十音法では、下字の変音法則を下字変化と二字変化との二つに分けたが、ローマ字法では、一緒にして次のようにする。

    (1)ツ・イ変化、(2)ウ・ク変化、(3)ウ・イ変化



----------------------------

以上の分類を今回の記事にあてはめてみましょう。



>リュウ→ビュウ

五十音法における同段変化、ローマ字法におけるr→(k)→bの再転変化。



>リョウ→ロウ、コウは子音の揺れでしょう。



リョウ→ロウは、五十音法における拗直変化のうちの同段同行変化、ローマ字法におけるyの脱落。

ロウ→コウは、五十音法における同段変化、ローマ字法における子音変化の法則のr←→k変化。



>また、リュウ→リクへの揺れもよくわかりません。



五十音法における二字変化のうちの既修法則変化(上字音のリュ→リは拗直変化、下字音のウ→クはウ・ク変化)、ローマ字法におけるウ・ク変化。
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白石先生の本買いました。 (白魚一寸)
2006-10-14 12:17:39
>白石光邦『要素形的漢字学習指導法』おうふう22頁以下にまとめられた音符の変音法則を、目次に本文から説明と具体例を適宜補って板書風にご紹介します。



ありがとうございます。板書ですから、手書きで写すのが礼儀でしょうが、失礼ながらプリントアウトしました。法則性って私好きなのです。自分の音符ノートと対照して学習してみようと思っています。



大岡さんの纏めを見て、とても欲しくなり、「日本の古本屋」で注文し、本日届きました。青い表紙に和同開珎、いいですねえ。



当用漢字プラスアルファの1975字の教育法が全部解説されています。索引も充実しています。序文だけ読みましたが、当用漢字(現在は常用漢字)を音符別に勉強すれば、常用外の漢字の学習にも有益という点は我が意を得たりです。



字源が、加藤常賢氏と藤堂氏に拠っていて、白川説が参照されていないのは残念ですが、白石先生は、東大系だからやむを得ないですね。



白石先生は、学校の先生もしたのですね。こういう先生に教えて貰った生徒は幸せだなあと思います。心ある国語教師が、こういう本や宮下先生の本などを繙いて、子供達にどうやって漢字を教えたらいいか、心を砕いて欲しいなと願っています。逆説的ですが、現今の漢検の隆盛は、却って、漢字教育の危機ではないかと思っております。



なお、今日「日本の古本屋」で著者名「白石光邦」で検索したら、まだ2冊売っています。書名の記載が若干違っていたので、書名からは検索できなかった。いずれも1500円で私が買ったのより500円も安い。古本買いはよくこんなことがあります。著者名で検索するということを失念していましたが、書名くらい正確に入力して欲しいよね。白石先生の「祝詞の研究」も欲しいけど、これは、本当にお預けにしておこう。
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