EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

写真UP

2010年05月31日 | 日記


先日参加したコンクールの写真をUPします。
まずは、メッヘレンの町並みから。
さくらが演奏されていたかリオンのある、聖ロンバウツ大聖堂。
16世紀に栄えた町です。
戦争で多くの物は無くなってはいるものの、
中世の町並みが残っていたり、穏やかな町でした。



運河に歩道がかけられていて、散歩している人達が沢山いました。
のんびりした雰囲気。



コンクールの審査員。




いつも伴奏してくれているジャックさん。




表彰式。


今思い出すといい雰囲気でした。
それもこれも、主催者や関係者の雰囲気がとてもよかったのだとおもいます。
演奏前に、がんばれ~!とか、落ち着いてね!とか
待ち時間もとても気さくに笑顔で話しかけてきたり、、、
演奏後も見に来ている人が感想を言いに話しかけてきてくれたり。


去年、ブルージュ古楽コンクールを見に行った時も、
割と雰囲気は良かったように思いました。



ところで、今月は、エリザベート国際コンクールもあったのです。



こちらは、すごい熱気と、テレビやラジオ、ホール内で、生中継のレポーターは居るし
ライトも何故か赤で、なんだか、ギラギラした感じ。
それは、客席や、チケット売り場、街中でも盛り上がりをみせていました。

リコーダーコンクールで入賞しました。

2010年05月20日 | 日記
先日、メッヘレンという町で
リコーダーコンクールがあり、2位を頂きました。


そのコンクールは、去年、あるベルギーのリコーダー奏者が
病気で亡くなり、その追悼の意を込め、始まり、今回が一回目のようです。
続くのかしりませんが・・・。


その方は、病気になる前まで、今の自分の先生のリコーダー同僚で、
私の音楽院でも教えていたそうで、舞台上には大きな彼女の写真が掲げられていました。
最期はとてもかわいそうだった。。といろんな人が言っていました。
(現代リコーダー音楽分野で今一番有名なリコーダー奏者も同じ病気と闘っているそうです。筋肉が固まって動かなくなるので、もうその人もリコーダーを吹くことが出来なくなっていて、治る方法が無いとききました)




私の出場したカテゴリーは、ベルギー人は一人しか居なくて、
残りはすべてドイツやポルトガルなど外国から来ていました。


ベルギーではよくある光景なのですが、
すごく緊張した雰囲気になるはずの場面が、なぜかとても和やか。。。
演奏者は外人ばかりでしたが、感じがなんて、いいんだろう。。。
コンクール前なので、みんなもちろんストレスを感じてはいるものの、
気さくにしゃべり、いい人たちばかりでした。
リハーサル室をゆずりあったり・・・。

英語での会話だったので、(私は英語ができないし、)
あまり沢山お話ができませんでしたが、連絡先交換をしたらよかったな。。。



このコンクールを受ける事を半年くらい前から決めて、曲を探したり、
準備をして、2ヶ月くらい前から集中して取り組もうとしていたやさき、
その後からもう色々な事があり、

最後には、リコーダーが紛失。。。。

当日の2週間前に紛失していたリコーダーがようやく戻ってきて、
そのまだ新しいリコーダーでの演奏だったりと、かなり直前は
ナーバスになったり、モチベーションが随分下がったりと
なかなか集中できずじまいでした。
その間に室内楽の試験やら、フィルム録音やら、、、

いつも伴奏してくれているチェンバリストとも
そんなこんなで、直前に急に音楽が合わなくなってしまったりと
やっぱり、自分の思い描くように、時は運ばないもんだなーーーと
痛感した日々でした。



曲も色々悩んだ揚句、古楽コンクールという事ではないので、
バイオリンの曲をリコーダー用にアレンジした曲と、
現代曲の2曲を演奏してきました。


こんなに1つの曲に向かい合ったことは人生ないな、、、という感じでした。

本当は日本でもいつの日かこの曲を演奏したいと思っているのですが、
チェンバロ奏者も当日とても良く演奏してくれ(私よりも良かった)
もしかしたら、日本では演奏する事はできないかもな、、、と
なんとなく今は思います。


そのアレンジと、装飾、現代曲の演奏解釈、
音の音色などが評価されて2位を頂きました。


でも、正直に言うと悔しくて、表彰の時には多分私だけ一人
泣きそうになっていました。
そして、帰って友達に付き合ってもらい、朝まで飲みあかしました。


それだけ、曲や伴奏者、先生方とのともにした時間や、
どうしても、そういう場で
パーフェクトには演奏できない悔しさやら、
なんといったら良いか分からない後悔の念やら、

過ぎてみるとただ、コンクールの賞を取る事だけに
向けたエネルギーだけじゃなく、良い経験になったなーと思いました。



次の日にミニコンサートと室内楽の試験があり、酷い二日酔いと睡眠不足で
ワインがうっ。。。と出てくるかと思いました(おっと、失礼・・・)


そして、先日偶然リコーダーマガジンを見たら、
一位を取った子がでかでかと表紙に載っていました。
どうやら、別のコンクールの優勝者だったみたいです。


しかし、それから1週間、なんだかやる気もでず、
リコーダーをほとんど触らない日が続いてしまいました。



この前、友達が言ってくれたフレーズ。(訳がうまくできないけど、)


夢は、十分に大きく持つ事だ。
それに向かって走り終えた後、見失わないために。



私の夢はなんだろうな~~~。
小さな夢や、目標はいつも持つようにしていますが、
なんだろう。。。と最近良く考えます。

でも、私は、目標や目的がないと、
音楽を続けては行けない。




ところで、、、
メッヘレンの音楽院で行われたのですが、
その近くに、大きな教会があり、カリヨンがなっていました。
初めての経験でしたが、ヨーロッパのカリヨンが


さくら を演奏していました。。。。。。


信じられない光景で、思わずそこらへんに居る人達の顔をみてしまいました。
私一人、不思議な気分になって、ひとりで笑って、
日本が応援してくれているような気分になって、会場に向かったのでした。。。。



正直、
帰り道は、二度ともう来るかっ!!!と思っていましたが、
今振り返ると、中世の町並みが残る、素敵な場所でした。




真っ暗な空

2010年05月17日 | 日記
ううう。。。ベルギーには春というものはありません・・・。


先日また冬が戻り、冬物のコートを着ていました。
そろそろ暖かくなるかなーと思いきや、今日は空が真っ暗・・・
と思えば、夕方ごろ晴れたり。。。。。

最近写真がたまってきて、またブログをマメに更新したいなーと思う
今日この頃・・・。


昨日は、現代音楽のコンサートにリコーダー奏者も出るという事で
聞きにいきました。どうやら、学生の試験だったようですが、
なかなかなレベルでしたよ。



ベルギーは今エリザベートコンクールピアノ部門が開催されています。

http://www.qeimc.be/

日本人も本選に残ったようですよ★
予選は音楽院で、本選はボザールで昨日から始まりました。



母の声

2010年05月14日 | 日記
実はベルギーにきて、もうそろそろ3年が経とうとしていますが、
一度も家に電話をしたことがありませんでした。

はじめの年は、インターネットを使って電話をたまにしていましたが、
最近は実家のパソコンが壊れてしまい、インターネットが使えなくなり、
気がつけば、9月から親の声を聞いていなかったのでした・・・・。


という話をしたら、昨日一緒に遊んでいたフランス人が、
EMI!!!それは駄目じゃない!母の日もあったのに!
今から電話をかけなさい!とインターネットをつかって
安く電話できるから、プレゼントしてあげると、電話をかけてくれました。


随分久しぶりの母親の声になんだかすごく安心して、
めちゃめちゃ関西弁がでてしまいました~~。

母親は驚きとうれしさで泣きそうなのが、良くわかりました。

携帯のメールには頻繁に近況メッセージを入れるようにはしていますが、
やっぱりいい事ばかりしか書きませんでした。
お互い心配かけたくないという気持ちからですが、
ほんの10分くらいの時間でしたが、マシンガンのように
話して切りました。


その後、友達が自分の実家にテレビ電話をかけたら、
家族みんなお出迎えでした。
おそらくその友達が教えたのでしょう、
お父さん、お母さん、弟、みんなが
ピースをしていて大爆笑しました。


こっちで離れて暮している学生は、
頻繁に親に電話をして、バカンス事に自分の国にもどっている。

すごく家族との時間、一緒にいることを大切に考えていて、
日本は、どちらかというと、自立する事のほうを
大切にしているような気がします。


声をちょっと聞いただけで、健康か、幸せか
わかるのに、いままで電話もしないで、
親不孝な娘だなーとフランス人家族の会話を聞きながら
思いました。。。。



フイルム録音

2010年05月08日 | 日記
先日ミニフィルムに音楽をつけるというプロジェクトに参加しました。

帽子をかぶったロボット人形が主役で、
ちょっと狂った、ちょっとミステリアスで可愛い曲で
作曲の男の子が作ったのでした。
なかなか曲自体は気に入ったけど、
やっぱりオーガナイズが出来ないベルギー集団。
結局録音当日まで全員が揃ってリハーサルする事なく録音。

編成は
リコーダー5重奏
バイオリン
ヴィオラ
ハープシコード
チェロ
打楽器3人(沢山)


遠くから来ている人もいるのに、17時から録音する事になり、
結局1時間くらい、機械設置に時間がかかったりで、グダグダ。
そうこうしているうちに、買出しに行ってきます~~★
とちらほら消える。

そんなこんなで、19時から録音が始まり、
はやくもみんなが帰りたいモード・・・・。


数回演奏してちゃっちゃと終わりました。


マイクを沢山並べられ、普通ならば、間違っていはいけない空気
ストレスを感じるはずですが、
まあ、なんとも楽しいゆる~~~い雰囲気で
向上心の塊みたいな人物にはまたしても会うことは出来ませんでした。

21時には解散。
出来上がりはいつ見れるのだろうか。
でも、仕上がりを見るのはとても楽しみです★




リコーダー紛失事件

2010年05月02日 | 日記
実は、リコーダーが紛失してしまったのでした。


ベルギーには4月に復活祭のバカンス(いわゆる春休み)が2週間あります。
私のバカンスは、そのリコーダー紛失事件に奪われ、悪夢のような毎日だったのだ。。。。


他人からしてみれば、たかが、笛なんですが、
私にとっては、何にも変えがたい、
沢山ある笛の中でも、今最大の期待の星!のような笛なのです。
その笛が出来上がるまでにも物語はあり、
楽器というのは、物ではないのです。


でも、他人からしたらただの、物体。



これが紛失したという事の悔しさは、人には伝えられない。







この10日間の日々で、
リコーダーが無くなったというだけではなく、
ベルギーという国、国民性の嫌な部分やら、外国人が外国で暮らすという厳しさを
嫌というほど味わったのでした。



人生思うようには行かないもんだ。。。とはよく言うけど、
本当にそうだなあと思う。
ベルギーで暮らすには、計画するとか、効率よくとか
考える時間は無駄に終わる。諦めたほうが良い。




日本のきちんとした組織、規律の中で暮らしていた私には、
ベルギーのこのいい加減さ、無責任さは正直理解し難く、
なんど、腸煮えくり返る思いをしたことか、、、、






アルトリコーダーの調整の為に、
オランダの製作家のところに修理に出していたのです。
本番が5月にあるので、それまでに間に合うように
予定を立てて、1、2週間で手元に届くはずでした。


自宅に届いた時は不在だったため、
不在届けが入っており、指定された郵便局に取りに行くと、


「ああ、まだここには来てないわ~」

という回答。来てないってどういう事?
この紙に取りに来いと書いてある。

「たまにこういう事があるのよね~~。明日また来て?」



まあ、こういうやり取り。
それが毎日続き、必要なリコーダーなだけに、
私もイライラ。

過去に2度荷物が無くなっているし、
たとえなくなっても、日本のようにちゃんと保障してくれない。
どんどん焦るわ、悲しいわ。。。途方にくれる。



きちんとした書留めで送ってあり、ナンバーもバーコードもあるから
探せないはずは無い。

センターに何度も問いあわせしたり
近所の郵便局にもまぎれていないか探したり、、、、

でもいつもその対応は、悪く、
データー状で検索するばかりで
どうにも探していない様子。。。。


配達人が、バーコードのスキャンを忘れており、
荷物がどこにあるか、誰も分からない。。。。


しかも、明らかに郵便局の過失なのにも関らず、
向こうの方が、イライラ怒っている。



なぜ!!!????



何故、立場逆転!?












自分が探さなければ、迷宮入りという感じだったので、
バカンスも終わり、一気に学校は怒涛のような毎日が始まったのに、
授業もキャンセルして、
配達してきた、そのマリーナとかいう配達屋を探して
情報を得るために、
毎朝家の前に座り込み、待ち伏せしたのでした。



別の配達屋を捕まえ、上司の連絡先やら、泣きながら聞きだし、
これでは、仕事ができない、見つからなければ、
弁護士を雇わなければならないの。。。。。

と若干脅す。



結局効果は無く、風邪だけ引く。。。。。




というのも、結局なんども足を運んで、
もしかしたら、此処にあるかもしれないから探してくれと
泣き喚き、冷たくあしらわれ続けたその郵便局にあったのだ。


どう考えても、目でみて、探していない様子だったので、
最後にだめもとと思い、
フランス語圏の男の子を連れていき、頼んでもらう。


すんなり出てきた。



結局、はじめに行った指定の郵便局にあった。
探したとか、探すとか言ってたくせに、
結局郵便局の過失であるのに、
結局なにも動いていなかったのだ。


これに似たような話もよく聞くし、
とくに ベルギーの郵便局、警察、交通機関、それからお役所関係!!
是非誰か徹底的に取材して、世界に発信して欲しい。。。。。




ヨーロッパでは、外人が泣き喚いたりすると
余計に人は力を貸してはくれない・・・・・・・
それどころか逆にキレられる・・・・
面倒な事を避けるのです。
大いに国、社会制度に問題あり・・・・。


とりあえず、愚痴を言い出したら、キリがないですし、
恥や屈辱的な思いをしてでも、
それでも自分が選んで此処に居ると決めたのだから、
絶えるしか無いのですが、なかなか簡単ではございません・・・・・


人生日々、訓練!!!




今回の出来事も、沢山の日本人の人に助けてもらいました。。。。




彼女たちが居なかったら、私はとうに日本に泣き帰っていると思う。


言いたいことが言えない、通じない、
文化の違いで理解されない異人として生きる中
そういう日本人同士の愚痴り大会、傷なめ合い会は
まさに薬。。。。。




それと、今回ようやく痛感したことがあるのですが、、、


私はどうやら、あまり運がよくないみたい。。。
ベルギーで遭遇した事件は、なかなか、自分の不運のせいで
巻き起こしているように思う。し、人にも言われる・・・・






ちなみに、、、、、


10日間、郵便局で熟成されたリコーダーは、
なかなかいいお味になって帰ってきたのでした。






いつの日か、私が黒いアルトリコーダーを吹いていたら、
ああ、あの郵便局熟成リコーダーか、、と思ってください。