EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

ナミュール

2006年08月15日 | 日記
7月6日から一週間ベルギーのナミュールという素朴な町で開かれた
国際古楽音楽祭で私はFrederic de Roos氏のマスターコースを受講しました。




そこで知り合った方から先日この写真を頂きました♪
Roos氏の音は深い海のようでした。

190センチくらいありそうな大男でしたが
音色は穏やかで温かく、演奏は本当に情緒的で
部屋が彼の包み込む音色で満たされました。

ちょっと私の大好きなH先生にも似ていて、
テレマンにも似ていて、タランティーノにも似ている気がしましたが・・・。

優しさとこまやかな(超細やかなレッスン・・・)そしてユーモアたっぷりでした。

リコーダーは6名受講。
ベルギー&フランス人(すなわちオールフランス語レッスン)
そして日本人ちび女一人ぽつんと、、、

語学も出来ないのによく行って毎日レッスン受けたなあと今は思います・・・。
でも音楽は言葉の壁を越えますね=。
言葉がなくても理解できる事も沢山あります。
それは音楽の魅力です。


人目一音でファンになってしまいました
人柄がでているなあと思いました。
あああ、やっぱり楽器は自分を映すんだな。


彼はブリュッセル王立音楽院のディレクター。
人から大きな信頼を受けているのは1週間いただけでもよく分かります。
道端、昼食時、レッスン中に(それはどうかと思うけど・・・外国って・・・)
他の楽器の生徒が先生とフレデリックに相談をもちかける場面をみました。
いつでも親身になる彼の姿勢・・・
そんな彼の出す音色に納得です!

最終日の昼食時、現地で友達になった日本人や演奏家の先生に後押しされて
みんなが見守る中フレデリックとお話しました。
恥ずかし告白シュチュエーションじゃん
、、、
絶対赤面だったと思う。


フレデリック目の前に
「あ、あ、あ、、、I want,,,,I want,,, I ,,WANT,,,,」

だから!出てこないのよ!
言いたい事なんか英語では~~!!
そんな恥ずかしい私に
「わかった、わかったよ!」
と眉毛下げて笑顔で答えてくれました。

あなたのレッスンをもっと受けたいです・・・・などと会話。
沢山話したい事はあるのに・・・。フランス語始めなきゃな。


レッスンでは音を出すというそのもののシンプルさを。

音は既にそこにあります。
それを私達から発するのです。
喜びをもってね。

と何度も言っていました。

芸術は人から出て作り出される。
一音の芸術性の高さ。

初めて私の中で当時の絵画や彫刻と音楽が
細部でリンクしました。
画家が手を描くのに何度も絵の具を重ね
影を重ね、深みをもたせるように。
ああ、音符一つが、そういう事なんだ。

今まで軽視していたつもりはなく、
良い音を目指してきたけれども、
目の前にそんな芸術を、あまりにも簡単に
差し出されてしまいました・・・

毎日そんな彼の音が聴けて幸せな一週間を送りました。








演奏会のお知らせ

2006年08月14日 | 演奏会

この秋にまた演奏会に出演する事になりましたのでご案内申し上げます。
私の最も愛するジャンル、フランスバロックの演奏会です。

18世紀初頭のフランスでは、王宮のみならず貴族のサロンにおいて音楽が楽しまれていました。このコンサートでは、そのような場で親しまれていた音楽を取り上げます。
踊りと結び付いた組曲や、音楽の中にちりばめられた情念、しかしまた気晴らしという、貴族のコミュニケーションの手段でもあったフランスのバロック音楽の魅力を味わっていただけると幸いでございます。


「情念(パシオン)と気晴らし(ディヴェルティスマン)
フランス音楽・そのはざまで 」

2006年9月29日(金) 19:00~(開場18:30)

甲東ホールにて(阪急甲東園駅下車すぐ アプリ甲東4階)
当日3000円 前売り2500円 学生1500円

◆出演
 谷野裕子(ソプラノ) 
 白木絵美(リコーダー) 
 坂本卓也(バロック・ウ゛ァイオリン)  
 城坂さおり(ウ゛ィオラ・ダ・ガンバ) 
 三島郁(チェンバロ)


○演奏曲目○
J.-B.ストゥック カンタータ第1番「ピロメーラー」
 F.クープラン 詩篇第13番「主よ、いつまでなのですか」
 F.クープラン 王宮のコンセール第2番ニ長調
 L.-N.クレランボー 組曲ハ短調
 L.-A.ドルネル 組曲第4番ニ長調
 J.オトテール 組曲ソナタ第5番ロ短調
ほか


★チラシ&詳細はこちらからどうぞ↓
http://sakamochi.jp/20060929.html
★お問い合わせ先  emi0424@amber.plala.or.jp 白木 

後援:同志社女子大学音楽学会《頌啓会》

ナミュール国際古楽音楽祭に参加

2006年08月04日 | 演奏会
ベルギー首都ブリュッセルから列車に乗ること1時間。
ナミュールという素朴な町で古楽の音楽祭がありました。
ガンバの友達と参加。

3回目の音楽祭でほやほやではあるものの、参加者70名ほど。
日本からはるばる参加するのは私達が初めてという事で、大変歓迎されました。

とりあえずの、、、講習会の写真。
http://www.metamusique.com/stage_2006/photos/photos.html

日本では味わえない音楽、毎日がそこには沢山ありました。

一流の音楽家に触れ、素朴で愛嬌のあるベルギー人はとてもなじみ易く、
言葉の壁は大変感じたものの、毎日充実した日々を送る事が出来ました。

レッスンは見事にオールフランス語。
そんなの分かるわけもなく、丁寧な英語でレッスンしてくれましたが、
なさけなくもほとんど言葉は理解できませんでした。
ううう。。。ほんとに撃沈でした。。。。

言葉の大切さが身に沁みました・・・・・。
日本人留学生や先生に助けられました。


先生方は本当に素晴らしい音を出していました。

予想以上に素晴らしく、
レッスンは毎日が楽しく、先生の音は深く、生きていた。
日本では学べないものが沢山ありました。


日本がストップしているのか・・・・
わたしが しらないだけなのか・・・・。

例えば、ガナッシリコーダー
日本ではかなりファン・エイクや初期バロックはこの楽器で演奏されます。
この楽器はルネサンスタイプの内径になりますが、
習った先生は、ここでは、ガナッシは
17世紀のものは演奏しません。
と断言。
日本では演奏されているんです・・・・

というと、がっくし・・・・
でした。
そういう事は結構ありました。

音楽のテンポも。

日本でのホールでの響きや残響事を考えると
仕方がない部分はあるとは思いますが、、、
その点を考慮して演奏している人は沢山いるとは思いますけどね。
私は疑問に思ったことすらなかったなあ。
1600年中ごろまで使われていたと習ったので・・・・。


解釈はそれぞれあります。
それでも、こちらの音楽が生きていたので、
確実性と確信をもらいました。

何を選ぶか、広い意味で時代や、場所、流行など
あると思いますが、
全て音に出ないと意味がない。
こちらの音楽家の素晴らしさは
それに表れていたのです。
学識高い解釈や知識、理論を並べても、
それに真実味をもたせるのは演奏しかないのです。
とても当たり前の事のようで、、、、
こんな当たり前の事に大変納得と同時に思い悩んでしまいました。。。。


そして、みんな気取らず、割と素朴・・・。
服装や態度や。
そして熱心。そのままの音楽、人柄が出ていました。

昼・夜はみんな同じ食堂で食事。
もちろんやっぱり昼からワインはありました~。

無事帰国しました。

2006年08月03日 | 日記
ご無沙汰しました。
1日の夜に無事帰国しました。

時差ぼけ真っ最中の絵美です・・・・。
帰ってから何故だか体が納豆を欲するのです。何故だ??
そしてPCキーボードの反応が悪く、腱鞘炎になりそう・・・・。

そんな事はさておき、
まあ、素晴らしかったです。

なんだか濃い濃い一ヶ月で二倍の月日を過ごした気分でした。
ヨーロッパは日が長い!
一日が長すぎでした。
それでも朝からレッスンやら聴講やら、夜は毎晩音楽会と
ゆったりまったり何かに浸るという時間は全くなかったですね・・・。

また追い追い写真などUPしつつレポートを書きます。
本当に美しいところや、治安悪すぎなところや、色々行きました~。
酔っ払いに後をつけられたり、
停電したり、お風呂は湯がでなくて、毎日水風呂はいらなあかんって
私は修行僧か!

ま、ま、小さな出来事は色々ありましたが、
平和に毎日音楽漬けでございました。

とりあえず今日はこの辺で・・・