EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

リコーダー紛失事件

2010年05月02日 | 日記
実は、リコーダーが紛失してしまったのでした。


ベルギーには4月に復活祭のバカンス(いわゆる春休み)が2週間あります。
私のバカンスは、そのリコーダー紛失事件に奪われ、悪夢のような毎日だったのだ。。。。


他人からしてみれば、たかが、笛なんですが、
私にとっては、何にも変えがたい、
沢山ある笛の中でも、今最大の期待の星!のような笛なのです。
その笛が出来上がるまでにも物語はあり、
楽器というのは、物ではないのです。


でも、他人からしたらただの、物体。



これが紛失したという事の悔しさは、人には伝えられない。







この10日間の日々で、
リコーダーが無くなったというだけではなく、
ベルギーという国、国民性の嫌な部分やら、外国人が外国で暮らすという厳しさを
嫌というほど味わったのでした。



人生思うようには行かないもんだ。。。とはよく言うけど、
本当にそうだなあと思う。
ベルギーで暮らすには、計画するとか、効率よくとか
考える時間は無駄に終わる。諦めたほうが良い。




日本のきちんとした組織、規律の中で暮らしていた私には、
ベルギーのこのいい加減さ、無責任さは正直理解し難く、
なんど、腸煮えくり返る思いをしたことか、、、、






アルトリコーダーの調整の為に、
オランダの製作家のところに修理に出していたのです。
本番が5月にあるので、それまでに間に合うように
予定を立てて、1、2週間で手元に届くはずでした。


自宅に届いた時は不在だったため、
不在届けが入っており、指定された郵便局に取りに行くと、


「ああ、まだここには来てないわ~」

という回答。来てないってどういう事?
この紙に取りに来いと書いてある。

「たまにこういう事があるのよね~~。明日また来て?」



まあ、こういうやり取り。
それが毎日続き、必要なリコーダーなだけに、
私もイライラ。

過去に2度荷物が無くなっているし、
たとえなくなっても、日本のようにちゃんと保障してくれない。
どんどん焦るわ、悲しいわ。。。途方にくれる。



きちんとした書留めで送ってあり、ナンバーもバーコードもあるから
探せないはずは無い。

センターに何度も問いあわせしたり
近所の郵便局にもまぎれていないか探したり、、、、

でもいつもその対応は、悪く、
データー状で検索するばかりで
どうにも探していない様子。。。。


配達人が、バーコードのスキャンを忘れており、
荷物がどこにあるか、誰も分からない。。。。


しかも、明らかに郵便局の過失なのにも関らず、
向こうの方が、イライラ怒っている。



なぜ!!!????



何故、立場逆転!?












自分が探さなければ、迷宮入りという感じだったので、
バカンスも終わり、一気に学校は怒涛のような毎日が始まったのに、
授業もキャンセルして、
配達してきた、そのマリーナとかいう配達屋を探して
情報を得るために、
毎朝家の前に座り込み、待ち伏せしたのでした。



別の配達屋を捕まえ、上司の連絡先やら、泣きながら聞きだし、
これでは、仕事ができない、見つからなければ、
弁護士を雇わなければならないの。。。。。

と若干脅す。



結局効果は無く、風邪だけ引く。。。。。




というのも、結局なんども足を運んで、
もしかしたら、此処にあるかもしれないから探してくれと
泣き喚き、冷たくあしらわれ続けたその郵便局にあったのだ。


どう考えても、目でみて、探していない様子だったので、
最後にだめもとと思い、
フランス語圏の男の子を連れていき、頼んでもらう。


すんなり出てきた。



結局、はじめに行った指定の郵便局にあった。
探したとか、探すとか言ってたくせに、
結局郵便局の過失であるのに、
結局なにも動いていなかったのだ。


これに似たような話もよく聞くし、
とくに ベルギーの郵便局、警察、交通機関、それからお役所関係!!
是非誰か徹底的に取材して、世界に発信して欲しい。。。。。




ヨーロッパでは、外人が泣き喚いたりすると
余計に人は力を貸してはくれない・・・・・・・
それどころか逆にキレられる・・・・
面倒な事を避けるのです。
大いに国、社会制度に問題あり・・・・。


とりあえず、愚痴を言い出したら、キリがないですし、
恥や屈辱的な思いをしてでも、
それでも自分が選んで此処に居ると決めたのだから、
絶えるしか無いのですが、なかなか簡単ではございません・・・・・


人生日々、訓練!!!




今回の出来事も、沢山の日本人の人に助けてもらいました。。。。




彼女たちが居なかったら、私はとうに日本に泣き帰っていると思う。


言いたいことが言えない、通じない、
文化の違いで理解されない異人として生きる中
そういう日本人同士の愚痴り大会、傷なめ合い会は
まさに薬。。。。。




それと、今回ようやく痛感したことがあるのですが、、、


私はどうやら、あまり運がよくないみたい。。。
ベルギーで遭遇した事件は、なかなか、自分の不運のせいで
巻き起こしているように思う。し、人にも言われる・・・・






ちなみに、、、、、


10日間、郵便局で熟成されたリコーダーは、
なかなかいいお味になって帰ってきたのでした。






いつの日か、私が黒いアルトリコーダーを吹いていたら、
ああ、あの郵便局熟成リコーダーか、、と思ってください。